いいところも、イマイチなところも。
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2023年1月にCX-60が納車されて、早くも4か月が経ちました。
走行距離はまだまだ3,000km程度と伸びていませんが、この車の素性も徐々に分かってきたので、現時点で感じていることをいくつかのトピックに分けてお伝えします。
もくじ
ちなみに、1か月時点でもファーストインプレッションを書いていました。
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購入したグレード
僕が購入したのは、Mazda CX-60「XD-HYBRID Premium Modern」というグレード。
Mazdaの車はパワートレインとランクでグレード分けされますが、3.3L直列6気筒ディーゼルエンジンとモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドを搭載した「XD-HYBRID」というモデルのうち、一番豪華な「Premium Modern」というグレードです。
「Premium Modern」を買う意味があったか?
反省を込めて、果たして一番豪華な「Premium Modern」を買う必要があったのか、ちょっと振り返ってみます。
契約当時はかなり悩みました。魅力的なディーゼルハイブリッドのパワートレインに加え、思わず息を呑むインテリア、そしてパノラマサンルーフが標準装備という「Premium Modern」が欲しいけれど、果たして価格的に身の丈にあるのだろうか、と。
結論から申し上げると、月々の支払い的には現状では全く問題ないのですが、もう少しランクを落として支払いを抑えるような選択肢を検討してもよかったかもしれません。
もちろん、「Premium Modern」の仕様にはとても満足しています。ドアを開けると飛び込んでくる白内装の豪華さや、パノラマサンルーフによってもたらされる明るさ。視界の一部に入ってくるダッシュボードにはかけ縫いが施され、車内空間の雰囲気をいい方向にぐっと押し上げています。
また、後述しますが、遠出するときはディーゼルハイブリッドシステムの安定感のおかげで安心できる。さらに、エクステリアには存在感があるので、外出先の駐車場で自分の車を見つけたときには思わず見とれてしまいます。
しかしながら、例えば1つ下のグレード「Exclusive Modern」を購入し、オプションでパノラマサンルーフを装着した場合を考えてみると、得られる満足感はあまり変わらなかったのではないかと疑ってしまう自分もいます。
少なくとも、「走り」や「エクステリア」に関しては全く同じです。異なるのは内装の素材くらいで、それでも並べて比較しないと分からないような微々たる差なのです。
まあ、最上位グレードを手に入れたからこそ、それがいつの間にか日常の一部となってしまって、特別感が失われただけかもしれません。仮に下位グレードを購入していたら、上位グレードが羨ましくて仕方なかった可能性だってあるから、あんまり確定的なことは言えない。
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存在感のあるデザインと、それに由来する所有欲
デザインは存在感ありますよね。正直、フロントマスクはあまり好みではないのですが、優雅で伸びやかなサイドビューと、斜め後ろから見たときの力強さは特筆すべきものです。
エンジン縦置きの後輪駆動ベースとなったことで、前輪がかなり前に出されています。そのおかげで、いわゆる「プレミアムレングス」が生まれ、サイドビューがかなり伸びやかなものになっています。
それに加えて、切削タイプでギラギラに輝く20インチホイールが、これでもかとばかりに主張しているので、足回りの豪華さだけでなく、優雅で伸びやかなサイドビューにも寄与している気がします。
また、斜め後ろから見たときのリアフェンダーの盛り上がりがボリューミーで、まるで後輪の力強さを表現しているようだと思っています。エンジンから伝わってきたパワーが、後輪まわりにぐっと集中している感じ。
このような存在感のあるデザインのおかげで、所有欲も高まります。うまく言語化できないけれど、外出先で用を済ませて車に戻ってきたときに、自分の車を見つけてはっとする感覚というか、自分の好きなタイミングでこんなにかっこいい車に乗ることができる喜びというか。
また、高級車が多い首都圏を走っていても、この存在感は全く引けを取らないと思います。地方から出てきた身としては、東京の高級車の多さは異常です。そんな中で安い車に乗るのはちょっと恥ずかしいのだけれど、CX-60なら余裕で張り合える。むしろ勝てそう。
ドライバー顔認識は使いものになる
1か月時点のレビューでは「こんなもん使いものにならねえ!」と言いましたが(そこまで言ってない)、これは前言撤回させてください。
CX-60には「ドライバー・パーソナライゼーション・システム」という、ドライバーごとにシートポジションやオーディオの設定などを記憶してくれるシステムが搭載されています。これは、センターモニターのそばに搭載したカメラでドライバーの顔を認識し、照合しているとのこと。
しばらく乗ってみて、うまく認識してもらうためには以下の2点が重要だと思いました。これらを守っていると、95%くらいの確率で成功している印象。
- マスクをせずに乗り込む
- 着席後に正面を向いて1〜2秒静止する
顔認識なので、当然マスクをしている状態では認識してもらえません。しかし、乗り込んでから外せばいいわけでもなさそうで、あらかじめマスクを外しておくのが重要っぽい。
つまり、ドアを開けて「乗り込む動作を行う時点」でマスクを外していた方が成功率が上がります。マスクをした状態で運転席に乗り込み、着席後にマスクを外して正面を向いても、認証してもらえないんですよね。
まあ、最近は外でマスクを着用する機会も減ってきているので、問題になる場面は少ないです。
一般道ではパワートレインのドタバタ感が目立つ
CX-60のマイルドハイブリッドシステムは、空走時には積極的にエンジンを止め、モーターだけで走って燃費を稼ぐような制御がされています。でも、モーターのみだと加速しないから、アクセルを踏むとエンジンが再始動します。また、8速トランスミッションも新開発されたものが搭載されています。
このようなパワートレインに関して、1か月時点のレビューでは、
- マイルドハイブリッドシステムにおける、走行中のエンジン再始動ラグ
- 低速域の変速ショックが大きい(1速→2速、2速→3速)
大きくこの2点を指摘しました。
これに関しては、乗り慣れてもパワートレインに対して抱く印象に全く変化はなく、相変わらずドタバタしています。そのおかげで、一般道での乗り心地はお世辞にもいいと言えません。前に乗っていたCX-5の方が全然よかった。
スポーツモードだと改善(と言えるのか?)
