使い分ければ、両方の強みを享受できる。
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AirPods ProとWF-1000XM4の使い分け
実は、1か月ほど前にソニーWF-1000XM4を購入していました。(月刊号で少し触れましたね)
この2年半ほど、音楽を聴くときもWeb会議をするときも、AirPods Proをメインのイヤホンとして使ってきました。たまに充電を忘れることもあるので、そのタイミングで予備のAirPods 2を引っ張り出して使う、というような感じ。
→ AirPods Proと3か月|総合力の高いイヤホンが、さらに進化した。
有線イヤホンを使っていた時代は、よくその音質にこだわったものですが、最近ではすっかりAirPodsの便利さに取り込まれてしまっていました。でも、たまには「いい音」で音楽を聴きたい欲が再燃。ちょうど安くなっていたので、WF-1000XM4を購入したのでした。
それからというもの、ずっとAirPods ProとWF-1000XM4を併用しています。どちらにもそれぞれの強み・弱みがあるので、強みを活かすことのできる用途に絞って2台を使い分けようという魂胆です。とっても贅沢な使い方。
まだまだ1か月しか併用していないものの、現時点におけるAirPods ProとWF-1000XM4との使い分けについて、この記事に記録しておきますね。購入を検討している人の参考になれば。
ちなみに、ヘッドホンは重くて長時間着けていられないので、あまり好きじゃないんです。音質にこだわるのならヘッドホンの方がいいのは分かっているのですが、装着感と音質のバランスを見たときに、僕はイヤホンの方が好きなんです。なので、ここではヘッドホンのことは考えないことにします。
まずは結論から
まず結論から言うと、今はこんな風に使い分けています。
- 音楽を聴くとき —— WF-1000XM4
- Web会議・電話のとき —— AirPods Pro
とても平凡な結論となりましたが、このように使い分けたいがためにWF-1000XM4を買ったのです。
AirPods Proの音質に満足できない
そもそも、WF-1000XM4を購入しようとした原動力は何か?
それは、AirPods Proの(使い勝手には大満足だけど)音質に満足していなかったから。だったら、音質の部分を補完する別のイヤホンを買ったみたらいいと思いました。
音質という言葉では不十分で、「音の解像度と音圧が不足している」というのが正確な感想です。
つまり、音楽を聴いたときに音がぼやけていて高音がきれいに鳴らないし、そして低音の締まりがない。こんな音しか鳴らさないイヤホンに3万円を出すのは、AirPods Proが発売された2019年10月時点では「なし寄りのあり」だったけれど、現在ではその価値はないんじゃない?と思います。
当時書いたレビュー記事の記載を引用すると、
あくまでも「そこそこ」です。この音質に3万円を出す価値があるかと言われると、正直に言ってちょっと微妙——。
という感じですが、使い勝手のよさに相殺されて許せました。
しかし、時代は2022年。音質を重視したイヤホンも少しずつ洗練されてきて、筐体が小さくなったり、使い勝手が少しはましになったり。特にWF-1000XM4はいいところを突いていて、妥協のない音質と、それなりの使い勝手を両立しています。
このような背景をもとに、僕が上記のように使い分けている理由を以下に記します。
音楽を聴くのは、圧倒的に〈WF-1000XM4〉一択
音楽を聴くときは、当然ながら音質がいい方がいいに決まってます。AirPods Proのレベルが低すぎるのかもしれませんが、個人的には圧倒的にWF-1000XM4の方が好きです。
締まった低音、しっかりとした音圧、きめ細かい高音、全体として整ったバランス。「そうそう、3万円払うんだったら、最低でもこんな音を出してもらわないとね」というベンチマークになりそうな優等生です。本当に素晴らしい。
さらに、タッチ操作でノイズキャンセリング ⇄ 外音取り込みを切り替えたり、再生・スキップができるようになっていて、使い勝手も及第点。イヤホンを耳から外したら音楽が一時停止になるのもいい(これはAirPodsが始めた機能かな)。というような「それなりの使い勝手」もあります。
そのため、自宅にいても外にいても、音楽を聴くことを目的にイヤホンを装着するときは、WF-1000XM4しか使っていません。この1か月間、AirPods Proで音楽を聴いてないんです。
〈WF-1000XM4〉もiPhoneで使ってます
ちなみに、WF-1000XM4はiPhoneに接続して使っています。
これだとBluetoothの転送コーデックがAACになってしまいます。一方、対応しているAndroid端末ではLDACでも転送できるので、Android端末からApple Musicのロスレス音源をLDACで飛ばすのが一番いい音が鳴ります。音質を重視するのならそれがベスト。
