「お、めっちゃいいやん」というのが第一印象。
EarFun Air|高コスパな完全ワイヤレスイヤホンをレビュー
カナル型の完全ワイヤレスイヤホン「EarFun Air」をメーカーさんにご提供いただきました。1か月ほど使ってみたのでレビューします。
まずは基本スペックを紹介し、写真で外観を見ていき、EarFun Airの特徴、AirPods Proとのサイズ比較、音質に関する感想、そして使ってみて感じたいい点とちょっと残念な点まで記載しています。
結論から言っちゃうと、「カナル型の完全ワイヤレスイヤホン」を探していて「ノイズキャンセリングが必要ない」ような人には、すごくおすすめです。
今回は、メーカーさんより商品を無償で提供いただき、記事を執筆しています。記事の内容は全く指示を受けていないので、僕が使ってみた率直な感想を記載しています。
なお、これまで当ブログではAirPodsのレビューを中心に、完全ワイヤレスイヤホンのレビュー記事を多数掲載しています。こちらもご参考にどうぞ。
→ AirPods長期使用レビュー|2年で寿命を迎えそうだけど、また買う価値がある。
→ 第2世代AirPodsがやってきた|買い替える価値があるほどに音質が向上してます。
→ MPOW T5|コスパ高めの完全ワイヤレスイヤホン [PR]
→ AirPods Proと3か月|総合力の高いイヤホンが、さらに進化した。
基本スペック
まずは基本スペックから見ていきましょう。
ドライバーユニット | 直径6mm複合ダイナミックドライバー |
電池持続時間 | 約7時間(イヤホン)、約35時間(ケース充電込み) |
充電時間 | 約1.5時間(イヤホン)、約2時間(充電ケース) |
イヤホン重量 | 約5.3g(イヤホン1個あたり) |
防水規格 | IPX7 |
Bluetooth規格 | 5.0 |
Bluetoothプロファイル | A2DP、AVRCP、HFP、HSP |
Bluetooth動作範囲 | 15m |
対応コーデック | AAC、SBC |
ノイズキャンセリング | なし |
周波数特性 | 20Hz〜20kHz |
最近の完全ワイヤレスイヤホンとして、押さえるべきところはしっかり押さえてきています。例えば、IPX7の防水対応していること、iPhoneユーザーには重要なAACに対応していること、ケース充電込みで35時間使えること。
リファレンスとなりそうなAirPods Proは、IPX4の防水性能、ケース込みで24時間以上の連続再生時間なので、このあたりは超えてきていますね。ProじゃないAirPodsは防水なし、ケース込みで24時間以上の連続再生時間なので、こちらも超えています。
一方で、EarFun Airにはノイズキャンセリング機能はなく、普通のカナル型のイヤホンです。まあ、4,000円ちょっとで売られているイヤホンということで、ノイズキャンセリングはなくて当たり前かな。ノイキャンを求める人は素直にお金を積みましょう。
外観について
外観は、AirPodsに端を発した「よくある完全ワイヤレスイヤホン」という感じ。マットなブラックのプラスチック製で、丸みを帯びた形状が印象的です。正面には充電状態を示すランプがあり、緑やオレンジに光ります。このあたりはしっかりAirPodsをリファレンスにして研究している感じ。
上面は少し窪んでおり、薄くEarFunのロゴがプリントされています。
裏面も全てプラスチック製です。ヒンジの部分が金属になっているわけではありません。
底面には充電用のUSB Type-C端子があります。後述しますが、充電はこのUSB Type-Cとワイヤレス充電(Qi)に対応しています。また、技適やPSEにも適合しているので、日本国内でも安心して使えますね。
開けてみる
ケースの蓋を開けてみると、充電状況を示すランプが緑やオレンジに点灯します。写真では少し分かりにくいですが、個々のイヤホン側にもランプが搭載されており、こちらは青や赤に点灯します。なお、ケースは軽いマグネットで止まっており、開閉は楽です(これはAirPodsと同じですね)。
イヤホン本体はこんな感じ
