ひとことで言うと「のめり込みすぎない」ということ。
就活は、人生における大きな転換点です。だから小さな可能性さえも取りこぼしたくなくて、必死になって会社説明会に行き、少しでも興味のある企業には片っ端からエントリーし、全力で取り繕って面接を受ける、ということをやりがち。
でも、そんなスタンスで取り組んでいると、いつか限界が来るのは明らかです。キャパオーバーで体調を崩してしまったり、精神的に参ってしまったり。
だから、少しだけ距離感を持って、冷静に就活に取り組んでみてもいいんじゃない?
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前回の記事はこちらです。
薬学系博士課程に通う大学院生の就活のリアル。 – starnote*
この記事では「博士課程」からは少し離れて、僕個人として大切にしていたことを中心にまとめます。
要は「自分と企業とのマッチング」なのです
これに尽きます。
その会社の社風と自分が合わなかったら、企業側だってそんな人を採用したいと思わないでしょう。もし仮に採用されたとしても、自分がついていけなくなって、いつかギブアップしてしまうかもしれない。
それがいくら「自分が希望する事業を行っている企業」であっても、です。もし自分に合わない企業だったら、時にはきっぱり諦めることも大切。
よく「就活は恋愛に似ている」と言われますが、まさにそのとおり。自分自身と、その企業との「相性」がよくなければ、絶対に長続きしない。こう思っています。
だから僕は「自分と波長の合う人々がたくさんいる会社を見つける」ということを、就活の中でいちばん大切にしていました。
具体的には、性格診断や面接で一切着飾らないということを実践しました。そのままの自分の「素(す)」を出す。面接での受け答えでも、自分の思っていることを素直に吐き出すようにしました————もちろん、誹謗中傷をしないとか、相手の悪口を言わないとか、人として最低限のラインは守りますよ。
そのせいで(かどうかはわからないけれど)、合わないと思われた企業からは容赦なく落とされます。
あるがままの心で 生きようと願うから
人はまた傷ついてゆく
と歌った詩がありますが、傷ついても「あるがままの心」で就活を続けることが、その後の人生にプラスになると思えたのです。
とにかく楽しまないとやってられない
こうやって傷ついてばかりいると、平常心を保つのがだんだん困難になります。
就活は数ヶ月間続く長期戦で、その間はずーっとプレッシャーがかかり続けます。だからこそ「のめり込みすぎない」ことが大切だし、時にはがんばっている自分にご褒美を与えないと、心が壊れてしまいそうなのです。
ご褒美の内容は何でもいいと思いますよ。
- 一人旅をする
- おいしいものを食べに行く
- 空港で飛行機をぼーっと眺める
- 恋人と旅行に行く
- 滅多に会えない友達に会いに行く
- 就活で出会った人とデートしてみる
プレッシャーがかかっている状態をいったんリセットするということが、心の平穏を保つためのコツなのです。それができれば何でもいい。
ちなみに僕は「就活で訪れた場所の近くで、ついでに旅をする」ことにしていました。これでもブロガーの端くれなので、生産的な活動をするのが好きなのです。あるときは京都を練り歩き、またあるときは神戸を散策し、それを記事にしました。
京都・カフェ&ウォーク〈前編〉 – starnote*
神戸北野・ショートトリップ – starnote*
こうやって楽しみながら就活をすることで、モチベーションの維持にもつながる。面接でもパフォーマンスを出せる。このように思います。
「就活ついで旅」のススメ。 – starnote*
エントリーシートを作り込む
いくらマッチングが大事だとは言っても、説明会や面接でその会社の方々に接しなければ、雰囲気なんてわかりません。
説明会は誰でも参加できる企業が多いけれど、それよりもじっくり話せる「面接」は、書類選考が通らないと呼んでもらえません。だからしっかりとエントリーシートを作り込む必要がある。
幸いなことに、僕は論文やブログの執筆を通して文章を書くことには慣れています。なので、エントリーシートのために文章を絞り出すのはあまり苦ではありませんでした。
→ 7か月かけて無事に論文が採択されたので、その経緯を振り返りつつ、ブログと論文の関係性について考えてみた。
僕がいつも大切にしているのは「どの文をピックアップしても、最終的な結論を支持する書き方」をするということ。すべての文が一同に結論の方を向いているような文章。
たとえば、「僕はハンバーグが好きだ」と論じるとしましょう。「ハンバーグが好き」という結論を導くために、適切な文章を適切な順番で書く。
松阪牛や神戸牛などの高級な国産牛の話をしたり、デミグラスや和風といった味付けの話をしたり、鉄板に乗ってジュージューとおいしそうな音をたてて運ばれてくる話をしたり、口の中で広がる肉汁の話をしたり。
関連のある話を適切な順番(この場合は調理の時系列かな?)で並べることで、「ハンバーグが好き」という結論が支持されます。
しかし、マクドナルドのてりやきマックバーガーの話をするのは少し違うと思うし、吉野家の牛丼の話をしたら完全に脱線してしまいますよね。前者には「牛肉」「ハンバーグ」、後者には「牛肉」という共通点があるにもかかわらず、「ハンバーグが好き」という結論の方向を向いていません。
このように、「主張するポイントを絞った文章の塊」を作り込むことこそが、エントリーシートを書くにあたって大切なことなのです。
自信がなかったら、文章の上手い友だちに見てもらってもいい。大学の就職支援センターなどで指導を受けてもいいでしょう。
もし就活までに時間があるのなら、「ブログを始めて文章力を鍛える」というのも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。日頃から「他人に読まれることを前提にした文章」を書くことで、文章力は目に見えて向上しますよ。
研究以外で力を入れて取り組んできたこと
エントリーシートといえば。僕は製薬企業の研究職を中心に受けていましたが、志望動機や自己PRの次に多く聞かれたのがこの質問。
「研究以外で力を入れて取り組んできたこと」
普段から研究ばかりしている人が研究職を志望しているのに、なんとまぁ的外れな質問をするのだろうと思います。個人的にはね。
でも、聞かれた以上きちんと答えないと書類選考を通過できないので、何かを書く必要があります。
アピールする内容は、ボランティア、バイト、恋愛、サークル、など何でもいいと思います。ひとつのことを継続して行ってきた経験について聞かれているはずなので、それについて掘り下げて書く。
いろいろな活動をしてきたからといって、掻い摘まんで書いてはいけません。400字前後で書くことが多いので、印象に残る内容にするにはひとつのことを掘り下げて書くだけで埋まってしまうからです。
ちなみに、僕はブログのことを書いていました。開設初期のだれにも読んでもらえない時期を乗り越えて継続してきた忍耐力や、自分の言いたいことを言葉にして伝える訓練になったことなどをアピールしました。
だから胸を張って「がんばった!」と言えるものがあるといいですね。就活までにまだ時間のある人は、これから何かに取り組んでみてもいいでしょう。文章力も併せて鍛えられるので、ブログっておすすめなんだけどなぁ(向き不向きはあると思います)。
まとめ
就活はつらい。だから少し距離感を持って、楽しむことは楽しみながら、自分のペースで進めればいいんですよ。最終的な就職先というゴールを決めるのは自分だし、そのゴールにだって正解はありません。すべて自分で選択することなのです。
もちろん、この記事に書いた僕のスタンスを参考にするかどうかということも、強制力は一切伴いません。がっつり参考にしてもいいし、少しだけ取り入れてもいいし、アホなこと言ってるよと流してもいい。すべてが自分の選択。
一大イベントである就活を乗り越えるために、この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。