「劣化」ではなく「変化」なのです。
経年劣化というと、ゴム製品が硬くなってひび割れたりとか、プラスチックが黄色くなったりとか、ネガティブなイメージがつきまといます。しかし「経年=劣化」という公式は、必ずしも当てはまりません。
たとえば革製品は、使い込むことでその風合いが変化していきます。「味が出る」というやつですね。でもこれは、「経年」であっても「劣化」ではない。だからここでは「経年変化」と呼ぶことにします。
これまで当ブログではいくつかの製品を紹介してきましたが、購入直後にレビューしたものがほとんどです。その中には経年変化するモノもあったので、しばらく使い込んだらどうなるのか見てみよう、というのがこの記事の主旨です。
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この記事で取り上げるのは
- iPhone Xレザーケース
- 真鍮製のキーホルダー
- ヌメ革の名刺入れ
の3つです。
iPhone Xレザーケース
2017年11月からなので、約10か月間使っていることになりますね。2色買ったので、同じものを10か月間つけていたわけではありませんが、ある程度は参考になると思います。
きちんと測っていたわけではありませんが、体感的にはトータルで
- ブラック:5か月間
- コスモスブルー:4か月間
- 裸運用:1か月間
といった具合です。
【iPhone X 純正レザーケース】ブラックとコスモスブルーの2色を買ったのでレビュー。 – starnote*
こちらが10か月前の状態。左が「コスモスブルー」、右が「ブラック」です。
10か月間使うと、こうなりました。
レザーは使っているうちにくすんでいくので、ブラックだと変化がよくわかりません。一方、コスモスブルーは全体的に色が変化している上に、エッジの部分が黒くなっています。
コスモスブルーはエッジが黒くなる
僕はいつもiPhoneをポケットに入れています。
そのせいかどうかはわかりませんが、エッジ部分が黒く変色してしまいました。iPhone Xは落としたことないので、手の脂やポケットとの摩擦だけでこうなるのでしょう。
いい感じに味が出てきたと思いませんか?
ちなみに黒くなり始めたのは、4か月間の運用期間中2か月目くらいだったと記憶しています。
手がよく触れるからか、下半分の方が黒いです。
表もエッジが黒くなりました。
ブラックは見た目は変わらない
一方、ブラックは黒ずんだとしてもわかりません。なので見た目はあまり変わらないのですが、手触りは確実に変わっています。
最初は全体的にサラサラな手触りだったのに、使い込むにつれてエッジ部分(コスモスブルーの黒くなっているのと同じところ)の摩擦が上がっています。
iPhone XS Maxにもブラックのレザーケースを購入したので比較してみましょう。
左が累計5か月間使ったiPhone Xのレザーケース、右が新しく購入したものです。
ぱっと見ではよくわからないので、角度を変えてみましょう。
角の部分の光沢が失われているのがわかります。最初はサラサラと気持ちのいい手触りだったのに、使い込むにつれてサラサラ成分がすり減ってしまいました。
このように、iPhoneのレザーケースを使い込むと、
- 見た目は味が出てくる
けれど、その反面
- 手触りは劣化する
ということがわかりました。
ULYSSESのキーホルダー「OTTO」
続いては、5か月前にレビューしたULYSSESのキーホルダー「OTTO」。真鍮製のキーホルダーで、使い込むことで味が出てくるということを公式にもアピールしているものです。
妥協しないミニマム。ULYSSESのキーホルダー「OTTO」レビュー。 – starnote*
最初はピカピカでしたが、だいぶくすんできましたね。
かっこよくなりました。
経年変化というと革製品が真っ先に思いつきますが、このような金属製のキーホルダーもかっこよく変化するんですねー。
5か月間でここまで変化するのだから、これから使い込むにつれて、もっとかっこよくなると期待しています。
ちなみに、購入時はゴールドの真鍮製のみしかありませんでしたが、いつの間にかステンレス(シルバー)と赤銅バージョンも登場しています。気になったらぜひチェックしてみてくださいね。おすすめです。
8の字型 キーホルダー オット
ヌメ革の名刺入れ
1年半前の2017年3月にレビューした「Made in Kobeなヌメ革名刺入れ」。国際学会に行く前に購入しました。今では博士課程の名刺とブログの名刺を入れて毎日持ち歩いています。
ヌメ革の名刺入れを買ったので軽くレビュー。全工程を神戸で行っている「Made in Kobe」な一品。 – starnote*
シンプルの極みだったカードケース。
まったく手入れはしていないですが、光沢が出てきました。
内側も名刺の型がついています。
やっぱりヌメ革という素材は経年変化を体感しやすいですね。
以前と同じような感じで撮ってみました。
値段は高くないのに、経年変化を楽しむことができる。身の回りを高級品で固めるのもいいですが、このような「素材を活かす」ものが1つくらいあってもいいかもしれませんね。
ヌメ革の名刺入れを買ったので軽くレビュー。全工程を神戸で行っている「Made in Kobe」な一品。 – starnote*
まとめ
自分の使い方によって、幾重もの変化のパターンが楽しめる素材。もともとは大量生産品であっても、使い込むことで自分自身の色に染めることができる。すばらしいことではありませんか。
モノを買うということは、そのスタート地点にすぎないのです。良いものを買って、長く使って、世界に1つだけの製品に仕上げていく。それってすごく楽しい。
だから僕はきっとこれからも、このような経年変化を楽しめる素材を好んで選択するのでしょう。