週末台湾|第5回|観光客のいない路地裏

物語の最終章は、人の少ない路地裏から。

実際に歩いてみないとその街の雰囲気はわからないから、できるだけ歩きたい。そう思った。


住宅街の中にあるステーショナリーショップ「TOOLS to LIVEBY」に寄ったあと、台北101を目指して歩く。Googleマップによると、道のりは1kmほどだ。

週末台湾|第4回|ステーショナリーショップ「TOOLS to LIVEBY」 – starnote*
行き先を決めないからこそ、その場の気分で行きたいところに行ける。好きなものをとことん探せる。そうすれば、短い間でも旅の密度を上げることができる。 僕は文房具が好きだ。これだけデジタル化やらペーパーレスやらの波が押し寄せていても、アナログのよさがなくなるわけではない。だから、いいものはいいと、素直に認めたい。 そんなことを思える空間が、台湾にあった。 台北MRTを乗り継いで住宅街へ 台北MRTを乗り継いで六張犁駅までやってきた。 このあたりに観光客なんて誰もいないなぁ。 信号待ち。台湾には二輪車専用のスペースがあるんだ。 路地に入る。 奥まで来ると、左手には公園。 完全に住宅街だ。公園ごしに向こう側を撮る。 こんなところに本当に文房具屋さんがあるのか? ぐるぐる歩き回っていると見つけた。さっき公園ごしに撮った建物の隣だった。 TOOLS to LIVEBY 漢字で書くと「禮拜(レイバイ)文房具」。禮拜とLIVEBYをかけてるんだ。 おしゃれな看板が出迎えてくれる。 こじんまりとした店内には、オリジナルの商品や、DELFONICSの文房具がところ狭しと並ぶ。店内の雰囲気はDELFONICS直営店にとても似ていた。 この店オリジナルの商品として「ハサミ」が有名。とても美しかったので買いたかったけど、ここで買ってしまうと帰りの飛行機に乗れないんだ。 日本でも売ってるみたいだから、今度買おう。 僕が厳選に厳選を重ねて買ったのはこちら。 大きな消しゴムのついた鉛筆と、ハサミ型のクリップ。あとしおりが付いてきた。 「パロミノ ブラックウィング」という鉛筆。 いろんな形のクリップがあったけど、せっかくこの店で買うならハサミ型かな。 紙の袋に入ってる。いちいちおしゃれだ。 枠の部分には「TOOLS to LIVEBY」の頭文字「TTLB」が刻印してある。 「好き」を集める旅を 旅行に来たからといって、観光地ばかりを回らなければならないなんて決まりはない。見知らぬ土地で「自分の好きなもの」を集める旅だって、十分有意義なものじゃないか。 旅から帰ってきたあとも、現地で買ってきた好きなものを使うことで、旅の思い出が蘇る。好きであればあるほど、使う頻度も高くなるだろうから、思い出される機会も多い。

