やっと自分が追いついたのかもしれない。
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「iPad miniにキーボードをつけて使う」というのは、長い間僕の中で解決しない課題のひとつでした。試してはやめて、また試して、またやめて。これを何度繰り返したことか。
そのたびに、「やっぱりiPad miniは裸がいちばんだよな」と思いながらも、どこかで「でも、キーボードがあるとやっぱり便利なんだよな」とも思っていました。
今回の記事は、そんな堂々巡りの末にようやく見えてきた、今の自分なりの答えについて、記録しておこうと思います。
使っているキーボード
僕がiPad miniで使っているキーボードは、以前もご紹介したEartoというメーカーのものです。ケース部分とキーボード部分をくっつけて使うと、まるで小さなノートパソコンのようにして使うことができます。iPad mini 6/7に対応。
ただ、この記事を書いているときにAmazonで見てみると、販売が休止していました。同じメーカーの別の種類は売っているけど、果たして廃盤になったのか、あるいはただ在庫が切れているだけなのかは分かりません。
使っているキーボードはこちら。iPad miniと組み合わせることで、コンパクトな作業環境を構築することができます。
▶ どこにでも持ち運べる最小のブログ環境を求めて。EartoのiPad mini 6用キーボードケースを購入。
Eartoのキーボード売り切れてるから、今だったらこれを買うかなあ。中身は同じ気がする。
iPad miniは「考えるための道具」になった
少し前に、iPad miniに「考える」という役割を与えた、という記事を書きました。
寝る前に、自分の思考を静かに書き出す。Macを開くほどではないけれど、iPhoneでは狭い。そのちょうど中間を、iPad miniが気持ちよく埋めてくれるという話でした。
そのときは、ソフトウェアキーボードでも意外と打てるなと感じていて、実際に縦向きに構えて、親指でストンと打つスタイルが定着しつつありました。一覧性も高く、文章の構造を眺めながら書けるのもよかった。
でも、しばらく使っていると、やっぱりこう思ってしまうんです。「この書きやすさに、もうひと押しあったらな」と。
もちろん状況によっては、ソフトウェアキーボードで簡単に書きたいこともある。でも、それで長文を打ち込むのはやっぱり難しいし、思考を書き出しているうちに自ずと長くなってしまうんですよね。
文章を書きたくなるタイミングが、必ずある
たとえば、ちょっと入ったスタバや、車の中で妻を待っているようなタイミング。思考の断片をただ書き出すだけじゃなくて、それを繋いで「まとまりある文章」にしたくなる瞬間があるんです。
そうなると、やっぱりソフトウェアキーボードでは限界がある。分かりきっていたことだけど、1,000字を超えるような文章を書くときには、指先がだんだんと疲れてきます。
もちろん、本格的に書くならiPad AirにMagic Keyboardを装着して使えばいいし、もっと腰を据えて作業するのならMacBook Airを使うんだけど、どちらも物理的に重い。
だから、使うかどうか分からないときには、ちょっと持ち出すのが億劫になるんですよね。意味もなく持ち歩いて、無駄に筋トレするようなこともあるじゃないですか。それはそれでいいんだけども。
そんなとき、iPad miniと軽めのキーボードの組み合わせが、もしかしたらちょうどいいんじゃないかと思ったのです。
使って、やめて、また戻ってきて——を繰り返してきた
実はこのキーボード付きのiPad mini運用、何度もチャレンジしてはやめてきました。
これまでも何度か、iPad miniにキーボードを装着してはやめて——というのを繰り返してきました。最初のうちは「せっかくminiなのに、これじゃ重くて意味ないな」と思って取り外し、また数週間後には「いや、やっぱり物理キーボードほしいな」と思って再び装着する。
そんな堂々巡りを何度も経てきたからこそ、今は少し見え方が変わってきたように思います。
