書きやすいと評判の「ペーパーライクフィルム」。iPad Proの画面に貼ることで、Apple Pencilで書くときに紙のような質感を得ることができます。
確かに書きやすさは評判どおりなのですが、その分諦めないといけない要素が多かったです。なので1日でギブアップしてしまいました。
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iPadのペーパーライクフィルムを1日でギブアップした話
僕が買ったのはこちらの商品です。エレコムの「上質紙タイプ」。貼ってると全体的にマットな質感になります。ノッチ部分の色が違うのでわかりやすいかな。
結構いい値段がして(2,000円くらい)、がんばって貼ったので、もし合わなくても最低でも1週間くらいは使おうと思っていました。でも僕には向いていなかったので、1日で剥がしてしまいました。
iPad Proにペーパーライクフィルムを1日過ごしたけど今すぐ剥がしたい衝動に駆られる。でも1週間使ってみるって決めたから我慢。
— みけめろ@starnote* (@info_starnote) 2018年12月10日
結局のところ、何がよくて、どこがダメだったのか、この記事で振り返ります。
もくじ
ペーパーライクフィルムの評価
まずは結果から。「書き心地」「手触り」「画面の見え方」の3つの視点でペーパーライクフィルムを評価してみましょう。
書き心地
書き心地は、10点満点中9点。
評判どおり、めちゃめちゃ書きやすいです。初めて使ってみましたが、本当に紙のような質感ですね。フィルム1枚でこんなに変わるなら、本職のイラストレーターさんは大助かりだろうなー。
本当は10/10にしたいですが、Apple Pencilの先がすり減るので1点減点しました。下のような「ペン先の消耗を抑えるケント紙タイプ」だと満点かもしれません。
手触り
手触りは10点中2点。もう最悪なので1点にしたかったけど、お情けで2点。
うーん、何と言えば伝わるのでしょうか。指先にかさぶたがついているような感じ、と言えば伝わるかな。滑りのいいiPadのディスプレイに慣れていると、「iPadではない別のモノ」を触っている感覚を覚えます。
また、言うなればヤスリみたいな感じなので、爪が削れるし、指をスライドさせるたびに音がしてうるさいです。ちょっと普段は使いたくないかな…
ペーパーライクフィルム貼ってたら爪が削れるね。やっぱ剥がそうかなー。
— みけめろ@starnote* (@info_starnote) 2018年12月11日
画面の見え方
画面の見え方は10点中3点。
ザラザラしているシートのせいで表面の光が散乱するので、画面が白っぽく見えます。さらに、フィルムを貼ることでiPadの反射防止コーティングも意味を成さなくなってしまいます。
iPad Proのディスプレイは「P3」という広色域に対応していて、階調豊かな表現が可能です。それなのに、こんなに見え方が悪くなるフィルムを貼るのはあり得ないと思いました。
僕の用途とペーパーライクフィルムの相性
僕は主にこのような用途でiPad Proを使うことが多いです。
- 文章を書く(主にブログ)
- 写真を現像する
- お絵かきする
- アイデア出し(手書き)
- 読書する
11インチiPad Proを買いました。僕はこんなことに使いたい! – starnote*
→ 11インチiPad Proを買いました。僕はこんなことに使いたい!
ここからは、それぞれの用途においてペーパーライクフィルムがどのように影響したかということをご紹介します。
文章を書く
文章を書くときはSmart Keyboard Folioを使うので画面に触れません。さらに、文字を認識できればいいので画面が白っぽくなるのも問題ありません。
なので、文章を書くときにはあまり影響はなかったです。
ただ、前述の「爪が削れる」という話とも関連しますが、Smart Keyboard Folioを閉じて持ち歩いているときに擦れて傷がつくことがあるかもしれません(キーボード側に)。でも長期使用していないので僕からはノーコメント。
11インチiPad Pro用「Smart Keyboard Folio」1か月使用レビュー。旧モデルより安定感は抜群。 – starnote*
→ 11インチiPad Pro用「Smart Keyboard Folio」1か月使用レビュー。旧モデルより安定感は抜群。
写真を現像する
写真の現像に関しては悪影響しかないです。特に、画面が白っぽくなって正しい色がわからなくなるのは致命的。せっかくのP3対応のディスプレイが台無しじゃないか。
また、LightroomでApple Pencilを使ってレタッチすることもありますが、画面上を大きく滑らせて色を塗りつぶすような使い方をするので、ザラザラした抵抗のある書き心地が邪魔になります。
このように、Lightroomでの写真の現像に関しては、
- 正しい色がわからない
- ザラザラした書き心地がかえって邪魔になる
という悪影響しかなかったです。
お絵かき・アイデア出し
一方、絵を書いたり手書きでアイデアを出したりする用途に関しては、ペーパーライクフィルムの書き心地の恩恵を最大化することができます。特に、文字を書くときなど「細かい動き」が必要なときはいいですね。
そのため、イラストレーターさんなど本職の方には重宝すると思います。僕はそこまで細かい絵は描かないので、別になくてもいいかなーという感じでした。
ただし、このタイプのペーパーライクフィルムは、Apple Pencilのペン先が激しくすり減ります。爪が削れるくらいなので当然といえば当然です。
写真には撮れませんでしたが、フィルムを剥がした今でも僕のApple Pencilのペン先はいびつな形のままです。ペン先だけ買おうか迷い中。
読書
本の文字は白黒なので色が白っぽくなるのは関係ないです。つまり見え方にはあまり影響はありません。
なので、可もなく不可もなくといったところ。でも手触りが悪化することによる使用感の低下はあります。
結論:僕には合わない
このように、僕にとっては
Apple Pencilでの書き心地向上よりも、画面の見やすさや手触りの方が優先順位が高かった
というのが結論です。
本当にこの結論で正しいのかどうか検証するために、もう一度貼り付けて使ってみましたが、やっぱり無理でした。
iPadのペーパーライクフィルムの感想を書こうかなと思って再び貼ったものの、やっぱ無理ってなって剥がした。
・そもそも保護フィルムを貼るのが好きじゃない
・書きやすさに全振りしていて、触り心地や画面の見え方が犠牲になる
・お絵かき以外の生産性が下がる理由はこんな感じ。
— みけめろ@starnote* (@info_starnote) 2019年1月13日
あくまでも「僕には合わなかった」というだけの話なので、心地よく使っている方の気を悪くさせてしまっていたらごめんなさい。
でも多方面で絶賛されているので、迷っている人に「こんな意見もあるよ」ということを伝えたかったのです。
まとめ
ペーパーライクフィルムは書きやすさに全振りしていて、それ以外のすべてが犠牲になってしまいます。
もともとそういうコンセプトなので、製品自体に文句を言うつもりは全くないです。ただ、書き心地以外の使用感がここまで低下するとは思いませんでした。
でも実際に自分で使ってみないとわからないと思います。もし合わなくても、「失敗を失敗と認識するための必要経費」なのです。決して無駄ではありません。
迷っている人は、ひとまず自らの視覚と触覚で試してみることを強くオススメします。
不安な人は、ペン先の消耗を抑えるケント紙タイプがいいかもしれません。