週末台湾|第4回|ステーショナリーショップ「TOOLS to LIVEBY」

普通に歩けば15分くらいで到着するはずなのに、被写体を探しながら右を見たり、左を見たり。全然進まないな。

台湾はバイクが多い。車が渋滞していても何のその。縦横無尽にすり抜けて、信号待ちのバイク専用レーンに吸い寄せられる。

観光客なんて誰もいないエリアだ。普通の外国人はこんなところを訪れないのだろうけど、人々の日常生活の中に「その国らしさ」が現れるはず。だから僕は歩く。

台湾の建物は少し特殊で、1階部分が奥まっている。ほとんどの建物がこんな構造なので、雨の日も傘を差さずに歩くことができる。

この先にあったスタバに寄って、軽く記事を書いた。

行き当たりばったりな旅だけど、ひとつだけ、自分に課したルールがある。それは、きちんと写真と向き合ってみよう、ということ。

写真と向き合う旅を、台湾にて。 – starnote*
人生で初めての台湾に来ている。バニラエアのセールで安いチケットがたまたま取れて、パスポートとバックパックだけ抱えてやってきた。どこに行くかはまったくのノープラン。 そんな行き当たりばったりな旅だけど、ひとつだけ、自分に課したルールがある。それは、きちんと写真と向き合ってみよう、ということ。 最近どこかに行ったとき、動画を撮ってVlogを作ったりしていた。その場所の臨場感を記録するためには写真よりも動画の方がふさわしいと思ったからだ。 「ふさわしい」とは、逃げなのかもしれない、と思った。 写真だってその場所のその一瞬を切り取ることで、ありのままの臨場感を伝えることができる。 僕にはまだその技量が足りなかったのかもしれない。技量がないくせに、臨場感が伝わらないのを写真のせいにして、動画を撮影することに逃げていた。そう思った。 だから、今日は動画に負けないくらいの臨場感を伝えることのできる写真を撮りたい。そう思っている。

写真と向き合う旅を、台湾にて。


スタバを出て少し歩くと大きな通りに出た。都会だ。

ここで後ろを振り返ると——

おお、台北101だ。いきなり現れてびっくりしたよ。最初は上るか迷ってたけれど、これを目前にしたら展望台に行ってみたくなるよね…

週末台湾|第3回|光り輝く台北の街を、台北101から – starnote*
最初は行くつもりがなかったけど、近くまで来たので。 「心に響く今を探す旅」をコンセプトに、台北の街を練り歩く。人気の場所だからといって僕の心に響くとは限らないから、定番は外したいと思っていた。 でも近くまで来ると、その圧倒的な存在感がゆえに「せっかくだから寄らないともったいないかな」という思いが芽生えてきた。 「ランドマーク」って 近くまで来ると、ビルの後ろに、路地の先に、あらゆるところから顔を覗かせる「台北101」。 周りの建物があまり高くないから、存在感がすさまじい。 だからこそ地元の人にも愛されるし、絶えず観光客も訪れるのではないか。「ランドマーク」ってこういうことだ。 低層階はショッピングモールだ。誰もが知っているブランドが軒を連ねていた。 5階まで上ってくると展望台の入口。チケットを手に入れて、世界最高速級のエレベーターで、一気の空の中へ。 台北の空の中に立つ 空中の展望台は89階。39秒でたどり着く。 日が傾き始めた午後4時。霞んだ空気で太陽の光が散乱し、まるでライブ会場のような輝きを放つ。 空の上から見る街並みはミニチュアのよう。 さらに上へ 天気のいい日は91階の屋外展望台が解放されている。せっかくだから上ってみよう。 空からはスポットライトが降り注ぐ。 もう少し待ってみよう あと少し日が傾くまで89階で待つ。マンゴーシャーベットを食べてみたら美味しかった。 オレンジ色のステージを、天空の観客席から 夕暮れになってきたので、もういちど91階の屋外へ。さらに街が輝きだした。 いい写真が撮れた。日が傾くまで待っててよかった。そろそろ次の場所に行ってみよう。 台北の街がステージで、太陽がスポットライトで、台北101の展望台は観客席。 光り輝くステージの上は眩しくて、そこで暮らす人々の活動によって光が増幅されているようだった。 「週末台湾」全5回(予定) 週末台湾|プロローグ|心に響く「今」を探す旅 週末台湾|第1回|土曜日の朝、バックパックを背負って台北へ 週末台湾|第2回|くつろげるおしゃれカフェ「Woolloomooloo」 週末台湾|第3回|光り輝く台北の街を、台北101から【この記事】 週末台湾|第4回|ステーショナリーショップ「TOOLS to LIVEBY」

週末台湾|第3回|光り輝く台北の街を、台北101から


小一時間、天空から写真を撮っていると、あたりはすっかり暗くなってしまった。

いったんホテルにチェックインして重い荷物を置き、士林夜市へ。

観光客よりも地元の人々で賑わってるような雰囲気。活気があっていいなぁ。

MRTに乗ってホテルに戻る。一日中歩いて疲れたから、足をゆっくり休めよう。


翌朝。ホテルを出てMRTの駅に向かう。

土日の2日間とも天気に恵まれた。台湾は雨が多いイメージだったから意外だった。

このあとは、どうしても行きたかったおしゃれなカフェに足をのばしてみた。また台北101の近くに行くことになっちゃうから迷ったけれど、こういう無駄が許されるのが一人旅のいいところ。