つまり、これまではiPad miniを「大きなiPhone」として使っていたから、使い方が定まっていなかった。思考を文章で書き出すこともあれば、SNSを見ることもあったり、dマガジンで雑紙を読むようなこともありました。
しかし、ここ最近はiPad miniに「思考を整理する」という専用の役割を与えた、というのは先日の記事に書いたところ。だから、もはや文章を書くことが前提となり、常にキーボードを装着していても全く違和感がないんです。
Eartoのキーボードケース、実は最高なのでは
そうなると、冒頭にご紹介したEartoのキーボードの真価が発揮されます。つまり、EartoのキーボードはiPad部分と分離できるから、必要ないときは外して使うこともできるんですよ。
ケース自体はキーボード部分とのドッキング機能があるために頑丈に作られており、普通のケースや裸運用に比べると少し厚みは出てしまいます。でも今は、それすらも許容できる範囲だと思えるようになってきました。
なぜなら、いつでも思考をスムーズに書き出せるキーボードを装着できる状態になっているから。それくらい、僕がこのキーボードに対して正面から向き合える状態なったということなのでしょう。
もはや、いつもキーボードを装着した状態で使って、キーボードがいらないときに外す。そんな運用でもいいのでは?と思っているくらい。
少し重くなっても、迷わなくていいという快適さ
このキーボード付き運用をしばらく続けてみて、何が変わったかというと、「今日は裸で持つか、キーボードをつけるか?」と毎回悩む必要がなくなった、ということです。
これって地味だけど、すごく大きい。考える前に書ける状態になっている。それだけで、いろんな瞬間に手が伸びやすくなる。
ベッドの中でモヤモヤを言語化したくなったとき。カフェで記事の下書きを進めたくなったとき。EartoのキーボードとiPad miniの組み合わせが、そのちょうどいい橋渡しになってくれています。
タイピングも、意外と快適
Eartoのキーボードに初めて触れたとき、一番気になったのはやっぱりキーピッチの狭さでした。フルサイズのキーボードに慣れていると、どうしても「うっ…打ちにくい…」と思ってしまう。特に最初のうちは、指の配置に少し気を使います。
でも、不思議なもので、ある程度まとまった文章を打っていると、意外と慣れてくるんですよね。むしろ、ミスタイプしないように集中力が増すというか、変にリズムが整ってくる感覚すらあります。指先に意識を集中させることで、頭の回転も速くなってくるような感覚。
そして何より良かったのが、キーストロークが意外と深くて快適だということ。こういう小型のキーボードって「とりあえず打てる」だけのものも多いんだけど、Eartoはしっかりと沈み込みがあって、打っていて気持ちがいい。
タイピングの質って、結構メンタルに直結するので、ここが満足できると作業への集中力もぐっと上がります。
書ける状態が、書きたくなる気持ちを支えてくれる
文章を書くことは、思考を整理すること。そしてその思考は、案外ちょっとした違和感や小さなひらめきから始まるものだったりします。
だからこそ、「すぐに書ける環境が整っている」ことが、何より大事なのかもしれません。
少しだけ重くなってもいいし、多少ごつく見えてもいい。iPad miniにキーボードをつけて運用するというのは、「迷わずアウトプットできる状態を常に携える」という意味だったんだと思います。
そしてこのEartoのキーボードは、そんな僕のわがままに、想像以上にしっかり応えてくれたのでした。
おわりに
これが、何度もやめて、また戻ってきた末にようやく見えてきた、いまの僕なりの「ちょうどいい答え」です。iPad miniを「考えるための道具」として定義してから、数か月。ようやく「書くための道具」としても信頼できるようになってきました。
完璧な構成じゃなくてもいい。必要なときに、思考の流れにすっと寄り添ってくれる。そんな相棒がそばにあるというのは、ちょっとした心の余裕につながっている気がします。
何でもできるがゆえに、何も任せられなかった。そんなiPad miniに自分なりの「役割」を与えたら手放せないデバイスになった。そんな話です。