それでも書くけどね。
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個人ブログの時代は終わりか?
10月中旬からGoogleの検索アルゴリズムが大きく変わったようで、当ブログもかなり大きく被弾してしまいました…アクセス半分くらいになった…
ただの趣味ブログだし、これまでもPVは気にせず書いてきた(だからこそ今回の件も1週間ほど遅れて気づいた)から、特に影響はありません。そうなんだけど、実際にアクセスが減ったのを見ると寂しい気持ちでいっぱい。
ブログというメディアが終わりだと言われ始めて久しいですが、そろそろ本当に終わりを迎えつつあるのかもしれません。少しずつじっくりと沙汰されていく感じ。
でも、ブログをやめるとか更新頻度を落とすとかは一切考えてなくて、これまでどおり〈思考と体験のアーカイブ〉を作るためにひたすら記録していくだけ。その道のりがとても楽しいことに変わりはないのです。
とはいえ、今回の件がブログに対する向き合い方を考える(考え直す)きっかけになったのは間違いなくて。こういうブログに対するスタンスをこれまで書いたことあったかな? なかったかもしれないので、ここで少し言語化しておきたいと思います。
個人ブログにはストーリーが重要
僕の持論なんだけど、個人ブログに求められているのは、体験談であり、ストーリーです。
あくまでも個人という立場(n=1)で書いていて、どんなにがんばっても普遍的・中立的なことを言うのは難しい。だからこそ、それはそれとして受け入れた上で、個人(自分自身)のフィルターを通した意見を書くことに価値があるし、読者の皆さんもそこに着目しています。
例えば、とあるモノのレビューであれば、購入に至るまでの思考回路とか、開封したときにどう感じたかとか、実際使ってみてどう思ったかとか、こんなことを書くのに専念した方がいい。
スペック表とか、他の製品とのメリット・デメリットの比較とかは、購入までのストーリーに含まれる話題であれば入れてもいいけれど、そうでなければ別になくてもいい。個人ブログには「個」の視点からモノを語ることが求められているわけで、中立的なメディアじゃないから、公式サイトのようなニュートラルな情報は不要。バイアスかけまくっていい。
ただ、こうやって書いた記事が広まるかどうかは別問題。読者に求められていたり、検索キーワードに上手く引っ掛かれば多く読んでもらえるかもしれないけれども、そうでなければ大して広まりません。
それでも広めたいのなら?
それでも、書いた記事を広めたいのであれば、どうすればいいのか?
方法論はいろいろ言われているけれども、個人的には「キーワード選定」と「更新頻度」がポイントになると思います。前者はGoogle検索に拾ってもらいやすくするために最適化しつつ、読者の需要を先読みして狙いに行く。後者はアクティブなドメインだということをGoogleに知らせつつ、固定読者の期待に応える側面もある。
でも、いくら個人ブログでキーワードを選定して書いたところで、確実に限界がある。だからこそ、「どこで書くか」の方がもっと重要です。
例えば、7月に書いた「CX-60の半年レビュー記事」はある程度キーワードを選定しながら書いたけど、ブログでは4,000 PVほどだった(これでもGoogle Discoverにピックアップされて跳ね上がった)のに対し、同内容を転載したYahoo!ニュースでは軽く23,000 PVを叩き出しました。そして、狙っていたキーワードで今検索すると、Yahoo!ニュースの方が表示されます。
▶︎ CX-60と暮らす|納車半年、アップデートで乗り心地が変わる稀有な車の現在地
ここから得られる知見は2点。
ひとつは、同じ内容であっても書く場所(すなわち、サービスが抱える固定ユーザー数やドメインパワー)がとても重要だということ。もうひとつは、個人ブログはどうがんばっても大手メディアには太刀打ちできないこと。
つまり、多くの人に読んでもらいたい記事であればあるほど、個人ブログで書くのは最適ではない。ユーザー数が多くドメインパワーが強いプラットフォームで書いた方が広まるに決まっています。
ただ、Yahoo!ニュースはみんなが書けるわけじゃないから、それこそnoteがちょうどいい。ユーザー数も多いし、プラットフォーム内のサジェスト機能も的確で、記事を読みたいであろう読者のもとに比較的簡単にリーチすることができます。
これも具体例を出すと、GR IIIxを旅のサブカメラに使うといいよと提案した記事。ふと思いついて1〜2時間で適当に書いた記事なのですが、ブログでは300 PVほどだった(普段の記事なんてそんなもんです)のに対して、同じ内容でnoteに投稿したところ600 PVほどになったと。
▶ GR IIIxの旅スナップ|サブカメラとして持ち歩き、シャッターチャンスを逃さない
しかも、noteガジェット公式アカウントが運営するマガジンにも取り上げてもらえました。プラットフォームで書く意義はここにもあって、アルゴリズムによるキュレーションだけでなく、運がよければ人力のまとめにも入れてもらえる可能性がある。これは個人ブログだけで書いていたら到底不可能です。
何が言いたいのかというと、多くの人に読んでもらいたいのであれば、個人ブログだけに投稿するのは最適じゃない。塩谷舞さんが昔おっしゃっていたけれど、個人ブログは「無人島でお祭りを開いている状態」だから、どんなにいい記事でも広まるとは限らないのです。
だからこそ、多くの人が集まるプラットフォームで書く必要がある。それはnoteかもしれないし、動画にしてYouTubeで発信することかもしれません。
個人ブログは何のため?
だったら、個人ブログなんてもうキーワードとか気にせずに好きなことを書いたらいい。もともと足枷のある勝負なんだから、もはやアクセスなんて気にしなくていい。
これこそが、アクセスが減ったとしても僕がブログを続けると言っている理由。初期のstarnote*のコンセプトが「僕が書きたいことを書きたいときに書くブログ」だったんだけど、個人ブログの存在意義なんてそんなもんで、あまり深く考えなくていいのです。
そもそも個人ブログなんだから、ひとつひとつの「記事」ではなく、書いている「人」の方が重要なのは明白です。記事の集合体であるブログやメディアは独自の色を持ちますが、複数人で運営しているメディア(それこそ、ギズモードとか)でさえ色を持っているから、1人で運営する個人ブログはさらに濃い色になる。その「濃くなった色」こそが、そのブログのアイデンティティです。
だから、個人ブログを運営する上でやるべきことは、自分のブログの色をひたすら濃くすること。自分の考えていることや体験したことを恥ずかしげもなく綴ることで自ずと濃くなっていくものだから、その作業を地道に繰り返す。これだけです。
何度もやっていると自分のスタイルが確立され、記事を書くハードルはどんどん低くなっていきます。そうする中で「これはよく書けたから広めたい」と思える記事が出てくることでしょう。そういうときにはプラットフォームにも載せると、本当にいい記事であれば結構広まるものです。目論見が外れることもあるけどね。
これからもひたすら書き続ける
——というようなことを思っているから、いくらアクセスが減ったとしてもstarnote*の更新をやめるつもりはありません。自分が好きなことを好きなだけ書ける心地よい空間だし、記事を書くことが日常の一部になっているから、やめる理由がない。
なんとなく始めたこのstarnote*も9年目、10周年が現実的なものになってきました。始めた当初は2日でくじけてしまったから、10年も続くなんてこれっぽっちも思っていなかった。こんなに続いていることに何より自分自身が驚いています。
だからこれからも前を向いて、ひたすら〈思考と体験のアーカイブ〉を地道に作り続けてみようかなと思っているのです。
▶ starnote*開設前夜 〜僕がこのブログを始めた経緯と、その後の話〜
▶ starnote*とともに歩んできた大学院時代の話