街中を照らすランタン。
人通りの多い場所にも、少ない場所にも、約15,000個ものランタンが夜道を朱く照らします。華やかなメイン会場もいいけれど、人がまばらな夜道を静かに照らす光にも、心が揺さぶられます。
だから、人が集まる会場だけじゃなく、暮らしの中に静かに溶け込むお祭りなのです。
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中島川に架かるめがね橋から興福寺へ。
川の周りは大勢の人が集まるけど、一歩路地に入ると住宅が建ち並びます。人通りはまばらですが、誰のためでもないランタンの光が、淡々と道路を照らします。
長崎ランタンフェスティバル2019|静かな時間が流れる興福寺 – starnote*
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崇福寺から浜町アーケード方面へ。
何百メートルも連なるランタンは圧巻の一言です。人通りの多いアーケード街から一直線につながるのに、この道にはあまり人がいませんでした。
浜町アーケードは平日の夜。
だけど買い物客で賑わいます。老舗のデパートや文房具店から、ドラッグストアや100円ショップが連なるこの通りには、頭上に無数のランタンが散りばめられています。
ここにも、「人々の日常」と「非日常のお祭り」が混在していました。
「唐人屋敷跡」という大層な名前が与えられているこの一角は、今ではすっかり日本人が暮らすための街になりました。ところどころ、中国人の居留地だったころの面影が残っている、そんな街です。
だから、一歩中に入れば、そこはもう住宅地。その中を、まるで毛細血管のようにランタンが張り巡らされています。
唐人屋敷跡の中を下って、新地中華街方面へ。
工事中の道路にもランタンが張り巡らされ、ごちゃごちゃした道の上を柔らかな光が包みます。きっと来年はもう工事が終わっているだろうから、こんなアンバランスを見られるのは今回だけかもしれません。
メイン会場の湊公園まで下りてくると、今日も人々がごった返していました。
長崎ランタンフェスティバル2019|街全体が橙色に彩られる特別な2週間 – starnote*
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日常の中に非日常が溶け込む、長崎ランタンフェスティバル。音もなく、動きもない、ただ光るだけのランタンなのに、一瞬にして目が奪われます。
こんな静かなお祭りでも心が洗われるような思いをする人もいるから、これからもずっと続けてほしい。そう思いました。
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