研究しないと卒業できないんだよな。
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重要な「研究室選び」
一般的に、理系の学部は3年生か4年生くらいに研究室に配属されて研究することになっていると思いますが、薬学部も例外ではありません。
大学によって制度は異なっているけれど、少なくとも国公立大学の薬学部では研究して卒業論文を書かないと卒業できないと思います。
この記事では、配属される研究室選ぶ前に伝えたいことをまとめました。ただ、僕は私立大学薬学部の状況に詳しくないのと、あまり一般化できない気がするので、該当する方は参考程度にお願いします。
DDSの研究をしてた人です
僕は、結果としてDDS系の研究をして博士号を取りました。「結果として」というのは、配属された当初はDDS系の研究室ではなかったからです。
アカデミアにはよくある話で、定年退官した教授と異なる分野の新教授が就任すると、研究分野が変わることがあります。そんなタイミングで配属されたので、配属時と最終的な研究内容が違っています。
配属時は分析系の研究室で、HPLCを使った定量法の開発などを行っている研究室でした。僕の学年ではあまり人気がなくて、余計な争い事を避けたかったので選びました。
しかし、分析系の教授が退官して新しいDDS系の教授が就任したことで、これまでの方向性も残しつつも、DDSの研究に大きくシフトすることになりました。
他の大学も同じだと思いますが、DDSをやってる研究室はとても人気があります。なので、最初からDDSの研究室だったら僕は選んでなかったでしょう(争い事を避けたくて)。そういう意味では運がよかったのかな。
もし過去の自分に会えるなら、「研究室は自分の人生の方向性を決める大きな選択だから、真剣に決めましょう」と言いに行きます。結果的オーライだったのでよかったけれど、本当に危ない綱渡りをしていました。
→ 僕のこれまでの研究をざっくりと紹介します|MY RESEARCH 01
じっくりと考えて
将来のキャリアプランをベースに考えるのがいいと思います。
- 薬剤師になりたい(病院、薬局)
- 製薬企業で研究したい
- 製薬企業で臨床開発に携わりたい
- 製薬企業でMRをしたい
- 公務員になりたい
- アカデミアに残りたい
進みたい進路はいろいろあると思いますが、特に研究系(製薬企業の研究職やアカデミア)に進みたいと思っているような人は、慎重に選ぶべきです。
競合の少ない分野を選ぶ
ひとつポイントとなるのは、競合の少ない分野を選ぶといいでしょう。
たとえば、化学合成をしているような研究室は工学部にもあるし、遺伝子の研究をしているような研究室は他の生物系の学部にもあります。しかし、DDSや薬剤学に関する研究をしているのは薬学部にしかないんです。
なので、このような「競合の少ない分野」=「薬学部にしかない研究室」を選ぶと、研究職として就活をするときに他の学部の人と競争する必要がなく、有利に進めることができると思います。
しかし、薬剤師や公務員になりたいのなら、研究分野はあまり関係ないです。なので、その研究室が楽かどうかということが評価軸になるかもしれませんね。
PhD取得も視野に入れておいて
アカデミアは博士号(PhD)が必須だし、最近では製薬企業も博士の採用に力を入れているようです。仮に6年制卒や修士で製薬企業に就いたとしても、昇進するためにはおそらくPhDが必要になってくるとおもいます(開発職においても重要だと聞いています)。少なくとも僕のいる組織では必須です。
僕も研究室に配属された当時は、博士課程に進学してPhDを取りに行くなんて全く思っていませんでした。むしろ、お金欲しいから6年生で卒業して薬剤師やりたいと思ってました。
しかし、与えられたテーマの研究を進めたりとか、臨床実習を経験したりすると、自分の考えは変わっていくものです。だから、今自分が考えているのと別の進路に進む可能性も十分にあるのだという前提に立って、あらゆる選択の余地が残されている研究室を選んでおくと保険になります。
→ 研究が嫌いだけど博士課程に進学した話。割り切るのも大切でした。
勉強ができる ≠ 研究ができる
勉強と研究は全く異なる能力です。
勉強には、誰かが体系化した知識を詰め込んで適切な形で引き出す能力が必要です。それに対して、研究は誰も体系化していない部分に突っ込んでいくので、クリエイティビティの方が重要です。
だから、大学の成績がよくないからといって自分に期待せず、研究室を適当に選ぶのはやめましょう。どこでどのように才能が開花するかはわからないよ。
英語も勉強しておこう
研究室に配属されると論文をたくさん読むことになるので、配属される前には英語を勉強しておくといいです。単語の意味がわかっても、文章全体の文法がわからなければ読み進められないので、文法が怪しい人は大学受験のときの参考書を見直してみるといいかな。
あまり例は多くないですが、僕がいた研究室だと6年制の人でも英語で卒論を書いている人もいました。研究室で研究する上で基本となる言語は英語なので、勉強していて損はないと思います。
また、もしかすると博士課程の進学するという選択をするかもしれません。そうなると、英語で論文を書いたり、国際学会で英語で発表したりするので、さらに重要度が増します。
まとめ
以上をまとめると、研究室を選ぶ前に僕が伝えたいのは5つです。
- 将来のキャリアプランに合わせた研究室を選択した方がいい
- 競合が少ない分野だと就活が楽かも
- PhDが必要になる可能性は誰にでもある
- 研究と勉強は異なる能力
- 英語は超大事
他にも思いついたらその都度追記しますが、今のところはこんな感じかな。
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