困ったことになってしまった。
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macOSを再インストールしようとしたら
先日、iMacが重くなってきたと呑気なことを言っていたのですが、実はハードウェアの故障の兆候だったみたいなんですよ。
きっかけは、日本語入力で使っているATOKがどうも重い。日本語を入力していると、4文字目くらいから重くなり始めて、キーボードからの入力に全然追従してくれない。たまにそんなことがあるんです。
これ、実は半年くらい前から発生していて、ATOK側の問題なのかなと思ってたんだけど、先日試しにmacOS標準の入力モードにしてみると、同じように重かったんですよ。
ということは、おそらくATOKの問題ではなくて、もはやmacOS側の問題? それとも、ハードウェア側の問題?——そんなところに行き着きました。
そして、別の問題として。
アクティビティモニタで気になっていたのは、ContinuityCaptureAgentというタスクのCPU使用率が高いこと。これ、macOSの標準機能で、Handoffとか、デバイス間連係の部分を司っています。それがずっとCPU使用率30〜40%で推移するのって、おそらくおかしい。
これらの事象にに端を発して、macOS側に致命的な問題が発生しているのではないか、という仮説に辿り着きました。ChatGPTと相談したところ、まずはmacOSの上書きインストールを勧められたので、やってみることに。
ちなみに、この上書きインストールはMacintosh HDの消去を行わずに実行できるので、クリーンインストールと違って基本的にデータが保持されます。
で、やってみようとリカバリモードに入れたのですが、こんな表示。
このディスクで S.M.A.R.T.エラーが報告されています。
このディスクで、修復できないハードウェアの問題が見つかりました。できるだけ多くのデータのバックアップを作成してからディスクを交換してください。
まさかのOSインストール拒否。ディスクに問題が発生しているときは、そのディスクに致命傷を与えないように、macOSがインストールを拒否するみたいです。
こうなると、上書きインストールだけでなく、クリーンインストールをやって根本的な解決を図ることも不可能になってしまいました。マジかよ。
購入して5年、そろそろ来ると思っていた
このiMacは2019年モデルで、2020年の春に買いました。そのときの記事がこちら。
あれから5年ちょっと。毎日何時間も使っているので、それなりに酷使してきた自覚はあります。なので、どこかのタイミングで故障は来るだろうと頭では分かっていました。
というのは、ひとつ前に使っていた2012年モデルのiMacでは、HDDの故障によって突然の電源断という症状が発生していたんですよ。このときは、自分で開腹手術を行ってHDDを交換し、事なきを得たんです。でも、今回は電源断などという明確な症状が起きていない。
とはいえ、考えてみると、2012年モデルのiMacのときも、5年くらい経ったときに上記の問題が発生しているんですよね。だからそろそろ、この2019年モデルのiMacにも何かが起きると思っていたのです。
S.M.A.R.T. エラーが報告されただけであって、まだ壊れたわけではありません。なのでこの記事も普通にiMacで書いているし(今は日本語入力も絶好調)、もはや壊れるまで使い続けてもいいんじゃないかと。
そして、このiMacはFusion Driveというストレージ構成になっています。128GBのSSDと3TBのHDDを組み合わせた構成。これがひとつのMacintosh HDとして認識されているので、上記のエラーだとどっちが壊れているのか分かりません。
ということで、少し探索してみることにしたんです。今はChatGPTに聞けば何でも調べられるから便利だ。
HDDとSSD、どっちが壊れているの?
