入力環境を統一する必要はないです。
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こだわり派が多いHHKB
打鍵感に評判のある「Happy Hacking Keyboard(HHKB)」。
僕も1年3か月くらい、「HHKB Professional HYBRID Type-S」というモデルを使っています。自分に合わなければ売り払えばいいやと試しに買ってみたところ、思いのほか定着したのです。
そして、キーボード環境をHHKBに統一することはしていません。iMacを使うときはHHKBを、自分のMacBook Airや会社のMacBook Proを使うときは、MacBook Air/Proに搭載のキーボードを使ってきました。
HHKBは「静電容量無接点方式」という方式を採用しており、最近のキーボードにしてはストロークが深い。
だから、HHKBを使っているユーザーの中では、「打鍵感を統一するためにHHKB以外のキーボードを使わない」人たちまでいるほど。それはそれで、その人のこだわりを感じることができていいと思います。
ただ、そういうユーザ層が目立ってしまって、HHKBを取っつきにくい存在にのし上げている節はあると思うんですよ。
ライトに使ってもいい
でも、僕はそこまでヘビーにHHKBを使い込んでいるわけではなく、ライトユーザー。何が何でもHHKBである必要はなく、状況に応じて使い分ければいいと思っています。
確かに、HHKBは打鍵感が最高なので、ずっと触っていたい気持ちは大いに共感できます。MacBook Air/Proに搭載のキーボードで文字入力をしていると、HHKBが恋しくなる瞬間が必ず訪れるものです。
一方、共感できないのは、「いくつものキーボードを併用すると、打鍵感やキーの配置が異なり混乱する」というような内容。
いやいや、それはさすがにデバイスに応じて使い分けられるでしょう。キーの配置が特殊なHHKBに慣れてしまったら、他のキーボードは使えなくなる?——まさか!そんなことはありません。
前述のとおり、ブログを書くときなどのプライベートではiMacに接続したHHKBを、仕事ではMacBook Proに搭載のキーボードを、それぞれ主に使っているけれど、混乱したことは一度もありません。
だって、自分が今どのキーボードを使っているかなんて、見れば分かるし、触っても分かるし、入力する音でも分かります。どのキーボードを使っているか正しく把握し、「道具に対して自分を最適化」すればいいだけですよ。
打鍵感が異なる? それは当然でしょう。だって異なる打鍵感を求めてHHKBを購入しているはずです。
MacBookに搭載のキーボードや、iMacに付属のMagic Keyboardを「普通」のキーボードと捉えたときに、それに付加価値を与える形で、しかも打鍵感が異なるのを承知の上で、HHKBを選んでいるので、使用感が異なるのは当たり前です。
だから、自分が今使っているキーボードに合わせて、頭を切り替えるだけです。それはそんなに難しい話なのでしょうか? 1か月ぶりに使うならともかく、〈HHKB〉と〈MacBookに搭載のキーボード〉を日常的に併用するのなら、混乱する要素は全くないと思うんです。
微妙に配列が違う? これも慣れです。
例えば、左側のCommandキーとOptionキーの配列が左右逆になっているけれど、使っているキーボードに応じて、自分の頭を切り替えればいいだけなんですよ。最初のうちは思考のリソースを使うかもしれませんが、慣れたら無意識のうちに切り替えています。そんなものです。
もし、どうしても左右逆なCommnandキーとOptionキーを受け入れられないのなら、OS側でキー配列を変えればいいんです。
いいところをつまみ食いしよう
結局は、物事に対する個人のスタンスの違いが全てなのだと思います。
つまり、道具を自分に合わせにいくのか、自分を道具に合わせにいくのか。普段の自分にどちらの傾向があるか見極めて、ヘビーユーザーを目指すか、ライトユーザーになるか、考えればいいのです。
これは勝手な想像ですが、普段から道具を自分に合わせたがる人は、全ての入力環境を統一した方がいいかもしれません。例えばHHKBに統一するのなら、常にHHKBを持ち歩くような生活になるのでしょうね。ヘビーユーザーになることを目指すタイプ。
一方、目の前にあるさまざまな道具に対して臨機応変に自分を合わせにいくタイプの人は、HHKBだろうとMacBookのキーボードだろうと、一度慣れてしまえば、思考のリソースを割くことなく使い分けることができると思います。
僕は後者のタイプなんだけど、この記事の前半は自分のデスクにあるiMac + HHKBで、後半はダイニングテーブルの上でMacBook Airで書きました。でも、キーボードが異なることによる作業効率に大きな差はなかったです。
だからこそ、ライトユーザーにもHHKBをおすすめしたい。別に、全ての入力環境をHHKBに統一する必要はなく、つまみ食いしたっていいじゃないですか。
僕のように、いちいちHHKBを持ち歩くのが面倒なら、外出時にはMacBookに搭載のキーボードを使えばいい。自宅での作業においてHHKBを使うだけでも、その心地よい打鍵感を味わうことをできます。
という感じで、「別に全ての入力環境をHHKBに統一する必要はないよ!」というメッセージが届けばいいなと思っています。その場の状況に応じて、臨機応変に変えていけばいいんです。
もしかしたら沼があるんじゃないか……とHHKBの購入をためらっている人がいれば、そんなに重く考える必要は全くないです。
気になったら買う、自分に合わなかったら売り払う。そして、もし自分に合っていたら、いちばん使いやすい方法で活用すればいい。それだけのことです。