車の大きさは、暮らしの豊かさだ。
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MAZDA CX-60に乗り始めて、そろそろ3年が経とうとしています。
納車されるまで気がかりだったのは、そのサイズです。特に横幅1,890mmというのは、国産車の中でもかなり大きい部類に入ります。果たしてそんなに大きな車を自分が取り回せるのだろうか? なんとなくできる気がしているけれども、それは本当?——そんな風に思っていました。
僕は大学生のときから日産キューブに11年乗り、その後MAZDA CX-5に乗り替えました。そこからCX-60へのアップデート。小さな車に乗っていた時期が長いけれど、CX-5という「まあまあ大きな車」に慣れたおかげで、今回のCX-60にもすんなり移行できました。
だからこそ、小さな車の取り回しのよさと、大きな車の安定性の両方を、身をもって体感しています。それを踏まえたとき、果たして「首都圏のマンションでCX-60という大きな車を維持する」のはどういうことなのか?
今回はそんなところを深掘りしてみます。
そもそも自宅の駐車場に入るの?
結論、入ります。
と言うより、「大きな車を持つ前提で、購入するマンションを選んだ」と言った方が適切かもしれません。つまり、マンションを選ぶ条件として、可能な限り「平面駐車場があること」としたのです。
一般的に、首都圏のマンションでよくある機械式立体駐車場は、全高・全幅に制限があります。
最近のマンションだと大きな車も想定されていることもありますが、多くのマンションにおいて全幅1,850mmの制限に苦しむことが多い印象。これは最近のSUVだと結構厳しいです。CX-5やエクストレイルはギリギリ入るけれど、ハリアーやレクサスNXは入りません。
全高はハイルーフ対応だと気にしなくていいのですが、ハイルーフ非対応だと1,550mmとなるので、SUVやミニバンはほとんど諦めないといけなくなります。SUVだとCX-30ならギリギリ入るけど、それ以外は難しいんじゃないでしょうか。
そのため、このような制限に悩むことのない「平面駐車場」を条件としてマンションを探しました。首都圏だとかなり限られるけれど、それでもゼロではありません。
僕の場合は、平面駐車場だけでなく、価格、エリア、スペック、住環境、校区など、いろんな条件においていい物件を見つけることができました。これは本当によくやったと思っています。自分を褒めたい。
ほんと、首都圏マンションの駐車場問題は根深いです。そもそも全戸分の駐車場が確保されていることはあり得ないし(うちのマンションも設置率50%くらい)、確保できたとしても機械式で大きな車が入らなかったり。
したがって、注意深く条件を設定し、納得のいくマンションを見つけることができれば、大きな車も入る。このように言うことができます。
外出先の駐車場に止められる?
止められずに困ることはありません。しかし、駐車枠が狭くて苦労することは、結構あります。
当然だけど、物理的に入らない駐車場には当然止められませんね。たとえば、エレベーター式のタワー駐車場だと、ハイルーフ車は非対応で全高1,550mmに制限されていることが多く、そういう場合はそもそも物理的に入らない。
ただ、実際にはそういう駐車場は少ないです。首都圏で暮らしていると、平面駐車場(コインパーキングなども含めて)、自走式の立体駐車場、パレット式の機械式駐車場、これら3パターンの遭遇率が高いと思っています。
このような駐車場は、どんなに狭くても全幅1,900mm・重量2トンまでは問題なく止められる印象。そのため、うちのCX-60(全幅1,890mm・重量1,950kg)は問題なく収まります。
一方で、物理的に止められる駐車場だったとしても、駐車枠が狭くて止めにくかったり、隣の車と近くて乗り降りに苦労する場面は、結構あります。特に古めの立体駐車場。枠が狭いことに加え、柱が出っ張っていたりして、駐車スキルが求められる場面も少なくありません。
僕の生活圏内だと、横浜駅西口地下駐車場は、枠も狭いし柱も出っ張っているという二重苦で、車が少ない場所を選んで止めています。東京駅八重洲口の地下駐車場も同じような二重苦で、ここではホイールを擦りました。冬タイヤ用の安ホイールだったからセーフだけど。
以上のように、外出時に駐車場に止められなくて困ることはないけれど、車体の大きさゆえに苦労することは結構あります。どこまで受け入れるかは、自分の運転スキルと相談してください。大きな車に乗っていると、ギリギリを攻める能力は確実に上がります。
車体の大きさには、メリットもある
車体の大きさがメリットになることも、もちろんあります。
個人的に最も大きいのは、高速巡航時の安定感です。まるで雲の上に浮いているかのように、すーっと滑空していくようなフラットライド感。たぶんこの大きさと重さがないと、CX-60の安定感は得られないと思っています。