イヤホン本体は、ドライバの入った丸い部分と、そこから伸びた棒状の部分で構成されています。要するにAirPodsと同じような形だということです。
外観上の特徴としては、外側は光沢のあるブラック、内側はマットなブラックで仕上げられています。内側のマットな感じはケースと同じ素材です。外側の丸い部分は少し窪んでいて、静電容量式のタッチセンサーが仕込まれています。
マイクは左右それぞれ2個ずつ、計4個あります。また、充電用の端子は下部に備え付けられています。
タッチセンサーで操作できる
外側の丸い部分には凹みがあって、静電容量式のタッチセンサーが仕込まれています。対応している操作は以下のとおりで、左右でそれぞれ別の機能が与えられています。
右 | 左 | |
---|---|---|
長押し | 音量+ | 音量− |
2回タップ | 再生/一時停止 | 再生/一時停止 |
3回タップ | 曲スキップ | 音声アシスタント(Siriなど) |
誤操作を防ぐために、1回タップには機能が割り当てられていません。2回タップで再生/一時停止(左右どちらも)、3回タップで曲スキップ(右)や音声アシスタントを起動(左)できます。
また、長押しすると(押している時間に応じて)音量を操作することができます。押している時間を長くすればするほど、音量の調整幅を大きくできるということです。
なお、それぞれの操作は慣れるまで少し難儀しましたが、コツをつかめば大丈夫でした。
ワイヤレス充電対応
これは特筆するべきだと思うのですが、EarFun Airはワイヤレス充電に対応しています。一般的なQi規格に対応しているので、すでに家にあるワイヤレス充電器を使うことができ、かなり便利です。高価格なものならともかく、4,000円台のイヤホンで対応しているのはすごいと思いました。
→ インテリアになじむIKEAのワイヤレス充電器「NORDMÄRKE」を購入。
AirPods Proと比較
ここで、リファレンスとなるAirPods Proとサイズ感を比較してみましょう。
「AirPodsシリーズがコンパクトすぎるせいで、他の完全ワイヤレスイヤホンのケースは相対的に大きく見えてしまう」というのがよくあるパターンです。しかし、このEarFun AirのケースはAirPods Proに負けず劣らずコンパクトです。
イヤホン本体も比較してみます。
ドライバの入っている部分はAirPods Proと同じくらいの大きさですが、棒状の部分は少し長いですね。一方、ProじゃないAirPodsよりは短いです。ただし、このような違いは微々たるもので、装着する上では誤差の範囲内のように感じました。
音質は低音番長
肝心な音質について、僕が感じたことを書いておきますね。低音域(ベースなど)、中音域(ボーカルなど)、高音域(シンバルなど)に分けて記載することとします。
まず、EarFun Airは低音域が少し強めに出るようにセッティングされているので、低音をドスンドスンいわせたい人にぴったりです。その音質も好印象で、ベース、ドラム、ビートの音が締まっており、メリハリをつけて鳴ってくれます。いいですねえ。
一方、低音域が強調されるようにセッティングされていることの代償として、中音域(ボーカルなど)は少し埋もれてしまいます。決して音質が悪いということではないですが、バランスがいいとは言えないかなあ。
また、高音域の精細さはありません。すなわち、高いイヤホン(特にバランスドアーマチュア型)にあるような「音の粒が飛び跳ねるような感覚」は全くないということです。ただしこれは、4,000円台の低価格なイヤホンであること、ダイナミック型のドライバを積んでいることを考慮すると仕方のないことだと思います。
なお、これは個人差があると思いますが、僕が聴く範囲では「サ行の刺さり」が少し気になりました。ほんの少しです。音量を上げて集中して聴いていると気になるかなーという程度。
要するに、EarFun Airの音の傾向として、低音好きな人、締まった低音をドスンドスン鳴らしたい人にちょうどいいようなセッティングがなされています。その一方で、低〜高音域までバランスよく聴きたい人には向かないと思います。