まずやったのは、ChatGPTに教えてもらいながら、ターミナルからコマンドを叩いて、各ディスクの構成を確認すること。
すると、disk0が3.0TBのHDDで、disk1が121GBのSSDであることが判明。Fusion Driveはdisk0とdisk1を束ねてdisk2として見せている構造になっていて、そのdisk2に「Macintosh HD」や「Macintosh HD – Data」などが含まれていると。
つまり、disk0がHDD、disk1がSSD、disk2がFusion Drive全体という構図。
次に、各ディスクのS.M.A.R.T.ステータスを確認しました。結果は以下のとおり。
disk0(HDD):SMART Status: Verified(正常)
disk1(SSD):SMART Status: Failing(故障)
まさかのSSD側がFailing。てっきりHDD側の劣化を疑っていたけど、実際に壊れかけているのはSSDの方だった。マジかよ。
Fusion Driveの性質上、SSD側には頻繁にアクセスされるデータ(OSやアプリ、キャッシュなど)が優先的に書き込まれる仕組みになっていて、HDDはあくまで大容量の補助的な役割。
つまり、実質的にこのiMacは5年間、毎日SSDに負荷をかけ続けていたようなもの。それを思えば、壊れるのも無理はないのかもしれません。
ちなみに、Apple Diagnosticsも試してみたけれど、「ADP000(異常なし)」という結果。
Apple DiagnosticsではS.M.A.R.T.情報の詳細までは見ていないようで、あくまでロジックボードやメモリといった基幹部品に異常があるかどうかを調べるツールらしい。つまり、SSDのS.M.A.R.T.エラーはスルーされるっぽい。
iMacのSSDはロジックボード上にある
以前の2012年モデルのiMacの場合、HDD側の故障だったので、比較的簡単に交換することができました。と言うと語弊があるかもしれないけど、確かにディスプレイを外して内部にアクセスするのは、めちゃ気を使います。でも、HDDを交換するときに全バラしは不要。
一方、SSDはロジックボード上にあります。だから、交換するとなると、ほぼ全バラしが必要。ちょっとハードル高すぎるんだよなあ。
そのうえ、この2019年モデルiMacは今年のmacOS 26 Tahoeのアップデートは対象外になってしまいました。もともと年末くらいに買い替えかなあと思っていたから、そこまでして延命する価値があるかは微妙なライン。
ここで変に足掻かず、壊れるまで使い続けようかと思っています。
データが消えないように
幸い、ほとんどのデータはiCloud上にあるから、マシンには依存していない。そして、ローカルにしかない写真などの大容量データもTime Machineでバックアップしています。こんな壊れかけの状況でも、正常に動作していて、直近のバックアップも取れているので、データが消えることはないはずです。
だから今はとりあえず、壊れるまで普通に使いながら、次のメインマシンをどうするかを考えるフェーズに入ったと。ほんと、どうするんよ、これ。マシンとディスプレイは分けた方が、壊れたときのインパクトは少ないから、Studio Displayに行っちゃうか……?
そんな風に、ChatGPTとあれこれ確認しながらここまで辿り着いた、というわけです。ほんと、今の時代は便利だ。冷静に、効率よく、状況を把握できる。壊れかけのiMacで、こうしてこの記事を書けていること自体が、ある意味で奇跡かもしれない。
壊れるのが先か、買い替えるのが先か
今回の一件で分かったのは、S.M.A.R.T.エラーは「そろそろ壊れますよ」という予兆ではなく、「もう壊れてますよ」という宣告に近いということ。ただ、それでもiMacは動いているし、Time Machineも問題なくバックアップを取れている。少なくとも今のところ、何かを失ったわけではない。
もちろん、このまま何もせずに放置すれば、いずれ突然動かなくなるかもしれない。だけど、そのときに備えた体制さえ整えておけば、無理に慌てる必要はないとも思っています。壊れるまで使い切って、それからMacBook ProかMac miniか、もしくはまったく別の形に移行する。それくらいのスタンスで、今はちょうどいい。
今回、ChatGPTにいろいろ聞きながら手を動かしてみて、「ああ、こういう使い方こそが今の時代なんだな」と。調べて、考えて、必要なら試して、落ち着いて判断する。
昔みたいに「何が悪いのか分からないから、ひたすらGoogleで検索するけれど、本当に正解に辿り着いたのか分からない」ような状況ではなく、問題の正体を明らかにしていくプロセス自体が、とても楽になりました。便利な時代になったもんだ。
さて、あとどのくらい使えるかな。もうちょっとだけ付き合ってもらいます。