その手があったか。
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ここ数年、Apple製品を買い控えるようにしていたんです。
それは、「新しいものはいいものだ」と僕らを巧みに洗脳してくるAppleにささやかに反抗したい気持ちと、単純にApple製品以外(家とか車とかカメラとか旅行とか)にお金を使いまくったという優先順位の話と、いろんな理由があります。
しかし、買い替えを怠っていると、いつかは古くなってくるんですよね。当然ですよね。僕が今現役で使っているデバイスは以下のとおりで、古いものばかりになってしまいました。
- iMac(2019・27インチ・Intel Core i9)
- MacBook Air(2020・M1)
- iPad Pro(2018・11インチ)
- iPad mini 6(2021)
- iPhone 14 Pro Max(2022)
- Apple Watch Series 4(2019)
全体的に古くなっていて、もうどこから手をつけたらいいか分からん!と投げやりになっているのですが、残念ながら全部まとめて買い替えるほどの財力を持ち合わせていないので、段階的に買い替えていきたいなと。
とはいえ、今のままでもあまり困ってないというか、買い替える決め手に欠けるなあと常々思っておりまして。iMacは起動するのに少し時間がかかるけど、起動してしまえばサクサク動く。MacBook AirはM1モデルだから言わずもがなで、今でも全然使える。
ただ、iPad Proはステージマネージャーで複数アプリを切り替えると若干モタつくから、買い替えるのはいいかもね。でも、iPad miniはそもそもちゃんと使ってないし、iPhoneは連絡が取れれば何でもいいし、Apple Watchはバッテリーが75%までへたってるけど、1日外出していても十分持つし。
——というような感じで、古くなっているものの不便までは感じていない。しかし、最新モデルとの差は確実にある。だからどのデバイスを買い替えても幸せになれるはず。とすると、どうやって優先順位をつけていくのか?
これを延々と悩んでいます。思考のリソースが乗っ取られたままで非常に効率が悪いので、そろそろ決着をつけないといけない。
点数で評価してみる
まずは、いくつかのポイントに分けて考えたい。
- 使っていてストレスのあるデバイスはどれか?
- 買い替えたらワクワクするようなデバイスから買い替える案。
- 最新OSのサポートが切れるリスク、あるんじゃないか。
それぞれの項目について5点満点で点数をつけて、合計15点満点で点数の大きいデバイスから買い替えていく。この方針だとどうだろう? ちょっとやってみよう。
- 最高にストレスフルなデバイスは5点、快適なデバイスは0点
- 買い替えたらワクワクするデバイスは5点、大してインパクトないデバイスは0点
- 次期以降のOSで切られそうなデバイスは5点、まだまだサポート長そうなデバイスは0点
このようなルールにして点数化してみました。
項目 | ストレスフル | ワクワク | サポートリスク | 合計スコア |
---|---|---|---|---|
iMac(2019) | ★★★☆☆(3) | ★★★★☆(4) | ★★★★☆(4) | 11 |
MacBook Air(M1・2020) | ★☆☆☆☆(1) | ★★☆☆☆(2) | ★☆☆☆☆(1) | 4 |
iPad Pro(2018) | ★★★☆☆(3) | ★★★★☆(4) | ★★★★☆(4) | 11 |
iPad mini 6(2021) | ★☆☆☆☆(1) | ★☆☆☆☆(1) | ★★★☆☆(3) | 4 |
iPhone 14 Pro Max | ★☆☆☆☆(1) | ★★★☆☆(3) | ★☆☆☆☆(1) | 5 |
Apple Watch S4(2019) | ★☆☆☆☆(1) | ★★☆☆☆(2) | ★★★★★(5) | 8 |
という感じで、合計スコアでiMacとiPad Proが並びました。ただ、iMacはクリーンインストールなどのメンテナンスを行えばストレスが減る可能性はある。一方、iPad Pro(2018)はハードウェア的な限界が近づいてきているかもしれません。
また、これら2つのデバイスに関しては、現時点において最新OSのサポート足切り寸前。6月のWWDCで発表されると思うけど、2025年リリースのOSではサポートされないんじゃないかな。もしそうだとすると、このiMacを買ったのは2020年3月なので、購入から5年半くらいでサポートが切られることになります。悲しい。
一方、Apple Watch Series 4は既に最新のwatchOS 11のアップデートから対象外になっていました。情報を追ってなさすぎて、この表を作るときに調べて初めて気づきました。しかし、就寝時も含めて1日のほとんどをApple Watchを装着して過ごしていますが、正直今のままで困っていないんですよね。だからまだ大丈夫。
以上をまとめると、iMacとiPad Proのリプレイスを率先してやるべきだということになりそう。古いデバイスから順番に買い替えていくという観点でも、正しい選択のような気がします。
デバイスの構成を見直してみる
ここまで、デバイスの構成を変えない前提に立った場合の話をしてきました。デスクトップとラップトップ、そしてタブレットやスマートフォンと、過剰なくらいのラインナップを揃えてきました。
これ、こんなにいる?——というのを考えているところでして。
たとえば今はデスクトップ(iMac)とラップトップ(MacBook Air)を分ける構成にしていますが、Macはデスクトップに寄せる。持ち運びはMacBook Airではなく、iPad Proにする。こんな選択肢もあるはず。
あるいは、デスクトップを使うのをやめて、MacBook Airとディスプレイという構成にする。デスク以外で作業するときは、このMacBook Airを外して持って行く。こうやって使っている人が多いような気がするけど、いちいち繋いだり外したりするのが面倒で、これまでやってこなかったんです。
このあたりの要素までまとめて考えてしまうと、もうどうすればいいのか分からなくなってくるんですよ。体は1つしかない。1日は24時間しかない。1年は365日しかない。このようなに考えると、いくつものデバイスを持っていても、果たして僕はそのポテンシャルを十分に引き出しながら使っているのだろうか?と。
そして、デバイスを分散させることによって、それぞれに対して「どうやって買い替えていくか?」を考えないといけなくなる。
だから、使うデバイスはできるだけ最小限に収めた方が、そのデバイスのポテンシャルを十分に引き出すという意味でも、そして買い替えのコストを最小化するという意味でも、環境を最適化できるんじゃないかと思っているんです。
自分の感覚を見直してみる
自分自身のことを考えてみると、しばらく買い替えないうちに、Apple製品を買うことに対して保守的になりすぎていると思うんです。
Apple製品ってそれ自体が便利なわけじゃなくて、Apple製品を使った先にある体験を買うと思っていて。つまり、iPadで絵を描く、Macで動画や写真を編集する、iPhoneで写真を撮る。このような体験ができる基盤として、Apple製品があります。
だからこそAppleは、自身の製品を使った先にある体験にフォーカスしてマーケティングを行っているし、僕らもそれに憧れて欲しくなる。製品自体に惹かれる部分ももちろんあるけど、その製品を使っている自分を想像してワクワクするんじゃない?
