意外といけるじゃん、というのが率直な感想。
MacBook Proの修理をきっかけに、強制的に1週間iPad Proをメインマシンとして暮らさないといけない生活をしていました。研究室でもカフェでも大活躍していたMacBook Proが使えないのは正直痛い。
でもこんな状況を可能な限りポジティブに捉え、本来ならMacBook Proを使って行う作業をiPad Proでやってみよう!というチャレンジをしていました。その結果報告です。
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もくじ
iPadチャレンジとは?
MacBook Proをキーボード修理プログラムに出している間、そのポジションを11インチiPad Proに置き換えてみようというチャレンジです。
自宅に帰ればiMacがあるので生活のすべてをiPadに置き換えるわけではないですが、大部分を占めているMacBook ProをiPadに置き換えるのは僕にとって大きなできごとです。
詳しい経緯は前回の記事をご覧ください。
やったこと、できたこと、できなかったこと
では本題に入りましょう。1日目の様子をお伝えした前回の記事と重複しますが、すべてをまとめてお伝えします。
本来ならMacBook Proを使って行っていた作業をiPad Proでやってみた、というのが本記事の主旨です。以下のような「もともとiPadメインで行っていた作業」は除いています。
- LightroomでRAW写真を現像
- 手書きでアイデア出しをする
- Kindleアプリで読書してメモを取る
このような「僕がiPad Proでやりたいこと」は以下の記事に書きました。こちらもぜひどうぞ。
11インチiPad Proを買いました。僕はこんなことに使いたい! – starnote*
スライドを作ってみた
普通にできました。
使用アプリはKeynoteですが、iPadだけで全く問題ない作業ですね。テキストの編集、写真や動画の挿入、手書きで文字を入れるなど、一通りの作業ができました。
手書き文字を入れるのはiPadでしかできない作業なので、むしろアドバンテージがあると思います。
Wordで報告書を編集してみた
これもできます。
Office 365のサブスクリプションが必要ですが、Microsoft Wordで文書の編集もできます。アプリも11インチのサイズにもいち早く対応しているので非常に使いやすいです。
僕は大学が契約しているものを使っていますが、個人で購入する場合は以下を。
ただひとつ難点としては、同時に複数のファイルを開くことができないという点です。
このような申請書の類を編集するときは、複数の文書を提出する必要があったり、以前のものを参照しながら書いたりすることがあります。
他のファイルを参照したいときは、
今開いている文書をいったん閉じて
↓
他のファイルを確認し
↓
もう一度元の文書に戻ってくる
ということをしなければなりません。
これはちょっと大変なので、タブで複数の文書を開けるようになるといいなと思いました。
論文のProofをやってみた
全てはできませんでした。
アクセプトされた論文が出版される前の最終校正作業です。詳細は見せることができないので隠しています。
テキスト入力フィールドにコメントを書くところだけはできました。他の部分は自宅のMacでやったらできたので、マウスが必要な作業のようです。
画像を載せることができないので具体的な説明が書けませんが、できなかったのは「ブラウザ上に表示されている本文を選択して印をつける」ような作業です。iPad+タッチ操作には最適化されていませんでした。
詳しくは前回の記事を。
ブログを更新してみた
これも一応できました。ただ、凝ったアイキャッチは(現状は)作れません。
僕はいつも以下のようなフローでブログを更新しています。
- ネタを見つける
- テキストエディタ(Ulysses)を立ち上げて書き始める
- 写真を撮影・現像する
- アイキャッチを作る
- 書き上げる
- 最終チェック&公開
詳しくはこちらの記事を。
starnote*の記事ができるまで。 – starnote*
普段、文章を書く部分など一部ではiPadを使うこともありますが、基本的にはMacで更新することが多いです。特にアイキャッチ画像を作るときはPhotoshopを使いたいので、現状はMac一択です。
その他の部分に関してはiPadだけでも問題ないだろうな〜と思いながら、このチャレンジをはじめました。なので問題は「アイキャッチを作れるかどうか」という1点だけです。
Photoshopの代替アプリとして候補に挙がるのは、
- Affinity Photo
- Pixelmator
このあたりでしょうか。
どちらも持っていますが、個人的にはPixelmatorの方が取っつきやすいです。UIが複雑でないというのと、使用感がPhotoshopに似ているので。
僕がアイキャッチ画像を作るアプリに求める条件は、
- PSDファイルを開くことができる —— Photoshopに合わせてテンプレートを作っているので必須です
- 文字を入れることができる —— これは当然ですね
- レイヤーマスクを多用して画像を加工できる —— 文字を切り抜いたりしたい!