もちろん後輪駆動レイアウトゆえの前後重量バランスのよさもあります。それに加えて、4輪に対してしっかり荷重がかかっていることから生まれる安定感と、ホイールベースの長さによる直進性。これは、CX-60というパッケージ全体の成果だと思います。
そして、万一事故になったときも、大きい車は安全性が高いはずです。特にCX-60の場合は、日本のJNCAP、ヨーロッパのEuro NCAPのいずれにおいても、最高評価を獲得しています。
大きな車はだいたい価格も高いから、安全性にも相当気を配られている。大きなサイズゆえに車の外側から人までの距離があるので、緩衝地帯が大きい。そして物理的な原理を考えても、衝突時のダメージは大きく重い車の方が少なくなります。
自分だけでなく、大事な家族も乗せる車なので、安全性は高い方がいいに決まっています。だから多少の不便があっても、大きな車に乗る方がいい。家族を乗せて走るなら、そう思わざるを得ません。
とはいえ洗車は大変
大きな車に乗っていると、避けて通れないのが洗車の問題です。当たり前だけど、表面積が広い分、手間も時間もかかります。
僕は普段、コイン洗車場で自分で洗うことが多いのですが、CX-60になるとそれだけで軽い運動になります。ボンネットも長く、ルーフも高い位置にあるから、踏み台を使わないと届かない。
特にルーフを洗うときは、「踏み台に乗って洗う → 下りて踏み台を移動 → また乗る」と、これの繰り返しなので、想像以上に体を動かしている気がします。
もちろん、洗車機に入れるという選択肢もあります。ただ、僕の場合は塗装の質感を保ちたいので、できるだけ手洗いを続けています。最近の洗車機は性能も上がっているけれど、やっぱり自分の手で水を流して、泡を落としていく方がいいですよ。
とはいえ、夏場の炎天下で洗車するのはなかなかの悪条件が重なります。そもそも汗だくになるし、洗っているときも乾きが早すぎて水シミができやすい。
そんなときは、無理せずキーパーラボにお願いしています。プロに任せる安心感はやっぱりあるし、仕上がりを見て「やっぱり頼んでよかった」と思うことも多いです。
CX-60のような大きな車は、維持するというよりも「世話をする」感覚に近いのかもしれません。大変ではあるけれど、その手間があるからこそ愛着が深まっていくのかな。知らんけど。
狭い道には入りたくない
首都圏に住んでいると、住宅街の道が意外と狭かったりするんですよね。対向車とすれ違うのすら気になるくらいの狭さ。そもそもすれ違えないほど狭いところもある。
僕の家の近所にもそんなエリアがあるのですが、あまり近づきたくないですよ。仕方なく突入することも、もちろんあるけれど、大きく深呼吸をして腹を括り、意を決して運転しています。
なので、狭い道に入るときは、もう少し小さな車にしておけばよかったかな、と思うこともあります。
とはいえ、実際に街中で擦ったりぶつけたりしたことはありません。むしろ、ギリギリを通る経験を重ねるうちに、車両感覚がかなり鍛えられた気がします。
念を押しておくと、狭い道に好き好んで入るわけではありません(まれにそういう人もいるからね)。ナビが指示してきても、少しでも不安なら別ルートを選びます。時間が多少かかっても、精神的なストレスがないほうがいい。
ただ、そうやって慎重に走るようになってから、運転そのものに対する集中力は確実に上がったと思います。大きな車は、それだけで緊張感を伴う存在なんですよ。その緊張感ゆえに、丁寧な運転をするようになっています。
まとめ
住居費の高い首都圏で、やっぱり車は贅沢品だと思います。公共交通機関が充実しているし、タクシーもカーシェアも簡単に使える。だからこそ、「それでも持つ理由」をいつも頭の片隅に置いて考えています。
僕の場合は、「移動の自由」以上の意味があるからです。車があることで、ふと行ってみたい場所に気軽に行けるようになる。少し遠くのカフェでも、景色のきれいな公園でも、思いついた瞬間に行動できる。それが日々の暮らしに新しい風を運んでくれるような気がしています。
それに、家族全員で移動できるのも大きいです。CX-60のような大きな車なら、荷物も余裕を持って積めるし、後席で妻と犬がのんびりしているのを横目に運転している時間は、どこか「家の延長」のように感じます。
結局のところ、車の中は僕たちにとっての「もうひとつの家」なんですよね。家がそのまま移動するから、目的地までの所要時間がゼロ秒になる、そんな感覚さえあります。移動の手段というよりも、暮らしを包み込む空間としての車。
その存在が、生活の質を少しだけ上げてくれている気がします。大きな車なら長距離移動も快適で、その意味は何倍にも増幅されるんじゃないかな。
首都圏内の移動は電車でいいかもしれないけれど、首都圏外に出ると車でしか行けない場所があります。
わざわざ長野・信濃町まで来て、とうもろこしを食べ、大量に買い込んで帰る。このような場所での経験、そしてそれが自由に楽しめる環境。大きな車なら、そこまでの移動も快適です。
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