特集:「デジタル・ミニマリズム」としてのiPhone
便利すぎるデバイスは、ときに思考を鈍らせる。
だからこそ、iPhoneを「どう使うか」を考え直したい。
ふと浮かんだアイデアをメモし、光に気づいた瞬間に写真を撮る。
そのための道具として、iPhoneを位置づけるだけで、日々の感度が変わる。
「デジタル・ミニマリズム」としてのiPhone。
情報を減らし、思考を増やすための使い方を探っていく。
iPhoneのホーム画面は1ページでいい。むしろ、それがいい。
ホーム画面は、ただのアプリアイコンの並びではない。毎日何度も目にするその空間は、「自分が何を大切にしているか」を映す鏡でもある。
無意識に開いてしまうSNSを外し、意識的に触りたいアプリだけを残した「1ページ運用」。それは単なる整理術ではなく、デジタルとの距離感を整えるひとつの方法でした。
この記事では、ChatGPTウィジェットや一軍アプリの選び方、Siri提案・Spotlight検索を活かす工夫など、実際のホーム画面構成を通して「情報を減らす心地よさ」を探っています。
iPhoneを整えることは、思考を整えること。そんな感覚を取り戻すきっかけになれば。
▶ iPhoneのホーム画面は1ページでいい。むしろ、それがいい。
「何でもできるiPhone」から、僕は逃れられない
何でもできる。だからこそ、集中できない。iPhoneの中にすべてを詰め込みながら、僕たちはしばしば「没入」を失っていく。
けれど、アプリを1つだけ開いたとき——たとえばUlyssesの全画面で文章を書いている瞬間だけは、iPhoneは「テキストエディタ」という、ひとつの役を演じてくれる。
万能さと不自由さの狭間で揺れる思考。ポメラのような専用機への憧れ、カメラという単機能デバイスの純度、そしてそれでも逃れられない「何でもできるデバイス」としてのiPhone。
便利さと集中のバランスを問い直す、デジタルミニマリズムのもう一つの側面。