LDAC対応のAndroid端末は所有しているものの、毎日持ち歩くような生活はしていないので、今のところはiPhoneと接続しています。音楽のためだけにAndroid端末を持ち歩くモチベーションは、僕にはありませんでした。
ノイズキャンセリングは〈WF-1000XM4〉の方が強い
僕がノイズキャンセリングを使う場面って「電車や飛行機に乗っているとき」だけなんです。歩いているときは危ないので周りの音を聞きたいし、集中して作業しているときはそもそも音楽を聴きたくない。
そのため、自分で運転しない乗り物に乗ってじっとしているときだけ、ノイズキャンセリングをオンにして音楽を聴いています。ほとんどが通勤電車の中なんですけどね。
電車の中でAirPods ProとWF-1000XM4のノイズキャンセリングを比較したところ、
- AirPods Pro —— 電車の走行音も微かに聞こえる。アナウンスははっきり聞こえる。
- WF-1000XM4 —— 電車の走行音は全くと言っていいほど聞こえない。アナウンスは微かに聞こえる。
という感じ。
ノイズキャンセリングはWF-1000XM4の方が強く、音質もWF-1000XM4が圧倒的なので、通勤中は専らこちらを使っています。
Web会議や電話は〈AirPods Pro〉がベター
一方で、Web会議や電話ではAirPods Proの方がいいです。キーになるのは「接続先の変更のしやすさ」と、後述する「外音取り込みの自然さ」です。
僕はApple製品に囲まれた生活をしています。プライベートでも仕事でもMac、iPhone、iPadを使って作業をするので、「iPhone → Mac」「プライベートのMac → 仕事のMac」など、Apple製品どうしでしかイヤホンの接続先を切り替えないんです。
そのため、同じiCloudアカウントでログインしていれば自動で接続してくれるAirPods Proの方が使い勝手がいい。Web会議や電話での音質にはこだわらないので、使い勝手のよさに振り切っているAirPods Proが最適です。
外音取り込みは圧倒的に〈AirPods Pro〉が安定している
WF-1000XM4を使っていて違和感を覚える場面、それは「外音取り込み」モードです。
WF-1000XM4は外の音が減衰して耳に入ってきているイメージで、どこか不自然です。一方、AirPods Proはかなり優秀で、外音取り込みモードのまま音を流さないと、装着しているのを忘れてしまうくらい自然なんです。
Web会議でAirPods Proを装着して会話していると、周囲の音に会話相手の声が乗るので、まるで目の前にいるかのように聞こえます。もちろん、自分の声もAirPods Proを通してクリアに聞こえます。だからWeb会議がとてもやりやすく、自分も話しやすいんです。
外音取り込みという概念を提唱したパイオニアでありながら、相当に洗練されたクオリティで出してきたAirPods Pro。在宅勤務になくてはならない存在です。
ちなみに、外音取り込みモードのWF-1000XM4では、不自然さに加えて謎の動作をすることがあります。これまでに遭遇した事例だと、電車のドアが閉まるときに車内で鳴る「ピンポン」という音に反応するのか、一瞬だけ外音取り込みがオフになることがあるんです。
原因は不明で、100%の再現性があるわけではないですが、洗練されていないのがひしひしと伝わってきました。と同時に、これまで何気なく使っていたAirPods Proの優秀さが身に沁みました。
まとめ
以上のように、それぞれの強みを活かしながら使い分ければ、どちらの恩恵も享受できます。
- 音楽を聴くとき —— WF-1000XM4
- Web会議・電話のとき —— AirPods Pro
とっても贅沢な使い方なので万人におすすめできる方法ではありませんが、個人的にはしっくりくるやり方です。どちらかを手放すことは一切考えていません。
そうは言っても、どちらか一方だけ購入することを検討しているのなら、
- AirPods Pro —— 音質にはこだわらないので、快適に使えるイヤホンが欲しい。
- WF-1000XM4 —— イヤホンでは音楽ばかり聴くので、音質を重視したい。使い勝手はある程度のレベルであれば問題ない。
というような基準で選ぶといいかな。
決められないのなら、AirPods Proを選んでおけば間違いはないです。もちろんApple製品どうしで使うことが前提です。Bluetoothに準拠しているのでApple製品以外でも使えますが、自動切り替えが使えないなど、使い勝手が悪くなってしまいます。
個人的には、音質は次回のステップアップとしておいて、最初は使い勝手を重視するのが幸せになれると思います。なので、最初の1台を選ぶのならAirPods Proです。