よかったことしかないけれど。
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転職してよかったことと、イメージと違ったこと〈2か月時点〉
博士課程修了後に就職した医薬品医療機器総合機構(PMDA)を2年4か月で辞め、医療ITベンチャーに転職しました。そろそろ2か月が経とうとしています。
国の組織であるPMDAからベンチャー企業に転職すると、組織の雰囲気も働いている人の性格も全然違います。この記事では、いいところもそうでないところも含めて、その「ギャップ」に迫ってみます。
なお、PMDAを短期間で辞めた理由は以下の記事に書きました。こちらも併せて読んでいただけると嬉しいです。
→ 博士課程修了後に就職したPMDAを2年4か月で退職した理由
転職してよかったこと
転職してよかったことは、ざっと思いつくだけで4つあります。
- 年収が上がった
- 自分のスキルを発揮できる仕事ができるようになった
- 在宅勤務が多くなり、出社のときもスーツを着る必要がなくなった
- その結果、ストレスが減った
年収が上がった
転職した結果年収が上がったのではなく、「年収を上げるために転職した」のが実際のところです。
PMDAは典型的な日本型の組織で、終身雇用を前提としているため昇給スピードが遅いです。職位が上がればその時点で小さくジャンプアップしますが、そうでなければお小遣い程度しか昇給しません。このような時代に則さない制度のもと、安月給で何年も働くのは避けたかったです。
一方、転職すれば年収を大きく上げることができます。一般に100万円上がれば御の字だそうですが、僕の場合はもっと上がりました。100万円以上上げたいと思っていたので、オファー額を提示いただいた時点で即決しました。
このようなオファーをいただいた背景は以下の記事にまとめました。ひとりひとり違ったキャリアを持っているので参考になるか未知数ですが、ひとつの事例として読んでみてくださいね。
自分のスキルを発揮できる仕事ができるようになった
年収が上がった話と関連しますが、この転職では「自分が持っているスキルのいくつかを組み合わせることができる仕事」にうまく入り込むことができました。詳細は上の記事を参照してください。
具体的には、「博士課程」「PMDA」「ブログ」を通して身につけた、以下のようなスキルを組み合わせて仕事をしています。
博士課程 | ・文献や既存情報をもとに仮説を立て、検証する ・研究計画書や論文を書く ・データを分析する |
PMDA | ・治験(臨床試験)まわりの知識 ・ロジックの作り方 —— これは博士課程でもやりました。 |
ブログ | ・すらすらと文章を書く ・クリエイティビティ |
いつかの記事に書きましたが、PMDAで仕事をしているときはクリエイティビティを発揮できないことに苦しんでいました。そのせいか、自分の能力と仕事がマッチしていないと思うようになり、ストレスも大きくなっていたように思います。
一方で現職では、例えば、概要だけ考えてある臨床試験の計画に対して、詳細を自分で作りながら研究計画書を書いたりしています。「博士課程やPMDAでの経験を活かしつつ、さらにクリエイティブな仕事」という意味で、自分の価値を最大化できている実感があります。
好きではない仕事でも割り切ってやれる人もいると思いますが、僕はそうではなかったようです。前職ではよく「俺って何やってるんだろう」と冷静になる瞬間がありましたが、現職ではなくなりました。それだけで自己肯定感が上がるような気がしています。
在宅勤務が多くなり、出社のときもスーツを着る必要がなくなった
PMDAは霞が関のお役所なので、男性はスーツで出勤するのが原則です。まあ、厳密にはスーツを指定されているわけではないのですが、同僚や霞が関界隈の人もみんなスーツを着ているので、スーツを着ないと確実に浮きます。女性は私服で勤務しているんですけどね、男性はなぜかスーツ。
また、在宅勤務も一応制度化されているものの全員分のアカウントは用意されず、緊急事態宣言下であっても「公平性」を理由に在宅勤務の回数を制限する始末でした。アカウントを増やせば解決できるのに、謎の公平性を押しつけられる理不尽さ。
それに対して、現職は自由な会社なので出社も私服でOK。在宅勤務も緊急事態宣言中は無制限だし、平時も週2出社で許されています。Tシャツで働ける軽快さや、在宅勤務の楽さを享受できるので、効率よく働くことができています。
出勤すると意外と体力を使うので、1日の終わりには疲れ果ててしまっています。その後ブログを書く気力も湧かないことが多々あったので、在宅勤務を多く許される環境はありがたいです。
その結果、ストレスが減った
社会人にとって、仕事をしている時間が1週間の大半を占めます。
年収が上がり、かつ自分の価値を最大化できると感じることができる仕事をするということは、1週間の大半をいいメンタルで過ごせることを意味します。また、在宅勤務で体力を温存したり、出勤時も服装自由だったりと、仕事とプライベートを両立できるような働き方ができるようになりました。
このように、いろいろな要素の相乗効果で、仕事に対するストレスは大幅に減りました。さらに、自分が楽しいと思えることを仕事にしているので、やりがいを持って取り組むことができています。
イメージと違ったこと
逆に、イメージと違ったことについて。今のところ無いのですが、無理矢理絞り出すとすれば以下の3つでしょうか。
- ベンチャー企業のスピード感に戸惑う
- いろんな分野の人がいるので説明が大変
- 在宅勤務の弊害で、社内のつながりが広がらない
ベンチャー企業のスピード感に戸惑う
ベンチャー企業あるあるかもしれませんが、物事が決まっていくスピード感がすごいです。
PMDA時代は、ひとつひとつの案件に対して詳細なスケジュールを立て、それに沿ってロボットのごとく動かなければなりませんでした。案件の種類ごとに進め方が決まっているので、それに当てはめて進めます。だから、1か月以上先まである程度の見通しがつきました。
しかし、現職はいきなり当日にミーティングが入ったりするので、タイトなスケジュールで資料を作ったりしないといけません。さらに、そのミーティングで物事が決まっていき、すぐに次のアクションを求められます。
というように、仕事を進めるスピードが全然違います。当初想像していたより遙かに速いスピードで決まっていくので、最初はついていくのが大変でした。でも今では少しずつ慣れてきました。
いろんな分野の人がいるので説明が大変
PMDAが特殊なだけかもしれませんが、薬学系出身の人が大半を占め、1〜2割くらい医系(医師、歯科医師、獣医師)の人がいるというような環境でした。そのため、物事の考え方についてある程度のコンセンサスが得られており、前提知識から説明する必要は皆無でした。
一方で、現職はいろんな背景を持った人々が集まっています。それはそれでシナジー効果があっていいことなのですが、議論する中で前提知識から説明しないといけない場面もあるので、大変といえば大変です。全然いいんですけどね。
在宅勤務の弊害で、社内のつながりが広がらない
在宅勤務で全然社内の人に会わないので、これは仕方ないです。コロナが落ち着き、出社する人が増えるのを待つしかないですね。
最後に
2か月時点における「転職してよかったことと、イメージと違ったこと」というテーマで掘り下げてみました。基本的にはよかったとしか思っていないので、転職したことに全く後悔はないです。プラスの影響がとても大きく、転職すると決断した6月の自分を賞賛したい。
と言いつつも、長く働かないと分からないこともあると思うので、定期的に振り返りながら進んでいこうと思っています。4か月後、半年後、1年後くらいで思うところを書こうかな。
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