週末台湾|第2回|くつろげるおしゃれカフェ「Woolloomooloo」 – starnote*
ずっと歩き回ってたら、疲れる。 いくら行き先を決めないノープラン旅でも、あてもなく歩き回っていたらヘトヘトになってしまう。だから適度に歩いて、それから適度に休憩して、また適度に歩く。この繰り返し。 休憩するといっても、ただぼけーっと過ごすのは生産性がないから、旅先で感じたことを記録する時間にしている。 だから、旅の途中でも、腰を据えて文章を綴る空間が欲しい。 台北101近くのおしゃれカフェ どのカフェに寄ろうかと事前にリサーチをしていたら、台北101の近くに居心地のよさそうなお店を見つけた。 その名も「Woolloomooloo(ウールームールー)」。語源はオーストラリア・シドニー市内の街の名前みたいだ。 ビルの奥まった1階なので、あやうく通り過ぎるところだった。 1泊2日の台湾旅、2日目の昼前にこの界隈を散策していたから、ちょうどブランチの時間だ。休憩するのにちょうどいいタイミング。寄ってみよう。 ドアの前に立つと店員のお兄さんが開けてくれた。一瞬自動ドアかと思ったよ。 雰囲気のいい店内。(撮影許可取ってます) 近所にあったら毎日寄るかも。 地元の人も、ヨーロッパ系の人も。店内には多言語が飛び交う。 みんな思い思いの時間を過ごしていた。 ブランチにトーストをいただく メニューも洒落てる。雑誌を読んでるみたいだった。 ブランチメニューからトーストとアイスコーヒーを注文した。メニューの写真を見て「これください」って注文したから、料理の名前はわからない。 水もボトルで来る。洒落てるな。 待つこと20分くらい。色鮮やかなトーストが目の前に。 トーストの上にきのこの炒め物がまんべんなく敷き詰められ、さらにポテトサラダが乗っている。その上にはローストビーフがこれでもかと乗せられて、色鮮やかな野菜たちが花を添える。 断面図を書いてみた。 見た目以上に、味のインパクトが強かった。上に乗ってるものだけでもおいしいはずなのに、トーストがあることで味がまとまるというか、一本の軸ができる感じ。こんなにおいしいトースト、はじめて食べた。 心地よい場所で文章を綴る おなかが満たされたあとは、持ってきたiPadのキーボードをカタカタと。記憶が新しいうちに文章にするといいと言うけれど、それなら現在進行形なときに書き始めた方がもっといいはずだ。

週末台湾|第2回|くつろげるおしゃれカフェ「Woolloomooloo」


飛行機は夕方の便だから、桃園空港までの移動時間も考慮すると、昼すぎには電車に乗りたい。それまではじっくり被写体を探しながら歩みを進めよう。

行き先なんてそのときの気分次第だ。交差点に差し掛かるたびに、右に行くか、左に曲がるか、真っ直ぐ進むか、考える。

そして被写体と出会う。ああ、こっちに来て正解だった、そう思うんだ。


そろそろ時間切れ。

たったの2日間。弾丸だったけれど、日本では味わえない台湾の空気を思いっきり吸うことができた。このとき取り入れた微かな酸素が今の僕を作ってる、そう信じたい。

桃園MRTに乗って空港に向かう。


まもなく離陸だ。

行けなかった場所、覗いてみたかったお店、歩いてみたかった街。次の宿題にしたことが多い旅になった。

だから、またいつか、この土地を踏みしめよう。その場所の空気や、その土地の人とのやりとりは、実際に訪れないと手にすることができないのだから。


「週末台湾」全5回


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