最初期のエピソードを書き記します。
この記事は壮大な自分語りです。
これまであまり書いてこなかった「僕がこのブログを始めるに至った理由」とか「始めたばかりの頃のエピソード」とか、昔の話を書きたいと思います。今から始めようと思っている人の参考になるかもしれないし、何より自分の記憶も薄れていくので、覚えているうちに文章として記録しておきます。
なので、この記事は基本的に有益な情報を書き記した記事ではありません。貴重な時間を無駄にする可能性もあるので、本当にお時間のある人だけお読みいただければと思います。なお、記事中のサイトの画像はスクショを撮っていないものが多いため、Internet Archive から持ってきたものもあります。
さて、準備はいいですか?
2014年5月。25歳の春が終わろうとしているような時期のこと。
僕は長崎大学薬学部の6年生になったばかりでした。いや、別に留年していたわけではなくて、薬学部薬学科なので6年間通うような学部だったんです。臨床現場での実習は5年生のうちに終わらせてしまって、6年生は卒業研究と薬剤師国家試験の勉強に明け暮れる運命が決定していました。
当時から、「ブロガー」と呼ばれる人たちが、趣向を凝らしたブログの上で多くの記事を発信していたんです。ちょうどこの頃が個人ブログの全盛期だったような気がしますが、僕も「男子ハック」「delaymania」「NUMBER333(後のmonograph)」といった先人たちのブログをよく読んでいました。そんな時代。
また、人のカバンの中身を見るのも好きだった僕は、「inmybag」というカバンの中身投稿サイトをよくチェックしていたんです。最新のiPad Air 2をかっこよく持ち歩いている人に憧れたり、いくつものガジェットが入ったカバンを見て「こんなに何に使うんだろう?」と思いを馳せてみたり。そんなとき、ひときわ目を引いたカバンの中身がありました。
それが「トバログ」のカバンの中身でした。投稿に記されたリンクからブログにお邪魔してみると、まだ10記事程度しかないような、始めたてのブログだったんです。それなのに、なぜか惹かれるものがあって、毎日のように覗きにいくようになりました。新しい記事が上がっていると嬉しかったですね。
それを数日繰り返して気づきます。「そうか、先人たちのブログが偉大すぎて気づかなかったけど、今からブログを始めても遅くないんだ」と。情報の消費者としてブログ界隈に接してきたけれど、実際に自分で書いて運営側に回るという選択肢もあるわけで。文章なんてまともに書いたこともなかったけれど、とりあえずやってみよう。
そう思って、このブログのドメイン「starrrrr.com」を取得したのが、2014年5月26日のことでした。
なぜこんなドメインなのか。
僕は当時から [Alexandros] が好きで、Starrrrrrr という曲をよく聴いていました。そこから拝借して starrrrr.com としたんです。敬意を示して r の数を5個に減らしておきました。
このときはまだ「starnote*」という名前は存在していません。ドメインは starrrrr.com にしたことだし、「STARRRRR BLOG」にでもしようか。でもなんだかありふれているので、もう一捻りしたいけれど、いいブログ名が思いつかないから一旦これでいこう。と、結構適当に決めていました。
ドメインを取って、サーバーも借りました。早速WordPressとやらをインストールしてみようと手をつけたのはいいけれど、まともにWebサイトの構築なんてやったことなかったので、途中で挫折してしまいました。こんなに大変だとは思わなかったよ。
途端に面倒になってしまい、ブログを開設するモチベーションはゼロに。それ以降、準備中のまま長いこと放置してしまいました。これが1回目の挫折です…!
