何世代も受け継がれてきた、日本の伝統。
それが積み重なるほど、高貴で由緒正しいものになる。でも伝統に歴史が折り重なると、どんどん重たくなって、僕みたいな一般人から遠のいてしまい、次第に使われなくなっていく。
それだと、次世代に受け継がれないんだよなぁ。
これまで何世代も受け継がれてきたからには、それなりの理由があるはずです。つまり、〈いいものだから〉〈それがあるのが当たり前になって〉〈いつの間にか世代を越えて受け継がれてきた〉ということ。
だから、その〈良さ〉をきちんと次世代に受け継いでいくこともまた、僕らの世代に課せられた使命だと思うのです。
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持ち歩ける「涼」で、安楽な暮らしを。
偉そうな文章から始めましたが、今日取り上げるのは「ひだりうちわ」という商品。「持ち歩ける『涼』で、安楽な暮らしを。」というコンセプトのもと、作られているうちわです。
なぜ「ひだり」なのかというと、利き手ではない左手で使うことから「安楽に暮らすこと」を意味しているそうです。だから左利きの人にとっては「みぎうちわ」なんですね。
僕はもともとこのうちわを知っていたわけではなくて、東急ハンズを物色していたときに偶然見かけ、衝動買いしてしまいました。
「丸亀うちわ」とは?
独特な小判型のこのうちわは、「丸亀うちわ」と呼ばれています。
その名の通り、香川県丸亀市で作られていて、江戸時代に四国の金毘羅参りの土産物として考案されたことが始まりとされているそうです。
持ち運びが前提となっているため、普通のうちわよりも幅を狭めているのですね。
コンセプトは「世界の紙を使う」
「世界の紙を使った、Made in Japanの品質」というコンセプトのもと、ニューヨークやドイツでデザインされたネパールの手漉き紙や、京都の友禅染手漉き和紙などが使われています。
僕が購入したものは京都の友禅和紙で作られたもので、京都市右京区の職人さんが一枚一枚手染めしているらしい。
和紙は強度も十分で、はみ出ている部分も折れ曲がったりしません。
丁寧な仕上げで満足感が高い。
柄の部分の太い竹に細かい切り込みを入れて、それを放射状に広げることで、うちわの本体ができています。
これだけハイクオリティで満足度の高いうちわが、なんと900円で買えてしまうんです。衝動買いしたときの気持ち、わかってもらえるかなぁ。
iPadと並べてみてもこのとおり。小さくて薄いので、カバンにさっと忍び込ませておけます。
まとめ
安っぽい紙がプラスチックの枠にのり付けされたうちわ。それでも確かに「涼しい風を発生させる」という目的は達成できるかもしれません。
しかし伝統とは、日常生活レベルにまで落とし込まないと、次世代へとつないでいくことは不可能です。和紙と竹で作られた機能的で美しい伝統があるのなら、それを伝えていこうではありませんか。
少なくとも、安っぽい紙とプラスチックが溢れるよりは、美しい未来を次世代に残すことができる。そう信じています。