月刊すたの通信|2018年8月のできごと。

1か月間のできごとをまとめて振り返る「月刊すたの通信」の8月号です。今月は「博士課程」というテーマについて深く掘り下げた月でした。


ペルセウス座流星群、撮りました。

月が出ていない × 晴天に恵まれる × 流星群 × お盆休み ——という、絶好の星空撮影日和だったので、行ってきました。

流れ星を撮影できるかどうかって、運次第なところがあります。カメラを構えている方向で、かつシャッターを開けているタイミングで、星が流れなければならないからです。

ということなので、4時間くらいかけて700枚くらい撮りました。すべてRAWで撮ったので、17GBもの膨大なデータ量です。

この中から「1枚ずつ手作業でチェックして流れ星を探す」という途方もない作業をした結果、奇跡的に流れ星が写っている写真がありました。

こちらの記事からご確認ください。

ペルセウス座流星群を撮影してきました。最近の撮り方をまとめておきます。 – starnote*
絶好のコンディション。 今年3月に始めて以来、マイブームになっている星景撮影。先日の8月12日にはペルセウス座流星群が極大を迎え、月も出ておらず、雲も少ないという絶好の星空撮影日和でした。 → はじめての星空撮影をしてきたら、反省点の多いものになりました。 → ゴールデン・タイムラプス・ウィーク せっかくなのでタイムラプスを。 流れ星を撮影できるかどうかって、運次第なところがあります。カメラを構えている方向で、かつシャッターを開けているタイミングで、星が流れなければならないからです。 だから、撮影できる確率を上げるためには、〈星が流れてくる可能性が高い方向〉を〈できるだけ長時間〉撮影し続けることが必要です。数打ちゃ当たる戦法ですね。 この「できるだけ多くの写真を撮る」という戦法は、タイムラプスと非常に相性が良い。むしろタイムラプス撮影そのものだったりします。 なので今回は、流れ星を撮影することを主目的とし、副産物として星のタイムラプスを作ってみました。 撮影場所、どうしようか。 星景写真のクオリティを決めるのは、撮影場所が7割、機材が2割、技術が1割だと思っています。それくらい「どこで撮影するか」が重要。 もちろん当日の天気や月の出方などのコンディションも関わってきますが、自分ではコントロールできない。自分で決められる範囲での話になると、このくらいの割合になると思います。 ではどのような場所がいいのか。 街から離れていて光の少ない場所がいいというのは、なんとなく想像できると思います。さらに、写り込む山や木などの背景も、魅力的な写真を撮るには非常に重要。 そんな場所どうやって探すのと思うかもしれませんが、結局のところ、自分の足で探さなければ満足のいく場所は見つからないのです。 下の写真は以前撮影したものですが、僕はこの木の感じがとても気に入っています。だから今回も真っ先にこの場所が思いつきました。 その場所とは、こちらです。 長崎県諫早市の「白木峰(しらきみね)」というところ。春は菜の花、秋はコスモスが咲くことで有名な場所です。 また、街中からは少し離れていて、夜になると真っ暗になります。すぐそばには天文台もあったりして、星を観察するにはうってつけの場所なのです。

せっかくアングルを固定して700枚もの写真を撮ったので、タイムラプスも作りました。こちらも併せてご覧いただけると嬉しいです。


博士課程に関する情報発信強化月間

先月末、ブログの輪郭をはっきりさせて個性を出したいという記事を書きました。

2018年下半期の方向性について|自分の個性とブログの輪郭

僕にとって「個性を出す」ことは具体的にどのようなことなのか。こう考えると、やはり

  • 現在在籍していて
  • 日本に延べ人口が少ない

と思われる「博士課程」のことだという結論に至りました。

なので、8月は「博士課程に関する情報発信強化月間」と位置づけ、以下の3つの記事を書きました。


「時間」と「お金」の話

日本における博士課程の修学期間は3年または4年。ストレートに学位を取ることができればこの年数で終わりますが、間に合わなければもっと残る人だっています。

あとは入学金やら授業料やらPCを買い替えるやら、大学院生としてやっていく上で必要な就学費。また、学生だからといってただで暮らせるわけではないので、3〜4年分の生活費も必要です。

はたして、「PhD」という学位には、これだけの時間とお金をかけて取得するだけの価値があるのでしょうか?

