動画にシフトするといっても、必ずしもすべてのコンテンツがそうではない。
今年からそうなりつつありますが、2019年はブログから動画へトレンドが移行するというのは間違いない。「ブログはオワコン」とまで言われるようになりました。
しかし、動画向きではないコンテンツはブログとして残るはず。それはどのようなコンテンツなのか、ということについて考察しました。
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ブログはオワコンじゃない!
今日こんなツイートをしました。
動画の時代が来るのは間違いないんだけど、現時点での問題は「内容を検索できない」ってことかな。
一度見た動画のあの部分をまた見たいと思っても、最初から見るのはダルいし、そもそもどの動画だったかわからなかったり。
つまり「情報の蓄積と一覧性」ではテキストベースのブログの方が勝ってる。
— みけめろ@starnote* (@info_starnote) 2018年12月30日
そうです。ブログは【書いてある内容を検索できる】んです。これって必要な情報にすばやくたどり着くためにはとても重要。
ブログ vs 動画
そもそも文章で記すことの優位性とは?
- 最初に全体像を把握できる = 流し読みできる
- 検索できる
- 読みたい順番で読むことができる
- 自分のペースで読むことができる
このように、明らかに読者のペースに寄り添っています。内容自体も読者の方を向いているとさらにいいですね。
一方、動画の優位性とは?
- 動いている = 情報量が多い
- 伝えたい順番で作ることができる
- 作り手のペースに引き込むことができる
情報量が多いというメリットはありますが、動画の特性上どうしても発信する側のペースになってしまいます。
だからこそ、視聴者のことを考えると、最初に全体像(もくじ)を提示することが大切だし、内容を示していく順番にセンスが問われる。プレゼンと一緒で、独りよがりなものは敬遠されます。
このように、それぞれのフォーマットに対して向き/不向きがあります。
モノのレビューは動画の方がわかりやすい
たとえば、レビュー系の内容は動画の方が情報量が多いです。
なぜなら、実際に動いている様子を見ることができるし、手に触れている様子を見れるからサイズ感もわかりやすい。
しかも、見た目だけではなくて音の情報も入ってきます。カメラのレビューだとシャッター音とかも聞きたいじゃないですか。
もう明らかに動画の方が優位です。ブログでやる意味ないじゃん。
だからといって、Web上のテキストのすべてが動画に置き換わるかと言われると、それはあり得ないと思います。
論文は動画に置き換わらない
ブログからは離れますが、たとえば論文においては、
- 知識が蓄積されること
- フォーマットの一貫性
この2つが重要な要素です。
これまで、世界の学者は「論文」という形式で知識を蓄積してきました。時間が経っても色褪せない普遍的なものであるからこそ、いつでも参照できるように蓄積する必要があるのです。
また、仮説を導く過程において先行研究の調査は不可欠です。しかし、文章から動画にフォーマットを変えると、それまで蓄積してきた知識と断絶されてしまいます。つまり「フォーマットの一貫性」も大事。
つまり、【普遍的な内容】を【後世に残していく】ためには「文章」である必要があります。だから動画に置き換わることは決してありません。
これと同じことがブログ界隈でも起こるのではないかと思います。つまり、動画では伝わりにくいコンテンツが「ブログ」という形式で残っていく。
棲み分けが進んだ結果、専門化する
繰り返しますが、現在ブログという体裁で掲載されている内容が、すべて動画と相性が良いわけではないです。
結局のところ、
- 動画の方が分かりやすいものは動画へシフト
- テキストの方が分かりやすいものはブログに残る
というような棲み分けが行われると考えています。当然といえば当然。
ブログがオワコンでこれからは動画の時代と言っている人たちは、動画にしても問題ないコンテンツをこれまでブログ上で提供していたということ。
論文が動画にシフトしないのは、専門性が高く、知識の蓄積が要求されるからです。同じことがこれからのブログ界隈にも言うことができると思います。
検索に関しては、ブログ>動画
さらに、知識の蓄積においては「簡単に引き出せる」ということも大切です。
たとえば、この記事を書いている2018年末は、動画で話している内容は検索の対象になりません。動画内の発言が音声認識され、内容がハイライトされてGoogle検索の一覧に表示されることはないですよね。
このように、動画の内容を引き出すためには、時間をかけて視聴するしかないのが現状です。
ただ、すでに自動字幕生成機能があるので、このような検索はそう遠くない未来には実現するかもしれません。そうなると、動画とブログの関係性が少し変わりそうです。
でもそれまでは、テキストベースのWebサイトの方に優位性があります。
これからもブログを続けるためには、使い分けが大事
以上のようなことを考慮に入れると、これからもブログを続けていくためには、
- 普遍的
- 蓄積されることが重要
このような記事に特化して書き続ける必要があり、その結果、内容の専門化が進んでいくと思います。
だからといって、ブログ一辺倒になる必要はなくて、内容に応じたメディアの使い分けが重要になるのではないかと考えます。
これからのstarnote*は「旅とガジェットとアカデミックな個人メディア」をコンセプトにしていこうと思っていますが、この3要素を上の軸に当てはめるとこうなります。
このように、アカデミックな記事は内容が重くて専門性が高い。だからこそブログ向きなんです。
なので最近は、以下のようなアカデミックな記事を増やしています。ブログの専門化が進む未来を見据えて、専門性の高い情報を蓄積したいからです。
2019年になったからといって一気に切り替えるつもりはないですが、少しずつシフトしていきたいと思っています。
まとめ
レビューなど軽い内容は動画の方が伝わりやすい → ブログと動画の棲み分けが進む → ブログには重い(専門的な)内容が残る
というような流れで、ブログと動画の棲み分けが進むと予想しています。僕もできるだけキャッチアップしていこうと思っているので、これからもよろしくお願いします。