早速乗ってきました。
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今日ディーラーに用事があってお邪魔したら、つい2日前から試乗が開始となったCX-80に乗せてもらえたので、その感想を簡単にレポートしておきます。
CX-60のオーナー目線でCX-80がどのように見えるのか、という部分を中心に。CX-60の乗り味は体に叩き込まれているので、それを基準にCX-80の魅力に迫ります。試乗できたのは15分ほどでしたが、普段乗っているCX-60との比較であればこれだけで十分。
ちなみに、うちのCX-60は2023年1月納車で、まもなく2年になります。納車当時はトランスミッションの制御など乗り心地まわりに課題があったけれど、何回かのアップデートを経てかなりよくなってきました。
現在の走行距離は18,000kmほどで、平均して月に1,000kmほど乗っている標準的な乗り方です。何回かレビューしているので、これまでの記事もぜひ参考にしてみてください。
試乗したグレード
今日試乗したCX-80は、XD-HYBRID Premium Modernのロジウムホワイトという、うちのCX-60と全く同じ仕様でした。
外装も内装も全く同じ仕立てで、運転席から見える景色はCX-60と全く同じ。センターコンソールの木目がちょっと違う程度でした。
総評|全体的にマイルドな乗り味だけど、走りは楽しい
しかし、いざ走り始めると、CX-60とは全然味付けが異なっているということに気づきます。全体的にマイルドで、角が立っていた部分がなくなっていて、上質な車に乗っていることがひしひしと伝わってきます。
例えば路面の細かい段差(舗装の境界部分にある小さな段差)を乗り越えるとき、CX-60は後輪からコツコツと入力があるけれども、CX-80はそれがありません。ゆったりと高級クルーザーに乗ってる気分になります。
アイドリングストップからの復帰によるエンジン振動もほぼゼロ。CX-60は先日のソフトウェアアップデートでエンジン制御が変わってマイルドになったんだけど、それよりもさらにマイルドです。
果たしてこれは、CX-60から改良されたのか。それともキャラクターを分けてるのか。
もちろん改良も入っているのだろうけれども、個人的にはキャラクター分けによる差の方が大きいように感じました。こればっかりは、おそらく今後出てくる年次改良後のCX-60に乗ってみないと分からないので、車から伝わってくるフィーリングを元にした直感です。
ただ、このCX-80のキャラクターが好きかどうかは別の話でして。試乗を終えた後に自分のCX-60に乗り換えると、より一層CX-60のスポーティーさが際立って感じられて、「ああ、こっちが好きかも!」となりました。
CX-80の穏やかで上質な世界観ももちろん魅力的だけれども、きっと僕はスポーティーな車の方が好きなんでしょうね。それゆえに、巷で言われているほどCX-60の乗り心地に課題を感じていなかったのかもしれません。
一方、走りの楽しさは失われていないように思いました。
スポーツモードにして踏んでみたけど、僕が乗っているCX-60と何ら遜色なく、踏んだら踏んだだけのトルクがもりもりと湧き上がってきて、運転していてとても楽しい車です。
CX-60の粗削りだった部分は丸く、いいところは変わらず。なかなかいい車に仕上がっているのではないでしょうか。めちゃめちゃ好印象で、期待していても裏切られることはないと思います。
細かい部分もアップデートされている
とはいえ、おそらくキャラクター分けではなく、明確にアップデートした・熟成させたとマツダの意思を感じる部分もありまして。
ブレーキタッチがよくなった
かなり細かい部分ですが、ブレーキタッチもよくなったように思います。踏んだときの感触が柔らかくなったというか、踏みはじめの角があったところが丸くなりました。ペダル自体の改良のように思います。
その結果、CX-60ではちょっと踏んだときに想定以上に踏み込んでしまうことがあったけれども、それがなくなった感じ。微妙に踏んでいるときに、さらにその中で微細なコントロールができるようになった印象を抱きました。