こんな視点で書いたのが、1回目の記事です。

博士課程をイメージしてみよう①|「時間」と「お金」の話 – starnote*
進学前には誰も教えてくれなかったことを。 「個人」の価値が重視される時代になると、PhD(博士号)を持っていることが重要になってくる。すでに欧米ではそのような社会になっているので、遠くはない未来に日本もそんな時代を迎えるでしょう。 そのPhDを取得するためには、大学院の博士課程(博士後期課程)で研究をしなければなりません。でも、進学に対して必要な話をしてくれる人があまりいない、というのが現状です。 そこでこの記事では、「時間」と「お金」にフォーカスして、博士課程の学生の現状をお伝えします。 僕について 2009年に国立大学の薬学部6年制課程に入学し、2015年に卒業。そのまま博士課程に進学して、現在D4(博士課程の4年生)です。2019年3月修了予定。 6年制課程を卒業すると、薬剤師として就職する人がほとんど。そのまま博士課程に進学するというのは、学年40人中1〜2人くらいしか進まない道なので、かなりのレアケースです。 と、ここで長々と自己紹介をするのもアレなので、もっと詳しいプロフィールはこちらからどうぞ。 → 著者プロファイル 博士課程の修学期間 まずは一般論。 日本における大学院の場合、ベースになる学部の上に研究科が設置してあることがほとんどです。大学には4年制学部と6年制学部があり、それぞれの大学院は以下のようになっています。 4年制学部 → 2年修士(博士前期)課程 → 3年博士後期課程 = 9年 6年制学部 → 4年博士課程 = 10年 薬学部は混在している 他学部の方には関係のない話なので、読み飛ばしてOKです。 そもそも前提として、日本における薬学部は6年制と4年制が混在しています。6年制は薬剤師免許をとることを目的としたコースで、4年制は薬剤師免許を取得せずに研究者になることを目的としたコース。 ただ、あくまでもこのコース分けは薬剤師国家試験の受験資格を得られるかどうかで分類したものです。 どちらのコースも卒業論文をまとめないと卒業できないので、研究は行う必要があります。そのため、薬剤師免許を取得できる6年制コースの上にも、研究を行う博士課程の大学院があります。 つまり。 薬学部の大学院には「修士(博士前期) → 博士後期」「博士課程」の2種類のルートがあるということです。 さらに、4年制 →

「研究」とは?

「研究」という日本語。

よく耳にする言葉ですが、その本当の意味をきちんと理解している人は少ない。もちろん、少しでも携わったことのある人ならわかると思いますが、「研究」という言葉を知っている人の母数を考えると、「少ない」と言っても過言ではないと思います。

だから、本当の意味を発信する必要があると思い、この記事を書きました。

博士課程をイメージしてみよう②|「研究」とは? – starnote*
研究者を目指す者たちへ。 東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所が実施した「子どもの生活と学びに関する親子調査2015」では、将来なりたい職業の第3位に〈研究者・大学教員〉がランクインしました。 現在博士課程に在籍していて、こうしてブログメディアを運営している僕としては、このような結果を見ると他人事のように思えないのです。持てる知見のすべてを文章にして提供したいと思ってしまいます。 つまり、子どもたちに限らず、大学院に進学しようか迷っている大学生などに対しても、研究のことを噛み砕いて伝える。このような取り組みもまた、博士課程に在籍する大学院生に課せられた使命だと思うのです。 先日は、博士課程進学に関する「お金」と「時間」の話について書きました。せっかくなので、〈博士課程をイメージしてみよう〉というシリーズとして、いくつかのトピックについて書いておきたいと思います。 今回は〈研究とは何か?〉ということについて。まだ2回目なのに本質的な話題に入っていきますが、先に書かないと次の話題が書けないので、ここから始めます。 一般的な「研究」との乖離? 就活においてよく聞く「企業研究」という言葉。僕はずっと前から違和感を覚えていて、以前こんなツイートをしました。 就活における「企業研究」っていう言葉にずっと違和感があるんですよ。だって「研究」って、既存の文献を元に新たな仮説を立て、それを実証していくっていうPDCAサイクルそのものなんですよ。でも企業研究ってただの〈調査〉じゃん。新しいもの生み出してないじゃん。だから違和感しかないのよ。— みけめろ@starnote* (@info_starnote) 2018年7月9日 このように、〈ただの調査にすぎないもの〉が研究とよばれていることがよくあります。そのような場面に遭遇するたびに、僕は心の中で「いや、それは研究じゃないよ?」と突っ込んでいます。 では、「研究」の正しい意味とは、どのようなものなのでしょうか? 研究 = 仮説の検証 研究とは、〈仮説を立て、それを証明していく過程〉のことをいいます。具体的には、以下のようなサイクルで回ることが多いです。 複数の文献 ↓ 新たな仮説 ↓ 実験(適切な実験デザイン) ↓ 証明 ↓ 発信 複数の文献から新たな仮説を立てる たとえば、 文献A:リンゴは甘い