それから1年以上が経過した、2015年7月。
薬学部は卒業して、大学院(博士課程)の1年生でした。このタイミングでキャンパスの移転があり、研究室も新しくてきれいな場所になりました。進学して大学院生になったわけだし、何か新しいことでも始めてみようかなと。そこで、「あ、そうか」と思い出しました。
そう、準備中のまま放置していたブログです。ドメイン代もサーバー代も無駄にかかりっぱなしでした。さすがに勿体ないし、新しいことを始めるのにちょうどいいので、構築作業を再開することに。とはいえ、またWordPressを使うと分からなくて挫折してしまいそうだったので、独自ドメインを使えるブログサービスに乗っかってみることにしました。
選んだのは「はてなブログ」でした。独自ドメインも使えるし、落ち着いた雰囲気のブログサービスがよかったので、もはや必然。借りたままのサーバーはとりあえずメールサーバー専用にしておいて、ブログまわりの知識が付くまでは、はてなブログを使ってみようと。もちろん、その後にWordPressに移行することは織り込み済みでした。
はてなブログは、ほぼワンクリックで開設できるようなサービスなので、箱を作るのは簡単でした。しかし、その後に2回目の挫折が訪れることになります。
当時、付き合いのある研究室との共同研究で、五島列島の特定健診に1週間ほど同行して血液サンプルの処理をするボランティアをしていました。「せっかく旅費は出ることだし、五島列島での体験を書くことは、このブログの最初の記事にうってつけでは…?」と思い、2回に分けて記事化しました。今の自分の基準だと1記事にまとめても薄い内容ですが、当時はこれが精一杯。
でも、2本の記事を生み出すことで完全燃焼してしまって、その後に全く繋がらなかったんです。正直、何について書いたらいいか分からないし、文章を書くのも時間がかかるし、「ブログに投稿した」という事実だけで満足……。今思うと甘ったれすぎですが、記事を書くことにおもしろさを感じなかったので、またしばらく放置することになってしまいました。
ブログのことが頭にちらつく日々が続いていましたが、なかなか記事を書くことができませんでした。夏だったはずの季節は、気づけば秋になり、目の前には冬が顔を出そうとしていました。
前述のとおり、そもそも何について書いたらいいのか分からない。どのように伝えたらいいのか分からない。文章を書くのが苦手で、1,000字程度の記事を書くのに2時間も3時間もかかってしまう。そんな自分に嫌気がさして、なかなか書こうという気分にならなかったんです。
追い打ちをかけたのは、2016年2月末にあった薬剤師免許の国家試験に向けた勉強でした。恥ずかしながら、学部6年生のときに受けた国試は、勉強不足と当日の体調不良が相まって、あと3点で落ちてしまったのでした。なので、大学院1年生のときに再チャレンジしたんです。ここでは受かりましたが、当然ブログなんて書いている時間はありませんでした。
医師・歯科医師・薬剤師などの国家試験経験者なら分かると思うけれど、年末年始くらいから追い込まれて精神が崩壊しており、それ以外のことなんてどうでもよくなるんです。でもなぜか、頭の片隅には常にブログのことがあったんですね。この先数年間、研究だけをやっていると頭がおかしくなりそうなので、国試が終わってからブログも成長させてみようと。
そして、2016年3月。
肩の荷が下りたところで、しばらく離れていた研究にもう一度取り掛かります。と同時に、ブログ記事の量産化にもチャレンジしてみました。「上手く文章を書けない → 記事を書きたくない → だから書かない → いつまで経っても文章が上手くならない」という負のループにはまってしまったら、一生抜け出せないような気がして。
ここで自分を変えないと、何をしても中途半端なままで人生が終わってしまう。だから、アウトプットを上手にできるかどうかは一旦目を瞑って、まずはひたすら文章を書くことから始めないといけないと思いました。思いついたことや買ったモノについて、例外なくひたすら記事化してみようと。そうしないと、コンフォートゾーンから脱出することはできない。自分自身の殻を破る必要があったんです。
ここまでの決意を持ってブログを再開するので、何か意味づけできることをしたいと思いました。ああそうだ、地味に納得がいっていなかったブログ名を変えてみよう。きっと「STARRRRR BLOG」なんて名前で続けても誰の記憶にも残らないだろうから、もう少し特徴のある名前を。
ドメインは starrrrr.com を取得していて、今さら変えるのも気が引けたので、「star○○」という名前で。そして、このブログは自分自身の思考と体験を書き記していくノートブックだと思っていたし、当時「○○note」という響きが好きだったんです。この2つを合わせて「starnote」はどうだろうか? 字面を見たときに、j とか y のように、ベースラインから下に突き出た文字がなくてきれいだし、左右対称のように見える文字の塊もいい。