また、上記と関連があるかどうか分かりませんが、走行中のアイドリングストップからそのまま停車するとき、停車する寸前のコントロール性もよくなりました。
CX-60だとかなり気を使わないとカックンブレーキになっちゃう(だからといってブレーキを抜きすぎるとエンジンがかかってトルクが復活し、いきなり車が前に出てしまう)のですが、CX-80ではそこまで気を使う必要がありませんでした。
エンジン再始動時の滑らかさ
アイドリングストップからのエンジン再始動もかなり滑らかです。上にも書きましたが、振動はほとんどゼロと言っていいでしょう。意識しないといつ再始動したのか分かりません。CX-60もソフトウェアアップデートでかなりマイルドになったけれども、それ以上によかった。
特に、停止している場面での再始動ではその効果が顕著に現れます。たとえば信号待ちでアイドリングストップになっている状況で、一定時間が経つと(車の状況によってその時間はまちまち)エンジンがかかるのですが、そのときもほぼ無振動で再始動します。
この改善はかなり上質感の演出に一役買っているかなと。もしソフトウェアアップデートで対応できるのなら、ぜひCX-60にもその恩恵を与えていただきたい。
トランスミッションの変化は試せず
ただ、つい先日指摘した「渋滞中のごく微低速におけるトランスミッションの制御」については、今回は試すことが叶いませんでした。
発売直後で試乗枠が限られていた上に、指定されたコースしか走ることができなかったので、これはまた今度機会があれば試したいと思います。
車格ゆえの乗り心地の違いは?
あとは、これはCX-80のキャラクターとも重なってくる部分だと思いますが、その車格を活かしたどっしり感はとてもよかった。
全長4,990mm × 全幅1,890mm × 全高1,710mm、ホイールベース3,120mmという立派なサイズゆえに、優雅な気分でツーリングを楽しめるような味がありました。
後輪の主張が少ない
運転席から遠いのと、そもそもタイヤからのコツコツとした入力が少ないので、CX-60と比較して後輪の主張が少ないように思いました。
ただ、それは決してネガティブな意味ではなく、「どっしりと構えたクルーザー感覚」という意味においてCX-80の大きな魅力です。跳ねるような動きをするCX-60と比較すると、めちゃめちゃ安定感があって好印象です。
アクセルワークと加速感
試乗したのは、3.3L直列6気筒ディーゼルエンジンと48Vモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドモデル。つまり僕が乗っているCX-60と全く同じパワートレインです。
低回転から湧いてくるトルクを持った力強いエンジンと、瞬発力の高いモーターの組み合わせで、発進時も再加速時も非常に楽しく加速してくれます。もちろん特徴的なエンジン音も健在で、踏んで楽しい、聞いて心地よいコックピットを存分に堪能することができます。
ただし、CX-80はCX-60と比較して200kgくらい重いので、実際の加速はCX-60に軍配が上がります。同じパワートレインだから仕方ないけれども、それでも十分というか、必要以上のトルクがあることには変わりないので、これ以上何も求めるものはありません。
取り回しは大きく変わらないかも
通常の駐車場であれば、車庫入れの感覚はCX-60と全く同じと言ってもいいと思います。違和感なく止めることができました。
ただし、CX-60でも気を遣うような極端に狭い場所では、当然違いが出てくるのだろうなと思います。物理的に250mmの全長差があるので、狭い場所ではその差が影響してくるはずです。
まとめ|CX-80、期待して大丈夫
結論、欲しい人は期待して大丈夫。
CX-60譲りの運転の楽しさはそのままに、粗削りだった部分がかなりマイルドになって、穏やかなクルージングも暴力的な走りも難なくこなす、大変上質なSUVに仕上がっています。気になる方はぜひマツダディーラーで試乗してみてください。
ちなみに、3連休初日のお昼前にディーラーを訪れましたが、いつもと比べてめちゃ賑わってました。CX-80の試乗もひっきりなしに行われていたので、ぜひ予約して訪問することをおすすめします。