純正に迫る勢いです。
この記事には広告が含まれています。
iPad mini 7 (A17 Pro) を購入したので、キーボードも一新することにしました。かねてから気になっていた製品を購入したところ、これが想像以上によかったので、つらつらと感想を綴っていきます。
購入したのはこちらの製品。iPad miniのケース一体型で、マグネットで簡単に着脱することができるタイプ。ホワイトとブラックの2色あります。
タブレットとして使いたい
まず、このキーボードケースを購入した経緯について。
iPad mini 7 (A17 Pro) を買ったので心機一転したかったのはあるのですが、それ以上に、やっぱりタブレットはタブレットとして使うのが一番だと思ったからです。
以前もiPad mini用のキーボードケースを購入しており、記事にもしています。でも、このキーボード、使ったり使わなかったり、自分の中で揺らぐものが結構あったんですよ。
その理由を考えてみたところ、「タブレットモード」と「キーボードモード」の行き来が面倒だった。これが大きいなと。
以前のキーボードケースはiPad mini本体に分厚い専用ケースを装着した上で、キーボード部分と合体させるようなものでした。これ、キーボード部分を分離してタブレットとして使うことができるのですが、ケースが分厚いから使いにくいんですよ。
そのため、iPad miniをタブレットとして使いたいときは、いちいちケースから取り出して使っていました。これがめっちゃ面倒。
だから、裸のiPad miniに対して、簡単にキーボードを着脱できるケースが欲しかったんです。そういう観点で探してみたところ、ありました。
いや、実は以前からあったのですが、充電方法が気になって手を出していなかったんです。実際に使ってみたら気にならなかったので、それも合わせてお伝えします。
Apple純正に引けを取らないクオリティ
購入したのは9月初旬で、実際に3週間ほど使ってみました。家でブログやnoteの執筆に使ってみたのと、外出先でも記事の構想を練るのに少し使いました。
今思っているのは、まさかの「Apple純正に引けを取らないクオリティ」だということ。何も知らずにAppleが作ったと言われて渡されたら、疑いもなく信じてしまいそうです。
その理由は3つ。
- Apple純正に負けないビルドクオリティ
- 打鍵感のいいキーボード
- iPad miniとの一体感(そして脱着のしやすさ)
Apple純正に負けないビルドクオリティ
まず声を大にして言いたいのは、Apple純正に負けないビルドクオリティ。外側のシリコン素材はまるでMagic Keyboardだし、ヒンジ部分も純正と思えるほどスムーズに動くし。もちろん強度も十分です。
また、カメラ部分の切り欠き処理も、Apple純正Magic Keyboardと同じようになっています。位置もバッチリで、iPad miniにフィットしています。
打鍵感のいいキーボード
キーピッチは後述しますが、打鍵感だけを切り取ると、意外といいんですよ。クオリティはかなり高いです。
Apple純正Magic Keyboardと並べてみました。似たような材質で、キーストロークも同じくらい。ペチペチした感じではなく、どちらかというと(Magic Keyboardと同じように)コトコトと小気味よくタイピングできます。
iPad miniとの一体感(そして脱着のしやすさ)
今回のキーボード購入で重視していた、一瞬で裸のiPad miniに切り替えられる点。これは全くの文句なし。Apple純正のMagic Keyboardと同じように、マグネットでくっつけるだけですからね。
一方、Magic Keyboardと異なるのは、iPadとの接続にBluetoothを使うこと。iPad miniにはSmart Connectorがないので、当然といえば当然です。
iPad miniの背面と接する部分は、ちゃんと起毛加工となっています。こういうところもクオリティ高いです。
キーピッチ・変則配列には慣れが必要
ただ、いいところばかりではありません。スペースが限られているため、キーピッチは当然狭くなっているし、配列自体も若干変則的となっています。
キーピッチは、最初はもちろん違和感ありまくりで、タイプミスしまくりです。でも、慣れてくると意外と大丈夫なんですよね。通常より指をすぼめることを意識すれば、あとはいつもどおりの感覚で打ち込めます。
また、配列について、ベースはUS配列なのですが、たとえばハイフンの入力が[control + 4]というように変則的となっています。
特に日本語入力の場合だと、長音を入力するときにハイフンキーをよく使いますよね。そのために、最下段の左から2つ目のキーを探して打ち込むのは、結構面倒です。
これ、キーボード内部での処理となっているので、仮にiPadOSの制御でキーの割り当てを変更しても、何も変わりません。つまり逃れられない。
11インチiPad用Magic Keyboardよりも狭い
少しでも参考となるように、他のキーボードと比較してみましょう。ただ、フルサイズキーボードと比較したら、小さすぎてもはや比較になりません。なので、11インチiPad用のMagic Keyboardと並べてみました。
ただでさえちょっと狭いMagic Keyboardよりも、さらに狭いです。だけどまあ、使っているうちにそのうち慣れます。個人的にはあまり気にしなくていいかなと。もちろん慣れるまでの根気は必要ですよ。
トラックパッドがないので、代用策が必要
