持ち運び用の軽いキーボードが欲しかった。
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ELECOMのBluetoothキーボード「TK-SLP01BK」
そのキーボードとiPad miniを使ってこの記事を書いていますが、なかなか使えるモバイル環境なのではないかと思っています。
この記事では、
- なぜこのキーボードを購入するに至ったか
- このキーボードのファーストインプレッション
- Smart Keyboard Folioとの比較
を中心にお届けします。
なお、最初におことわりですが、使用感については、僕が普段使っている以下のキーボードとの比較になることをご了承ください。
- Apple Magic Keyboard(iMacに付属してるやつ)
- MacBook Proのバタフライキーボード(第2世代)
- Smart Keyboard Folio
なぜこのキーボードを購入したか
いろいろな考え方があるのは重々承知の上ですが、個人的には、iPadのキーボードは本体に装着するタイプのものではなく、別々で持ち歩くものの方がいいと思っています。理由は以下の2つ。
- 「タブレット」として使うときにキーボードが邪魔になる
- キーボードが必要な場面よりも、タブレット単体で使うことの方が多い
背景にあるのは、iPadでキーボードが必要な作業をあまりしないので、「タブレットはタブレット」として使いやすいのがベストだと思っていること。大量に文字入力するときはMacを使えばいいのです。
確かにiPad ProではSmart Keyboard Folioを使っています。しかしながら、最近は(大学院生から社会人にステップアップしたこともあり)外で作業することがめっきり減ってしまったので、バックパックの中に「iPad Pro + Smart Keyboard Folio」を入れて出かけることもなくなりました。
→ 11インチiPad Pro用「Smart Keyboard Folio」1か月使用レビュー。旧モデルより安定感は抜群。
それに加えて、今はiPad ProとiPad miniの2台体制で運用しており、iPad Proでしか使えないSmart Keyboard Folioよりも、どちらでも使えるBluetoothキーボードの方に魅力を感じていました。
以上のような経緯があり、
- 薄くて軽く、持ち運びやすい
- Bluetooth接続し、マルチペアリングに対応している
- 日本語配列で「かな」「英数」キーがある
このようなキーボードを探したところ、ELECOMの「TK-SLP01BK」に辿り着いた次第です。
ファーストインプレッション
数日使ってみたので、その感想を「ファーストインプレッション」としてお届けします。主に「iPad mini + Smart Cover + TK-SLP01BK」の組み合わせで使っているので、その観点での感想です。
いい点
まずはいい点から。具体的には以下の3点です。
- 薄い、軽い、持ち運びやすい
- 3台までのマルチペアリング
- 「かな」「英数」キーがあり、日本語入力に最適化されている
薄い、軽い、持ち運びやすい
iPad miniが公称300.5g、TK-SLP01BKが実測216gなので、合計516.5gである程度快適に文章を書く環境を持ち運ぶことができます。iPad miniと一緒に持ってもこんな感じなので、使うかどうかわからないときでも、カバンに忍ばせておいて苦になりません。
また、TK-SLP01BKは内蔵バッテリーを採用しているので乾電池を入れる必要がなく、本体が薄く作られています(7.2mm)。11インチiPad Proよりは厚いですが、個人的には許容範囲内だと思いました。
3台までのマルチペアリング
Bluetoothのペアリングは3台まで可能なので、僕はiPad Pro、iPad mini、iPhoneに登録しています。もちろん、Windows、Mac、Androidを登録することも可能で、それぞれのOSに合わせてキーを変更する機能も備わっています。
「かな」「英数」キーがあり、日本語入力に最適化されている
このような「タブレット用の薄いキーボード」は英語配列で作られていることが多いように思います。しかしながら、日本語の文章を入力する上では、日本語配列のキーボードが都合がいいのです。
その最たる例が「かな」「英数」キーです。Macではおなじみであり、WindowsでもSurface Laptop Goで採用された、日本語と英語の入力を切り替えられるキーです。これがあるのとないのとでは、文章入力の効率に大きな差があると思っています。
iPadの世界では、Apple純正のSmart Keyboard FolioやMagic Keyboardに採用されていますが、サードパーティー製でなかなか見当たりません。しかし、このTK-SLP01BKには備わっており、快適に日本語の文章を入力することができます。
よくない点
逆に、よくない点も3つあります。
- キーストロークが深い
- 微妙なキー配列
- 滑り止めがなくて滑る
キーストロークが深い
これは完全に個人の感覚次第ですが、僕にとっては沈み込みが深くて打ちにくいように感じます。
普段はデスクトップ用のMagic KeyboardやMacBook Proのバタフライキーボードを使っており、これらはキーストローク(キーの沈み込み)が1mm程度です。一方、TK-SLP01BKは1.4mm。たった0.4mmの違いですが、使ってみると結構な差だということがわかります。