ただし、スポーツモードを選択すると、モーター走行からのエンジン再始動に由来する問題は解決します。なぜかというと、走行中にエンジンが止まらなくなるからです。ん…?
なんだかそれでは本末転倒な気がします。「できるだけエンジンを止めて無駄な燃料消費をカットできること」に魅力を感じてハイブリッドモデルを買ったのに、その機構を利用しないモードにして走行したら意味ないじゃん。
そして、スポーツモードにしても、低速域での変速ショックが大きいのは変わりません。これはもうトランスミッションの機構的な問題、あるいはトランスミッションのチューニングの問題だと思うので、解決策は「別の車に買い替える」しかないですね。
このような低速域でのパワートレインのドタバタ感に関しては、「これがマツダというブランドの限界なのか…?」と思いつつあります。しばらく乗って、アップデートなどでも解決されないようなら、次はマツダを選ばないような気がしている。それくらい致命的な問題だと思います。
高速道路での安定感は「すばらしい」
一方で、ひとたび高速道路に乗り込むと、まるで別の車のように、すぅーっと安定して走行してくれます。これは本当に「すばらしい」の一言しか出てこないです。
走行車線を巡航しているときの安定感は、まるでレールのある新幹線のようだし、本線に合流するときも力強く加速するから、合流のタイミングも計りやすい。
もちろん、追い越し車線に車線変更するときも、アクセルを踏めば踏むだけ加速してくれるので、“Speeeeed!!” などと叫びたくなる瞬間は全くありません。ここはCX-5と明確に異なる部分です。
こうやって自分で運転するのも楽しいですが、クルーズコントロールやステアリングアシストの性能も大きく向上し、もはや高速道路はシステムに運転を全部任せてもいいんじゃないかと思えてきます。さすがにやりませんが。
高速道路では燃費が伸びる
燃焼効率に配慮した直列6気筒エンジンにモーターが組み合わさることで、燃費性能も高いCX-60。パノラマサンルーフを搭載したハイブリッドモデルでは、WLTCモード(高速道路モード)で21.4 km/Lを叩き出していますが、実際はもっと伸びます。
先日、長野県の蓼科高原や諏訪あたりに行ってきたのですが、その帰りに30 km/L超えを記録しました。80 km/h制限の中央道でクルコンを使って走行車線をまったり走行した結果です。正直、ここまで伸びるとは思っていなかったので、数値を見たときはびっくりしました。
車幅感覚が掴みにくい(気がする)
先日も記事にしましたが、CX-60は大きいです。1か月時点では慣れの問題かなと思っていたのですが、これが全然慣れないのです。
一応、運転席からダッシュボードが見えているので、なんとなく前方の感覚は掴みやすいのですが、車幅感覚がなかなか掴みづらい気がします。
自宅近くの交差点で、ガードレールにかなり寄せて信号待ちをしないといけない交差点があるのですが、ギリギリまで寄せられた試しがありません。車で出かけるときは必ず通る場所だから試行回数は多いはずなのに、なぜか何度やっても感覚が掴めないのです。
また、先日初めてセルフ洗車機に入れてみたのですが、きっちり真ん中に合わせることができず、左側がギリギリになって怖い思いをしました。真ん中だと思ったんだけどな、全然感覚が掴めない。
幅がほぼ1.9mにもなる車だと、車幅感覚を掴みにくいのはこんなものなんでしょうか…? 1.84mのCX-5は全然難しくなかったから、CX-60の問題のような気がしています。ぶつけてないから全然いいんですけどね。
まとめ
以上をまとると、こんな感じ。
- 「Premium Modern」に満足しているけれど、ランクを落としてもよかった気がする
- デザインは存在感があってすばらしい(特に、サイドビューと斜め後ろ)
- デザインのおかげで所有欲も満たされる
- ドライバー顔認識は使いものになる(感覚的には成功率95%くらい)
- 一般道ではパワートレインのドタバタ感が目立つが、スポーツモードだと気にならない(だけど意味ない)
- 高速道路での安定感は「すばらしい」の一言
- 高速道路では燃費が伸びて、30 km/Lを超えることもある
- 車幅感覚が掴みにくい(気がする)
僕は車に対してこだわりが強いから、きっと「不満が一切ない車」というのは存在しなくて、どの車を買っても何かしら不満を感じる場面があるはずです。だから、CX-60に対して感じる不満も、そこまで大事として捉えているわけではありません。
とはいえ、一般道でのパワートレインのドタバタ感だけは納得いっていません。アップデートで改善できるのであれば、どうにかして改善してほしいと考えています。
もちろん数年乗るつもりで購入しているので、直近で手放す予定は全くありません。とにかくCX-60で高速道路に乗って遠出するのが楽しいので、いろんな場所に行きたいです。CX-60で行ってない場所、まだいっぱいあるからね。精進湖とか、日光とか、軽井沢とか——。
犬もだいぶ大きくなってきて、これから本格的に遠出に連れて行けるような気がしています。せっかくいい車を買ったのだから、楽しまないとね。
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