iPad版のPixelmatorでは上2つは満たせますが、複雑な画像の加工はできません。「凝ったアイキャッチは作れません」と言ったのはそういうことです。
なので今回は簡素なものにせざるを得ませんでした。iPad Proだけで書いた記事は以下のものですが、とても簡素ですよね。
ニューメキシコ大学・キャンパスツアー – starnote*
比較として、Macで凝ったものをつくるとこうなります。人の型でレイヤーマスクを作成し、LOS ANGELESの文字をくり抜いています。
ロサンゼルスを駆けめぐる。トランジットは10時間。 – starnote*
僕は記事のアイキャッチ画像にはこだわりたいと思っているので、現状ではMac + Photoshopの組み合わせが必須かなーと思います。
ただ、この点に関しては、2019年にiPad版のPhotoshopが来るという話なので、ガラッと状況がいい方向に変わるかもしれません。期待してます。
できることには限りがあるけど、不便ではない(条件付き)
結論としては、家に帰ってMacで仕上げをするという条件の下で、外出先ではiPad Proだけでも問題ないと思います。
MacやPCをすべて手放してiPad Proに一本化するというのは、今の僕にはできません。なぜなら、iPad Proを使ってできることにはある程度限りがあるからです。
でもそれは前もってわかっていたことであり、
何でもかんでもiPad Proでやろうとせず、iPadはiPadであるという割り切りが大事
→ 11インチiPad Proを買いました。僕はこんなことに使いたい!
と以前の記事でも書いたとおりです。
なので、この1週間の「割り切った用途」で不便を感じたかと聞かれると「No」と答えます。たしかにWordで複数ファイルを開けなかったり、簡素なアイキャッチ画像しか作れなかったりしますが、もともと期待していなかった部分だからです。
つまり、僕のようなヘビーなMacユーザーがiPad Proに一本化するのは確実に不可能です。しかしMacを補完する相棒としては非常に頼りになります。
それは、iPadでしかできないことがあるからです。
iPadじゃないとできないこともある
ここまではMacの代わりにiPad Proを使おうという主旨で書いてきましたが、逆にiPadでないとできないこともあります。それは、Apple Pencilを組み合わせて行う作業です。つまりお絵かき。
前述のキャンパスツアーの記事ではこんな図を出しました。
これはiPad Pro + Tayasui Sketches Proの組み合わせで描いています。
11インチiPad ProにSmart Keyboard Folioをつけてこんな感じで倒すと5°くらい角度がつくんですよ。絵を描くときにこれくらいの角度がちょうどよかったりします。 pic.twitter.com/4DI2i7SWIL
— みけめろ@starnote* (@info_starnote) 2018年12月14日
このような手書きの図を挿入するときは、Macで記事を書いているときでもiPadに持ち替えて作業しています。
つまり普段は13インチMacBook Proと11インチiPad Proの2台を持ち歩いています。無駄と言えば無駄かもしれませんが、それぞれ得意/不得意があるので適宜使い分けています。
間を取ってSurfaceは?
間を取ってSurfaceでもいいんじゃないかという声も聞こえてきそうですが、Apple Pencilの書き心地に慣れたらSurface Penなんて使えないし、Adobe製品とmacOSの親和性を捨ててまでWindowsを使おうとは思いません。
なので、僕はSurfaceという選択肢は「ナシ」です。でもアリな人を否定しているわけではないので気を悪くしないで。
新型でも用途は変わらないが、快適さと作業効率は上がる
ここまでをまとめると、11インチiPad Proは
- 単体でも「それなり」に使えて
- Macを補完する相棒となる
そんなデバイスだと言うことができます。
とはいえ、旧モデルの10.5インチiPad Proと比較して活躍の場が増えるわけではありません。だって「iPadはiPad」だから。
ポイントは、「それなりな部分」をどこまで許容できるかどうかだと思います。
研究に限った話をすると、重い統計解析などはできないし、Excelのマクロを使ったりもできません。このような用途にはiPad Proは不向きだということです。
しかしながら、11インチiPad Proを使うことで、(iPadにできることの範囲内で)旧モデルよりも快適に作業できるというのは間違いないです。
なぜなら、基本性能の底上げが行われたから。スペックは上がっているし、本体サイズは同じなのに画面は大きくなっているし、Apple Pencilは側面に装着して充電できるし。とても快適で、作業効率が上がります。
なので、快適さを重視する人は新型に飛びついてみてもいいんじゃないかなーと思いました。1週間使って感じたのはこんなところです。