Wi-Fi環境は在宅勤務の礎だ。
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マンションの一括導入回線を使う
新居が引き渡されて最初に行ったことといえば、ネット環境の構築でした。固定回線がないと満足に在宅勤務もできないし、ブログも書きにくいので、真っ先にやらないといけない作業です。
以前住んでいた賃貸にはNURO光を引いていたけれど、工事を3か月くらい待つ必要があり、その間はモバイルルーター生活。とても大変だったので、今回はそれは避けたい。でも、そんな心配する必要なかったです。
なぜかというと、最近の分譲マンションあるあるで「自分で契約した回線を引くことができず、マンション一括導入の回線を使う」タイプだからです。なので入居時点で家の中までインターネット回線が引き込まれています。
一括導入なので、自分で好きな回線を選べません。しかし、その分、月額料金が抑えられており、月額800円ほどで光回線を使い放題。我が家専用の回線ではありませんが、この値段ならいいと思えてしまうっ…!
という感じなので、住戸内にルーターはなく、WAN側のEthernetケーブルが引き込まれているだけ。それがハブにつながっていて、住戸内の各部屋にあるLANコンセントに分配されています。図にするとこうですね。
ちなみに、我が家は70平米程度の3LDKであり、LANコンセントは3つの個室に1つずつ、リビングダイニングに2つあります。
Ethernetケーブルがマンションの共用エリアからリビングの物入れまで引き込まれ、それがハブにつながり、住戸内の計5つのLANコンセントに分配されているような状況。
また、インターネットを利用するにあたり特に設定は必要なく、それぞれのLANコンセントに接続すれば自動的にインターネットにつながる仕様となっています。
メッシュWi-Fiを構築したい
以前住んでいた賃貸は、1LDKで大して広くもないのに、歪な間取りのせいで家全体にくまなくWi-Fiが届きませんでした。使っていたNURO光から支給されていたルーターはメッシュWi-Fiには非対応で、仕方なく中継器を使っていたのです。
でも、中継器を使うと、「メインのWi-Fi」と「中継器越しのWi-Fi」が別のネットワーク(SSID)になってしまいます。そのため、リビングと寝室で接続先を変えないと安定してWi-Fiに接続できないという、なんとも残念な仕様で使っていました。
一方、メッシュWi-Fiを構築すると、家の中に配置された複数の接続ユニットによって、ひとつのネットワークを構成することができます。
例えば、ユニットAに接続してるときも、ユニットBに接続しているときも、どちらも同じネットワーク(SSID)に接続しています。そのため、ユーザーはネットワークを切り替える必要なく、家中くまなくWi-Fiにつなぐことができるのです。
70平米程度の我が家なら、もしかするとWi-Fiルーター1台だけで賄えるかもしれない。でも、「家中どこでも快適に通信できる速度」を確保するためには、せめて2ユニット構成のメッシュWi-Fiを構築した方がいいんじゃないか。そう思いました。
「TP-Link Deco X20」を導入
ということで、メッシュWi-Fiに対応したルーターを購入しようと検討しました。僕が重視していたのは以下のポイントです。
- Wi-Fi 6対応
- ユニットどうしをEthernetで接続可能 —— 有線で強固なネットワークを構成したい
- 2ユニットで15,000円くらいなら嬉しい…!
このような条件で探してみたところ、TP-Linkの「Deco X20」が浮上してきました。
Wi-Fi 6対応
今ルーターを買うのなら、Wi-Fi 6対応は必須でしょう。対応機器も限られるのでWi-Fi 6Eは非対応でいいと思うけれど、対応機器の多いWi-Fi 6への対応は必須です。
そして、TP-LinkのメッシュWi-Fiルーターであっても、下位モデルはWi-Fi 6に非対応。Wi-Fi 6に対応していて最もコストを抑えることができるのが、「Deco X20」だったというわけです。
ユニットどうしをEthernetで接続可能
メッシュWi-Fiを構築するにあたってユニット間を強固なネットワークで接続すれば、ネットワーク全体の安定性に寄与すると考えました。いくらメッシュWi-Fiを導入しても、ユニット間の通信が不安定だったら意味がないのです。
そのため、ユニットどうしをEthernet(つまり有線LAN)で接続可能というのが重要。
それをやるために、以前住んでいた賃貸で使っていた中継器はお蔵入りさせました。以前の中継器にTP-Link製の対応ルーターを買い足せば、「OneMesh」というメッシュWi-Fiを構成することが可能なのですが、この場合、ユニット間の通信がWi-Fiオンリーになってしまうんです。
一方、Decoシリーズは「Ethernet Backhaul」という機能を持っており、ユニット間の有線接続がサポートされています。これは、複数のユニットをEthernetで数珠つなぎにすることで、ユニット間を有線接続できるようにするものです。もちろん2ユニットでも使うことができます。
ネットワークの安定性を重視して、Ethernet接続にはこだわりたい。なので、システムごと新規で導入することにしたのです。
Deco X20がやってきた
以上のような経緯で、我が家に「Deco X20」がやってきました。2ユニットセットと3ユニットセットがありましたが、2ユニットで十分な気がしたのでこちらを購入。足りなければ後から追加できます。