また、価格帯を考えるといい音が鳴っています。これ以上の音を求めるのなら、もっとお金を積まないとだめだ。4,000円台でこれだけ鳴ればお買い得だと思います。
ただし、前述のようにノイズキャンセリングはありませんのでご注意ください。通常のカナル型のイヤホンと同じくらいの遮音性はあるので、そこまで問題になる場面はないかもしれませんが。
使ってみて感じたいい点
さて、ここまでEarFun Airの特徴を書いてきましたが、そのほかにも「ちょっとしたいい点」がいくつかあります。それをピックアップしていきましょう。
- 耳から外したら音楽が止まる
- 片方ずつ使用できる
- 18か月保証
他の完全ワイヤレスイヤホンにありそうでなさそうな、EarFun Airのいい点はこのあたりでしょうか。
耳から外したら音楽が止まる
自動装着検出機能がついているので、イヤホンを耳から外したら自動的に音楽が止まります。さらに、耳に戻すと音楽が再開します。周りの音が気になって外すような状況に便利です。
このあたりもAirPodsをリファレンスにしてしっかり研究されている感じがします。AirPodsには当初から搭載されている機能ですが、他の完全ワイヤレスイヤホンでは採用されないことがあったので、この価格でよくやった!
片方ずつ使用できる
これも他のワイヤレスイヤホンでは採用されていないことが多いように思いますが、右だけ、左だけで使うことができます。これもAirPodsライクで、この価格でよくやった!
Amazonの商品ページによると、Airoha社のMCSync技術を搭載した最新チップを採用しており、左右いずれかのイヤホンを単独でペアリングできることが説明されています。右を経由して左に音を飛ばしているようなイヤホンが多い昨今の状況で、この機能は素直に嬉しい。
18か月保証
さらに、12か月を超えて18か月までメーカーの保証が効きます。これも嬉しいですね。
ちょっと残念な点
一方、EarFun Airにもちょっと残念な点があります。具体的には以下の3点ですが、いい点が多すぎるので残念な点は相殺されてしまい、ほとんど気になることはありません。
- イヤホン本体をケースから取り出しにくい
- 光沢のあるブラックが指紋が目立つ
- ケースが傷つきやすい
イヤホン本体をケースから取り出しにくい
ケースからイヤホンを取り出すときに、指に引っかけられる部分がないので、強くつまんで引っ張り上げる必要があります。落としたことはないですが、ちょっと取り出しにくいと言わざるを得ないです。
光沢のあるブラックが指紋が目立つ
前述のように、イヤホンの外側は光沢のあるブラックのプラスチックでできており、この部分についた指紋が目立ちます。タッチセンサーがあるので仕方のないことなのかもしれませんが、マットな感じで統一した方が高級感が出るように感じました。
ケースが傷つきやすい
ケースがマットなプラスチック製であるが故、他のものと一緒にポケットやバックパックに入れていると傷つきやすいです。僕は気にしないからいいのですが、気になる人はいると思います。
総評:ハマるなら買い
繰り返しになりますが、4,000円台のイヤホンでここまでの機能が搭載されているものはなかなか無いと思います。コストパフォーマンスはかなり高いです。
- IPX7の防水
- 最大35時間再生
- タッチセンサーでの操作
- ワイヤレス充電対応
- 自動装着検出機能
- 片方ずつ使用できる
また、すごく音がいいとは言えないけれど、多くの人にとっては十分であろう音が鳴っています。価格帯を考えると不足はありません。AirPods Proが3万円もするのに微妙な音質であることを考えると、4,000円台でこの音が鳴るのはコスパいいですよ。
したがって、4,000〜5,000円くらいの予算で「カナル型の完全ワイヤレスイヤホン」を探していて「ノイズキャンセリングが必要ない」ような人には、すごくおすすめです。念のため申し添えておきますが、無償提供されているからおすすめしているのではなく、このような人には本当にハマると思っています。