東横線の改札を出てヒカリエのエスカレーターを上っていたら、気になるイベントのポスターを見つけました。その名も「47都道府県の健やかなデザイン展」。
素敵なデザインを見てワクワクする人間としては、ぜひ見ておきたい。本当は7階でご飯を食べようと思っていたけれど、僕の足はそのまま8階へ進んでいました。
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47都道府県の健やかなデザイン展
「47都道府県の健やかなデザイン展」とは、日本全国から機能的で美しいデザインの製品を寄せ集めたデザイン展。
1都道府県につき1つ展示されていて、併設されているショップでは展示品と同じものを購入することができます。渋谷ヒカリエ8階の「8/04/d47 MUSEUM」で2019年3月4日まで開催中です。
47分の6をピックアップ
47都道府県からひとつずつ、計47種類の製品が展示してありますが、その中から僕の心に響いた6つを紹介します。5つに絞れなかったので6つです。
※ 1〜3の紹介文は見やすいように転記しています。
BUNACO BOWL(青森県)
- 青森県で資源量日本一を誇るブナ。その有効活用のために開発された技術による食器。
- フナの木製テープを使った他にない製造方法と、軽さと強度。
- 西目屋小学校の旧校舎をリノベーションした工場では、見学と製作体験ができる。
ブナ材を有効活用した新しい工芸品「ブナコ」。「コ」は「コイル」に由来していて、ブナの木を桂剥きのように薄くテープ状にして、それを手作業でコイル状に巻いているそうです。上から覗いたときに見える模様はこれみたい。
3つのサイズが展示されていて、
- #261 —— 25cm
- #262 —— 20cm
- #263 —— 15cm
となっています。
大きいものはサラダの盛り付けとかに使えるだろうし、小さいものはその取り皿に使えそうですね。食卓が華やかになるわけではないけれど、食材の色が一段と引き立つ器だと思いました。
ボウル φ250 ナチュラル BOWL #261 / BUNACO(ブナコ)
→ BUNACO(ブナコ)ボウル φ250 ナチュラル BOWL #261|BUNACO(ブナコ)の通販
セラミックヒーター サンラメラ(群馬県)
- どんな部屋にも馴染む、流行にとらわれないシンプルなデザイン。
- 「快適に暖める」に特化した単機能。セラミックパネルから放出される遠赤外線が、体を芯から温める。
- 温風・騒音・一酸化炭素などが出ない、安全でクリーンな暖房器具。
シンプルなデザインがとてもいい。
火を使わないセラミックヒーターだから灯油を補給する必要もないし、焦げ臭いにおいもしない。足下に置くからエアコンの暖房よりも暖かい。
高性能な単機能で30年以上販売されつづけているそうです。引っ越したらこれ買おうかな。
SUNAOカトラリー(新潟県)
- 日本人の手と、日本人の食卓のためにつくられたサイズ。
- 細いくびれ、柄の曲線など、繊細なデザインを支える手作業による加工。
- 一度の検品で半数を再研磨に回すほど、わずかな妥協も許さない、金属加工職人たちの高いものづくりの意識。
「カトラリー」とは、ナイフ、フォーク、スプーンの総称のこと。
大阪のデザイン集団「graf」がデザインして、燕振興工業が製造しているのが「SUNAOカトラリー」。流れるようなシンプルな形は食卓にも馴染みやすい。
また、少し小さめにデザインされているので、手の小さい人(僕)でも使いやすいかなーと思いました。
→ SUNAO
縁鉄砂呉須釉皿(ふちてっさごすゆうざら)(島根県)
- 地元の土で、粘度をつくるところから始める器づくり。
- 民藝運動の師父、柳宗理らの指導を元に独自に進化。
- 日常使いに適した素材選びと美しい呉須色の改良。
深い青色(呉須色っていうみたい)がとても素敵な皿です。
1989年以来、呉須色の釉薬を改良し続けているそうで、ストイックに挑戦し続ける人には頭が下がります。その分仕上がりも素晴らしく、舐めたくなうような光沢を放ちます。
食器にこだわれる大人になりたい。
日々の暮らし : 出西窯 : 縁鉄呉須釉皿八寸
スタンダードと言い切るにはそれまでの長年の修正を経てその域に辿り着いたのでしょう。そう言い切ることに納得する美しさと現代のモダンさがこのシリーズから感じられます。2009年には、フランスのパリなどヨーロッパを巡回した「WA – 現代日本のデザインと調和の精神展」に選ばれ、ヨーロッパでも多くの方々の賞賛を浴びたシリーズです。
八寸は、欧米ではデザートプレートと呼ばれるサイズですが、日本ではこのサイズを一般的にパスタやお肉、お魚などプレートとしてお使い頂く方が多いサイズです。
美しい出西窯の呉須は食材の色を引き立て、また平皿なのでお肉料理にも使い勝手がいいですね。ステーキとクレソンのシンプルなお肉料理をお試し下さい。
土佐和紙の領収証(高知県)
- 市内の機械漉き工場や職人から仕入れた土佐和紙でつくる。
- 地域のデザイナー、職人、活版印刷業がタッグを組む。
- 土佐和紙のクオリティはそのままに、現代的な使い方を提案。限られた用途から一般的なニーズを生む。
領収書は自分で使うわけではなく、他人に渡すためのもの。そういうものにこだわれるような、思慮深くて素敵な人になりたいものです。
高級品だった和紙を「使えるもの」に進化させるべく、2009年から企画されているそうです。ちなみに土佐和紙は日本三大和紙のひとつ。
土佐和紙プロダクツ | TOSAWASHI PRODUCTS
→ 土佐和紙プロダクツ | TOSAWASHI PRODUCTS
G型しょうゆさし(長崎県)
- スタイルよりも、自分たちが生きている時代を意識する森正洋のデザイン。
- 使う人、生産者、流通の現場も考えながら生まれた、白山陶器の代表作。
- 400年の歴史をもつ窯元の地・波佐見でつくられ、半世紀以上も家庭で、飲食店で使い続けられている。
「産地が産地として生きるためには、どこにもない、新しい製品がいる」
という言葉を残した森正洋が1958年にデザインし、製品化された波佐見焼のしょうゆさし。1960年にグッドデザイン賞を受賞したそうです。
今から60年も前にデザインされたとは思えないような、洗練された機能美が見て取れます。これはぜひ使いたい。
デザインにこだわる暮らしを
4月から東京に引っ越すのは何度か言っているとおりですが、せっかくならデザインにこだわる暮らしをしたいなぁと思っています。
カバンの中身もそうだし、インテリアだってそう。食事に使う食器ひとつにしても、自分が心の底からいいと思ったモノに囲まれて暮らしたい。
だからこそ、このようなデザイン展で「いいモノを知る」ことはとても大切なことです。自分の目を鍛えるという意味でも、デザインのいいモノの存在を知るという意味でも。
少しでも気になった人は、ぜひ現地に足を運んで自分の目で確かめてみてください。実物を見ないとわからない質感がきっとあるはずです。
8/04/d47 MUSEUM/D&DEPARTMENT PROJECT/LONG LIFE DESIGN 1 〜47都道府県の健やかなデザイン展〜
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