僕が論文を書くときに使うアプリ

2回目が「研究」という漠然としたテーマだったのに対し、3回目はもっと具体的な作業に落とし込んで紹介してみました。

これから研究に携わる世代に紹介できればいいかなーと思って書きましたが、現在進行形で研究を行っている人々からも反応がありました。

ひとえに「論文を書く」といっても、その方法は研究分野によって違うようですね。

博士課程をイメージしてみよう③|僕が論文を書くときに使うアプリ – starnote*
日本で「博士課程に進学する」と言うと、どうしてもネガティブなイメージが伴ってしまいます。なぜ学士や修士で就職して社会に出ないのか、と。 それは、海外ほど「博士号」というものが重要視されない風潮があるから、というのはよく言われることです。 でも僕はもうひとつ原因があると思っています。 きっと得体の知れないものに対する拒絶反応の一種で、博士課程と聞いても何をしているかわからないから、そのような反応になるのではないか。こう思うのです。 だから、博士課程に在籍する人たちがもっと積極的に情報を発信しなきゃいけない。このような想いで、いまこの記事を書いている次第です。 ブログの輪郭をはっきりと 先日、これまでぼやけていた僕自身のことについて書くことで、このブログ自体の方向性をはっきりさせたいという記事を書きました。 この取り組みの一環として、僕が現在在籍している博士課程のことをもっと書いたらいいのではと思い、これまで2つのトピックについて書きました。 1回目は、3〜4年という時間と、決して安くはないお金をかけて博士課程に進学する価値を見いだすことができるのか、ということについて。 → 博士課程をイメージしてみよう①|「時間」と「お金」の話 2回目は、そもそも「研究」とは、ということについて、俯瞰的な内容を書きました。 → 博士課程をイメージしてみよう②|「研究」とは? 研究という大枠の中に実験があり、その成果を広めるための手段として、学会発表や論文があります。 学会発表に関してはこれまでも何回か書いたので、今回は論文を書くということについて。 → 国際学会でポスター発表をしてきました。英語で発表したけれど、自分でもビックリするくらい喋れてすごく楽しかった話。 → 学会発表における「スライド」と「デザイン」の、切っても切れない関係。 論文とは 僕は薬学系の研究をしているので、よく読むのは生命科学系の論文です。 なので、論文を見つけるときによく使うのは「PubMed」という検索エンジン。アメリカ国立医学図書館が運営しているサイトです。

リジェクト食らって再投稿してました

先月号の「月刊すたの通信」では、

8月は通常のペースを取り戻して、2〜3日に1記事くらいのペースで更新できればと思っています。

と締めくくっていたくせに、全然できていないじゃないかと。

これは言い訳させてください。

昨年学部生にやってもらっていた研究を論文として仕上げ、それを投稿したのが8月はじめです。しかし、そのあとリジェクト(不採用)されました。そこから改訂作業に入り、また別のジャーナルに投稿しました。

このような「論文脳」になっていると「ブログ脳」に切り替えるのに労力がかかるんですよ。言語も違うし、文章の構成も違うし。だからブログの更新が滞っていました。

博士課程の大学院生の仕事は「論文を書く」ことなので、ある程度は仕方がないよね。うんうん、そうだよねー。


来月こそはペースを戻す

9月からはちゃんと更新するという誓いを立てるため、やっとこさBloggers Tea Partyに入ろうかと思っています。一緒にがんばる仲間がいるっていいよね。

そんな感じで、これからも更新するので、気が向いたときにでも覗いてやってください〜。ではー!

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