調べてみると、starnote という単語は1ドル紙幣のことを意味するみたいだけど、日本で一般的に使われている単語でもない。もちろん、同名のWebサイトも存在しない。これはいけると思いました。
でも、さらにもう一捻り欲しかったんです。「starnote」という文字を読んでもらえなくても、一目でこのブログだと分かるもの。うーん、なんだろう……
と考えた結果、noteつながりで「*(アスタリスク)」を付けることを思いつきました。noteには「ノートブック」という意味もあれば、「注釈」を意味する場合もあります。その「注釈」から連想してアスタリスクを付ける発想。さらに、アスタリスクは「star」と呼ばれる場合もある。………それだ! 「starnote*」とすれば、仮に「starnote」の部分を覚えてもらえなくても、「ああ、 あのアスタリスクが付いてるサイトね」と思い出してもらえるかもしれない。
こんな経緯があって、このブログを「starnote*」と命名したんです。
そこからは、ひたすら記事を量産する日々が続きました。
最初は自分の書き方のスタイルもないし、先人たちのブログの見よう見まねです。はっきり言って苦痛でした。がんばって書いたのに、最後に読み返してみると大した内容じゃないし、当然ながら誰にも読んでもらえないんです。
でも、2か月くらい続けていると、文章を書くことにも幾分慣れてきました。このあたりの過程は以前記事にしましたね。
全体を通して意図が一貫した文章を書くということは、とても頭を使うことではないか。一文一文だけでなく、文章全体を通して矛盾や破綻がないようにまとめなければならない。一文の文法や言い回しにも配慮しつつ、全体を俯瞰的に見たときのその文の役割も気にしながら、文章全体として同じ方向を向くように意識して、キーボードを叩く。
重要なのは、僕はこの作業を大変だとは思ったけれど、決して嫌ではなかったということ。むしろ楽しいと思えたのだ。
そうか。文章を書くのは楽しいことなんだ。好きこそものの上手なれと言うことだし、楽しいと思えるのであれば、ある程度の能力が身につくまで続けてみたら、新しい視点が身につき、新しい世界が見えるかもしれない。その先にはきっと、もっと楽しい何かがある。
→ 飽きっぽい僕がブログを5年も継続できた理由と、その先にあった世界
そうは言っても、誰にも読んでもらえない日々は続きます。1日のアクセス数は5件とかです。笑えてくるほどに全く伸びませんでした。でも、7〜8記事しかない時点でGoogle AdSenseを申請してみると、すんなり通ったんです。そのおかげで、なんだかGoogleには認めてもらえた気がして、それをモチベーションにして書き続けていました。
アクセスが一気に伸びたのは、2016年9月。継続して半年が経ったときのことでした。
毎年のようにiPhoneを買い替えていた僕は、もちろん2016年のiPhone 7 Plusを予約。一緒に買ったApple純正レザーケースが先に届いたので、そのレビューを書いたところ、多くの方々に読んでいただけたんです。それ以降、月のPV数は万の位に到達するようになりました。
ここまでブログを大きくすることができると、モチベーションの維持には困らなくなりました。むしろ楽しくなってきて、ブログを書くことが趣味になってきたんです。飽きっぽい自分自身に1本の軸を通すためにブログを始めようと思っていましたが、それがだんだん具現化されていきました。
とはいえ、「何について書くか」ということは永遠の課題です。開設前はガジェットブログでも作ろうかと思っていましたが、コンスタントに記事を出すためには、ガジェットを買い続けないといけません。さすがにいつか破綻してしまいそうで、続かないだろうと。
特化ブログにするか、雑記ブログするか、という議論は当時からありました。特化ブログにした方がアクセスは稼ぎやすいけれど、ネタに困りそう。僕には雑記ブログの方が向いている気がしたので、購入したガジェットのレビューに加えて、旅の写真だったり、日々の暮らしの中で考えたことを書き記す。というように、「僕が書きたいことを書きたいときに書くブログ」をコンセプトに書くことにしたんです。
その結果、多くの方に読んでもらえるブログに成長したので、雑記ブログにする判断は間違っていなかったと思っています。
という感じで、starnote*最初期のエピソードを書き記しました。
その後は、ひたすら記事を量産してブログをさらに拡大したり、念願のWordPressに移行したり、dripとの繋がりが生まれたり、Yahoo!で記事を書き始めたり——といったエピソードが続きます。でも、話が長くなりそうなので、今回はここまでです。この先のエピソードも、もし機会があれば書くかもしれません。




