広すぎず狭すぎない画角をどう使いこなすか。
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なんだか35mmは難しいと、よく耳にするような気がします。
28mmよりも狭く、50mmよりも広い。広角なのか標準域なのかどっち付かずの中途半端な画角。だから使いにくいと。
言いたいことはもちろん分かるし、僕も50mm付近の画角の方が好きです。人が何かに注目しているときの画角に近いし、だからこそ目の前の景色を切り取りやすくて撮るのが楽。
撮りやすい50mmに自然と手がのびる上に、巷で35mmが難しいと言われているから、ある種洗脳されるような形でいつしか自分でもそう思い込み、35mmのレンズを使うのを躊躇していました。
でも、果たして本当にそうだろうか?——と考える場面が何回もあって。
レンズ交換できないコンデジで名機とされるX100シリーズだって、RX1だって、35mmじゃないか。そんなに撮るのが難しい焦点距離を設定するか?
そして、洗脳される前の過去の自分の写真を見返すと、そんなこと全く気にせずにちゃんと楽しんで撮ってたんです。それに気づけたことが、ある種のブレイクスルーだったんです。
それ以降は、積極的に35mmのレンズを持ち出して使うようになり、日帰り旅行に行くようなときも35mmを1本だけ持っていくこともあります。単焦点レンズゆえの不便さはもちろんあるけれど、意外と35mmだけでも使いやすいものです。
なぜ僕が使いやすいと思っているのか? それは、35mmが中途半端だと言われる所以と同じ。28mmよりも狭く、50mmよりも広いから。
だから遠くの景色を切り取るのも近くのテーブルフォトも、どっちもいける。ポートレートだって被写体と程よい距離感で撮れる。僕のカメラの使い方ととても合っているんです。
僕は写真家じゃないから望遠レンズで作品を作るわけでもなく、極端な広角だって必要な場面は少ない。むしろ家族と距離を取らず、日常生活の延長線上で写真を撮る。そんな場面が圧倒的に多い。
こんな人にとって、広すぎず狭すぎない35mmの画角はちょうどいい。
とはいえ、これまで使うのを躊躇していた分、使用経験が浅いと言うこともできる。この広すぎず狭すぎない画角をどう使いこなすか、僕の頭の中に構図の引き出しが足りないような気がしてならないのです。
確かに日常生活の延長線上で写真を撮るんだけども、だからといって何も考えずにシャッター切るのはおもしろくない。その場面でできる最大限のことをした上で、できるだけいい写真を残したい。そう思っています。
だからもっといい写真を撮るために、僕は35mmと向き合う必要があるのかもしれない。そうすると新しい世界が見えてくるはずです。
これまで楽しんで撮った35mmの写真たち。ここに載せたのは全てFUJIFILM Xシリーズでの撮影なので、23mm(35mm判換算35mm)です。