キーストロークも深い上に、キーの反発も強いので、普段タイプするときよりも大きな力でキーを押し込まなければならず、指が疲れます。
微妙なキー配列
TK-SLP01BKはMacやiPadだけでなく、WindowsやAndroidでも使えるようになっています。ある程度はOSに合わせたキー配列に切り替えることができるのですが、Caps LockとControlの位置はWindowsに準拠しており、切り替えることが出来ません。
僕はiPadでもカーソル移動やカタカナ変換の際にControlキーをよく使うので、普段と場所が異なる(かつ、ホームポジションから外れる)位置にControlキーがあるのは頂けません。
ただし、これはiPadOSの設定で変更できます。設定 → 一般 → キーボード → ハードウェアキーボード → 修飾キーと入っていくと以下のような設定画面になるので、こちらでキーマッピングを変えてあげればOKです。
この設定は接続するキーボードごとに紐付けられます。なので、例えば純正のSmart Keyboard Folioを使っているときはそのままで、ELECOMのキーボードを使っているときだけキーマッピングを変更する、ということが可能です。
滑り止めがなくて滑る
TK-SLP01BKの底面には滑り止めのシリコンがついていません。プラスチック面なので、使っているうちにズレていきます。上記のようにタイプの力が強いのも相まって、打ち込んでいる間にズレてしまい、別のキーを押してしまうことも。
確かに、TK-SLP01BKは本来は専用ケースと一緒に使うことを前提としたキーボードなので、ある程度は理解可能なのですが、それでも使い勝手は悪いと言わざるをえない。
ただし、これには解決法があって、iPad本体に押し付るようにして配置すればよかったです。そうすることで、無闇に奥側にズレていく現象に遭遇しなくなりました。
Smart Keyboard Folioとの比較
明らかにSmart Keyboard Folioの方が打ちやすい——というのが、率直な感想です。
価格が大きく異なる上に、Apple純正品とそれ以外という違いもあるので、直接比較するのはナンセンスかもしれません。しかしながら、「iPadのキーボードとして使用する」という点では全く違いはないので、使ってみた印象を比較してみたいと思います。
一覧表にしてみると、このような感じになります。
Smart Keyboard Folio (11インチ用) | TK-SLP01BK | |
---|---|---|
使用機種 | 11インチiPad Pro、iPad Air 4 | Bluetooth接続可能な機器なら何でも |
接続 | Smart Connector | Bluetooth |
充電 | 必要なし(本体から給電) | microUSBで充電 |
キーピッチ | 18 mmくらい | 17.2 mm |
キーストローク | 1 mmくらい | 1.4 mm |
そのようなコンセプトなので当たり前ですが、11インチ用Smart Keyboard Folioは、Smart Connectorで接続できるiPad(11インチiPad Proと10.9インチiPad Air 4)でしか使えません。その分、iPad本体から給電されるので、キーボード単体で充電する必要はありません。
一方、TK-SLP01BKはBluetooth接続なので、どのような機器でも使用可能な反面、充電しなければ使えません。
また、キーピッチはどちらも同じくらいで、フルサイズのキーボードよりは一回り小さいです。一方、キーストロークはTK-SLP01BKの方が大きく、打ち込んだときの沈み込みは深い。打ち込んだときの感触も、Smart Keyboard Folioは独特のパタパタしたもので、TK-SLP01BKは一般的なキーボードと同様です。
Smart Keyboard Folioとの比較から見えてくるTK-SLP01BKのメリットは「iPad Pro以外でも使うことができ、気軽に持ち歩くことができる」という点にあると思うのです。iPad miniでも、なんならWindowsタブレットでも使うことができる。それはSmart Keyboard Folioにはない、明らかなメリットです。
しかしながら、このセクションの冒頭でも述べたとおり、個人的には明らかにSmart Keyboard Folioの方が打ちやすいのです。パタパタとして独特の感触はあるものの、それを含めても打ちやすいと感じます。
そのため、iPad Proを使って文字入力する可能性があるときは、これまでと変わらずSmart Keyboard Folioを装着して出かけると思います。一方、「iPad miniを持ち歩きたいけど、もしかするとキーボードも使うかも」のような場面だと、iPad miniとTK-SLP01BKを持ち歩くことになりそうです。
最後に
iPad miniとキーボードの組み合わせが、最終的にどの程度自分の生活に落とし込めるかはわかりませんが、まずは試してみようということで、購入してみました。
ただ、このキーボードの購入から記事公開までにMacBook Air (M1)を手に入れてしまったので、iPadと組み合わせて使うタイミングがあるかどうかは未知数です。