そして、見てのとおりトラックパッドはないので、何らかの代用策が必要です。僕の場合、ほとんどはタッチで代用しているし、必要なら別でマウスを持つ選択肢もあります。
マウスを持つ場合、80gほどと軽量なLogicool Pebbleがオススメです。マウスを操作するスペースは必要ですが、軽量なのに使いやすさも妥協されてなくて、僕は好きです。
シーンを選ぶキックスタンド
そしてこのキーボード、キックスタンドとなっています。別でスタンドが出てくるわけではなく、iPad miniの背面を覆っているカバーを折り曲げてスタンドとして使います。
そのため、使用中はiPad miniの背面が半分むき出しになり、その分マグネットの力も弱くなるので、注意が必要です。不安定な場所で使っていて、不意にバランスを崩すと、外れて落ちていってしまう可能性があります。
また、キックスタンドの宿命で、膝の上では使いにくいです。安定しないことと、後述する奥行と相まって、個人的にはあまりやりたくありません。使えなくはないけれど、避けた方が無難だと思います。
角度が限られる
また、個人的には角度が足りないと思いました。最も立てた状態でも60°ほどにしかならないんです。80°くらいまで立つと使いやすいのですが、構造的な限界なのでしょうか。
キックスタンド構造のため、Magic Keyboardよりも奥行が不利
そしてこれもキックスタンドの宿命で、使うときは奥行が必要となります。
実際に測ってみたところ、このiPad miniキーボード付きケースを展開すると、23cmもの奥行が必要でした。このキーボードにはパームレストがないので、安定してタイピングするためにはあと5cmは欲しい。なので、最低でも28cmくらいは必要になります。
一方、Apple純正11インチiPad用Magic Keyboardだと、19.5cmだけで済みます。Magic Keyboardの場合はトラックパッドの左右がパームレストになっているので、追加のスペースは不要なんですよね。そのため、実に10cm近くの差が生まれます。
そのため、たとえば飛行機や新幹線、そしてカフェなどの狭いテーブルでは、結構気を使います。
写真はスタバの2人掛けテーブルですが、展開するとテーブルの半分以上の奥行を使ってしまいました。向かいにいた妻の方まで侵食してしまっていて(別にいいよと言ってくれましたが)、使いやすいとは言い難いです。
キーボードを付けても軽い
とはいえ、悪いところばかりではありません。
軽さと小ささは明確なアドバンテージとなります。手持ちのデバイスで測定してみたところ、以下のようになりました。
- iPad mini 7 (A17 Pro) セルラー + HOUキーボード付きケース :569.5g
- iPad Air M1 Wi-Fi + Magic Keyboard :1067g
実に2倍ほどの差がありました。
もちろんトラックパッドの有無や、構造の差はあるので、スペック上の単純比較は不適切です。特に、Magic Keyboardは、iPad本体の重量を支えてバランスを取るために、おそらく敢えてキーボード側が重くなっています。
しかし、ひとりのユーザーとして持ち運びを考えたとき、「どっちを持っていくか?」という選択に迫られるのも、また事実。そういうときは、軽くて小さい〈iPad mini 7 (A17 Pro) + HOUキーボード付きケース〉の組み合わせを選んじゃうんですよ。
癖のある充電方法も許せてしまう
いちばんの懸念点だった充電方法は、癖があることに間違いはありません。
キーボード側にUSB-C端子はなく、もちろんSmart Connectorもありません。じゃあどうやって充電するのか?というと、専用のケーブルを使います。なんでだよ!と言いたくなるのは分かる。分かるからちょっと待って。
付属しているのは、一方がUSB-C、もう一方が専用端子となっているケーブルです。専用端子の方は2つのマグネット+2つの接点があり、しっかりと固定した上で給電できるようになっています。
iPad mini本体から給電可能
唯一の救いは、このケーブルを使えば、iPad mini本体から直接給電が可能となっているところです。そして、給電しながらでもキーボードを使うことができます。
確かに癖があるのは間違いありません。でも、これでも別にいいかなと思えてきました。
なぜなら、Apple純正Magic Keyboardに引けを取らないクオリティ、キーボードとしての完成度の高さ、軽くて小さい持ち運びやすさなど、いろんな要素を総合的に考えてみると、なんだか許せてしまえるんですよ。
そして、頻繁に充電が必要なわけではないので、思い出したときにこうやって充電すればいいんじゃないかと。
まとめ
総じて、このHOUのiPad mini用キーボードは「タブレットとしての軽快さを保ちながら、必要なときにしっかり文字入力できる」という点で、かなり理想に近い存在でした。
Apple純正Magic Keyboardに引けを取らないビルドクオリティと打鍵感、一瞬で脱着できるスマートさ。これらが揃っているだけでも十分価値があります。9,000円近い価格にも納得。
もちろん弱点もありました。配列の癖や狭いキーピッチ、そして専用ケーブルでの充電方式は、最初は戸惑うポイントだと思います。
でも、実際に数週間使ってみると「まあこれでもいいか」と思えてしまう完成度があったんですよ。軽さと小ささは明確なアドバンテージで、持ち運ぶときに迷ったら、ついこの組み合わせを選んでしまいます。
だからこそ、「Magic Keyboardがあればいいのに」と感じていたiPad miniユーザーには、十分おすすめできる選択肢です。