開封してみるとこんな感じ。サイズは【110 × 110 × 114 mm】とコンパクトで、インテリアにも馴染みそうなシンプルデザイン。手のひらに収まりそうなサイズ感は、見ていてかわいいです。
接続端子はシンプルで、Ethernet端子が2つと、電源端子が1つ。Ethernet端子は、WAN側、LAN側の区別なく、どちらにつないでも大丈夫です。
そして、上面にはアンテナっぽい窪みが。
リビングと寝室に設置
我が家の場合、WAN側のEthernetケーブルも、各部屋に分配されるEthernetケーブルも、リビングの物入れに集約されています。そのため、1台目のDecoはこの物入れの中に入れることにしました。
物入れには木製の扉がついているので電波強度が落ちてしまいそうだけれども、2つのDecoユニットを有線接続したいので、ハブの近くに置く以外の選択肢がありません。
設置にあたっては、もともとハブにつながっていたWAN側のEthernetケーブルを引っこ抜き、Decoに接続します。その後、DecoにあるもうひとつのEthernet端子とハブを接続。こうすれば、以下のようなネットワークになります。
初期設定はiPhoneアプリで
設置した後、初期設定はiPhoneアプリで行います。設定方法は割愛しますが、躓くことなく簡単に設定することができました。
ユーザー体験まで練られたシステム
Deco本体とアプリの連携の部分までしっかり作り込まれていて、とても使いやすい。アプリには接続中のクライアントが一覧表示されたりします。
アプリのユーザーインターフェース(UI)だけでなく、Deco本体の設置 → アプリの設定 → 日常のネットワーク状態確認まで、ルーターを使うユーザーエクスペリエンス(UX)も作り込まれている印象を受けます。
2台目を接続
2台目のDecoは、リビングから一番離れた寝室に設置することにしました。我が家に最初から備わっているEthernetのネットワークを活用し、1台目のDecoと有線で接続します。
2台目の設定もアプリから簡単で、LANケーブルをつないで名前を決めたりするだけ。そうすれば、2台のDecoが有線で接続された上で、メッシュWi-Fiのネットワークを形成することができます。
アプリで確認
アプリで確認してみると、寝室に設置したDecoも認識されていますね。信号元がリビングのDecoになっていて、しっかり有線LANでつながっていることが分かります。
書斎にあるiMacは有線接続
さらに、書斎に置いている僕のiMacはLANコンセントと有線接続することにしました。我が家に最初から備わっているEthernetのネットワークを使い、ハブを介してDecoに接続されています。
効果のほどは?
ここまで設定してきましたが、70平米のマンションでも効果があったのか。各クライアントでのスピードテストの結果を載せて締めくくります。
各1回ずつの測定結果なので一般化することはできませんが、だいたいの傾向を掴むことはできるでしょう。測定時間は金曜の18:30頃です。
まずは有線接続したiMac。下り500 Mbps、上り710 Mbpsとなり、まずまずの結果です。有線なので速くて当たり前ですね。
そして、Wi-Fi接続したiPad mini 6。これはWi-Fi 6に対応しているので、無線接続ながらもそれなりの結果が望めるはず。リビングと寝室の2か所で検証しました。
結果は、
- リビング:下り290 Mbps、上り330 Mbps
- 寝室:下り430 Mbps、上り380 Mbps
となり、どちらも極端な差はないように思えます。
メッシュWi-Fiの効果は?
メッシュWi-Fiを導入すると、リビングから一番離れた寝室でも十分な速度が出ることが分かりました。そこで、本当にメッシュWi-Fiの効果があったのか実験してみました。
寝室に設置したユニットの電源を落とし、リビングにあるユニット1台構成にした上で、寝室でスピードテストを行ってみたんです。測定デバイスは同様にiPad mini 6。
すると、下り190 Mbps、上り25 Mbpsとなり、メッシュWi-Fi構成時(下り430 Mbps、上り380 Mbps)と比較して大きく速度が落ちる結果に。
これも1回限りの検証なので大きなことは言えませんが、「2台構成でメッシュWi-Fiを構成していること」「2台のユニットを有線接続していること」には意味がありそうです。
まとめ
最後にまとめると、こうなります。
- マンションの一括導入の回線ではあるものの、70平米の我が家にWi-Fiを行き渡らせるために、メッシュWi-Fiを導入した。
- 購入したのは「TP-Link Deco X20」の2ユニット構成。
- 選んだポイントは、Wi-Fi 6に対応しており、ユニットどうしをEthernetで接続可能であるにもかかわらず、比較的安価なこと。
- iPhoneアプリから簡単に設定できる。
- 有線接続時は当然だが、Wi-Fi接続時にも十分な速度が出る。
- 検証の結果、「2台構成でメッシュWi-Fiを構成していること」「2台のユニットを有線接続していること」に意味がありそう。
という感じなので、メッシュWi-Fiとてもおすすめです。
最初は「70平米のマンションだし、スペック低そうな一括導入の回線だし、Wi-Fiにこだわってもあんまり意味ないかな……」と思っていましたが、全然そんなことなかったです。メッシュWi-Fi最高。
僕らは夫婦そろってほとんど在宅勤務で働いているので、Wi-Fi環境は特に重要なんです。だから、半信半疑ながらもこだわってみてよかった。導入も簡単なので、マンション住まいの方にもぜひおすすめしたい製品です。