人それぞれ思っていることは違うので。
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一応、国立大学薬学部を出ました
僕が在籍していたのは長崎大学薬学部薬学科です。ただの地方国立大学ではありますが、今調べたら偏差値65くらいらしいので、そんなにレベルが低いわけではないと思います。
2009年に6年制課程に入学し、かろうじて留年もせず2015年に無事卒業しました。単位はいくつか落としたけど、再履修して取得したので大丈夫だった。
と、このような6年間を薬学部で進んできたわけですが、今振り返ってみても特に忙しかったとは感じていないです。
他の学部を知らないだけかもしれないけれど、少なくとも高校生のときよりは時間的な余裕があったように思います。
薬学部は忙しくない!
いろんなブログを読んでいると、「薬学部は忙しいからやめとけ」とか「勉強しないと留年する」とか、脅し文句ばかり書かれていることがありますが、僕はフェイクだと思います。
少なくとも平日にバイトするだけの余裕はあるし、勉強なんてテスト期間中に要点を掻い摘まんで頭に入れるだけなので、全然忙しくないです。
——という話をこの記事でお伝えします。薬学部は薬剤師免許を取れる6年制と、研究メインの4年制がありますが、今回のメイントピックは前者です。
もくじ
勉強内容はどこも同じ
薬学部のカリキュラムは、文部科学省が定めた「薬学教育モデル・コアカリキュラム」(通称コアカリ)というものに基づいて組まれています。
これは6年間の薬学部での教育課程を定めたもので、どの大学のカリキュラムもコアカリに沿って組まれています。
カリキュラム全体の10%くらい(だったかな?記憶が怪しいです)は大学独自の科目を入れていいことになっているので、この部分で各大学が独自性を発揮しています。長崎大学の場合は離島での実習かな。
逆に言うと、残りの90%はどの大学も同じ科目を履修するということです。つまり、日本全国の6年制薬学部の忙しさ度合いはほぼ同じなんですね。
それを忙しいと感じるかどうかは個人の感想だと思いますが、少なくとも僕は別に忙しいと思ってなかったです。
平日もバイトできるよ
では、なぜ忙しいと思ってなかったのか?
僕が思う「忙しい大学生」のイメージは、1限から夕方まで講義を受けて、そのあと図書館に篭もってその日の復習と次の日の予習をすると。それから課題レポートも書くと。気づいたら22時で図書館の閉館時間だから家に帰るけど、寝る前まで教科書を読む、みたいな。
確かに一部で自主的にそんな生活をしている人もいたような気がしますが、そういう人に限って成績よくなかったですよ。時間をかければかけるほど効率は低下するので、図書館に篭もって勉強するのはよくないと思います。
要するに、きちんと勉強するのはテスト期間中だけで大丈夫です。前期・後期の期末はもちろんですが、科目によっては中間テストもあるので、年4回にリソースを投下して勉強するだけ。
なので、その他の閑散期は全然遊べるし、平日の夕方〜夜にバイトを入れてても全く問題なかったです。僕はテスト期間中にもバイト入れてたけど、それでも留年せずに卒業できたので、忙しさとしてはその程度です。
となると、結局どの学部も同じじゃない?
薬学部は留年する?
少なくとも長崎大学には「留年」という概念があまりなかったと思います。
というのは、進級が止まってしまう可能性があるのは、「5年生に上がるとき」と「卒業するとき」なんです。
4年生の後期に「CBT」と「OSCE」という2つのテストがあります。
- CBT —— パソコンを使ってポチポチ回答するテスト。基本的な問題ばかりです。
- OSCE(オスキー) —— 基礎的な調剤技術や患者への接し方を測る実技試験。
どちらも臨床実習を見据えたもので、これらに合格しないと5年生に上がれません。とはいえ、基本的に「受からせるためのテスト」なので落ちることは99.9%ないと思います。再試もやってもらえるしね。
卒業するときは、履修の単位が足りていて卒論を提出すれば、自動的に卒業の許可が下ります。ただ、詳しくは知らないけれど、私立を中心に卒業試験を行うところもあるみたいです。
こんな感じなので、たとえば「2年生の科目を落としてしまったから3年生に上がれない!」みたいなことはないです。卒業時までに所定の単位を修めていれば大丈夫です。
ただ、単位を落としまくっていたら再履修するタイミングがなくなってしまうので、自動的に留年することになるかもしれません。落としすぎないように注意しましょう。
実習もあるけど楽しいよ
うちの大学の場合は、実習が3つかな。これもコアカリで決まってるので、どの大学も基本的には同じだと思います。
- 基礎実習 —— 2年生後期〜3年生前期の1年間。午後の時間帯に基礎的な研究の手技を学ぶ。ほぼ遊びみたいなものです。
- 事前実習 —— 4年生後期。前述のOSCEを受験するための知識や手技を学びます。
- 臨床実習 —— 5年生。臨床現場で実習を行います(大学病院11週 + 調剤薬局11週)。
忙しいと思われるかもしれませんが、これ全部夕方には終わるので平日でもバイトできますよ。夜まで拘束されることはまずあり得ないです。だから別に忙しいわけじゃないと思うんですよね。
基礎実習は先輩方が準備を重ねて成功前提の実験ばかりなので、ほぼ遊びみたいなものです。事前実習はただのグループワークだし、臨床実習もみんなで和気あいあいとやってました。どれも楽しいと思うよ。
研究室に配属されて研究する
卒業論文を書くために研究しないといけないので、薬学生は3年生の後期〜4年生くらいのタイミングで研究室に配属されます。そこでは教員からテーマを与えられて、PDCAを回して研究します。
とはいえ、学部生レベルの研究なのでネガティブデータで卒論を書いても問題にはならないと思います。「○○という仮説を立てて検証したけど間違っていた」みたいな。好ましくはない状況だけれども。
だからそんなに気負うことないと思いますよ。修士〜博士だったら成功させないといけないけど、学部生なら大丈夫。
気になるのは研究室内の人間関係くらいだと思うので、そのあたりはきちんと見学して決めてください。教授の方針によって大変さは段違いなので、個人的には自由な雰囲気の研究室を選びたいです。
最後に
以上のような感じなので、「薬学部は忙しいか?」という問いには、僕は明確にNOと答えます。ただし、あくまでもひとりの意見なので、他の人の言っていることも含めて総合的に判断してください。
確実に言えるのは、「1人で主張していることを鵜呑みにしてはいけない」ということ。忙しいと思う人は忙しいと主張するわけで、決して全員の総意ではありません。n=1だということにご留意ください。
そしてまた、僕の「薬学部は忙しくない」という主張もn=1です。僕は自分の思っていることを主張したけど、判断は委ねます。