一方、既にApple製品を使ってそのような体験をしている人からすると、「買い替え」というのは新たな経験を求めて行うものではなく、ただ性能向上ゆえの快適な作業環境を構築するに過ぎません。快適な環境自体はとても魅力的なんだけど、新しい体験への期待を原動力に購入するのと比べると、どうしてもワクワクは減るよね。
僕の場合は、今のデバイスを使った作業環境でも大きな不満はないので、買い替えに躊躇しています。基本的に下取りに出すつもりはないので、買い替えというか買い増しだな。だから下取り額で相殺するという選択肢はなく、今の環境を使い続けることにアドバンテージを見出している。買い替えなければコストはゼロです。
とはいえ、この感覚を見直してみてもいいと思っています。つまり、買い替えることはとてもポジティブなことなんだと認識した上で、古くなったデバイスは売れるうちに売る。そしてサクッと新しいデバイスを買う。それくらいの大胆さ・冷淡さが必要なのかもしれないな。
カメラもそうなんだけど、僕は自分が持っている道具に愛着を持ちすぎているような気がしていて。もちろんそれが好ましい場合もあるだろうけど、前に進むときに足枷になる場面も往々にしてあります。だからこんな記事を書いて、買うのか買わないのかをウジウジと考えている。この人はいつになったら決断できるんだ。
まずは日々の環境にスパイスが必要だ
モチベーションのために新しいデバイスを買っちゃうのもひとつの手だと思うのですが、現状として必要性を大きく感じていないし、iMacもiPad Proも(ボーダーラインギリギリだけど)最新OSのサポートが続いています。
だったら、もうサポートが切られるまで見届けてやろうじゃないかと。それはおそらく2025年秋になる気がするけれど、新バージョンのリリース直後はアップデートしにくいことを考慮すると、年末あたりまでは今のmacOS Sequioa / iPadOS 18を最前線に使っていけるんじゃないか。
それはつまり、ちょうど2026年の初売りのタイミングで買えばいいのでは? それまではデバイスの構成も含めて検討しながら、どのデバイスを買うか考えていく。いいねいいね、そうしよう。
——とはいえ、マンネリ化した日々の環境に、ちょっとしたスパイスが欲しい。
そう思った瞬間、「たぶん僕は、Apple製品を買い替えたいんじゃなくて、日々の作業環境にほんの少しの変化を加えたいだけなんだ」ということに気づきました。大げさなリニューアルじゃなくても、いつもの風景を少し違って見せる方法はないか?
そう考えて、とりあえずスタンドを買いました。タブレットスタンド。
これに11インチiPad Proを縦置きして、マウスとHHKBを組み合わせてブログを書く。縦向きの11インチiPad Proって、16インチMacBook Proよりも縦方向の長さがあるんですよ。会社のMacと並べて比較したので間違いない。
何の変哲もないアイテムだけど、僕にとっては考え方の方向を変える装置になり得るかもしれない。「いつもとなんか違う」と、それだけで少し楽しくなれる。HHKB以外のキーボードを組み合わせる選択肢もあるから、作業環境の味変も簡単だし。
こうして、手持ちのデバイスをそのままに、作業環境に「少しのズラし」を発生させることで、思っていたよりもあっさりと閉塞感を打破できるかもしれない。
これまでは、なんだか飽きたな → 新しいMacが欲しい!という短絡的な発想になりがちだったんだけど、その前にワンクッション設けてあげることで、コストとパフォーマンスのバランスを取りながら気持ちを整えることができる。そんな気がしている。
そして何より、新しいことをやってみるのは楽しい。これに尽きる。それは新しいデバイスを買うことと、必ずしも同義ではない。
まずはこの仮説を証明するというか、自分においても成り立つんだということを検証する。そうしよう。新しいデバイスじゃなくても、日々の風景は変えられる。なんだかワクワクしてきたぞ。