準備は念入りにしておこう。
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本格的な冬が訪れる前に準備しておこう
首都圏に住んで車を持っていても、冬タイヤが必要となる場面は少ないものです。少なくとも東京23区とその周辺に雪が積もることはかなり稀だし、数cmでも積もったら交通網は麻痺して大混乱に陥ってしまいます。
とはいえ、首都圏のまわりには山々がそびえ立っており、冬の時期に遠出しようと思ったら積雪に出くわす可能性が一気に上がります。だから首都圏に閉じこもるのであれば冬タイヤはなくても車に乗れますが、遠出するのなら必要です。
東北・甲信越方面はもちろん当然だし、静岡方面に抜けるとしても御殿場あたりが積もることがあるので、八方塞がりになってしまいますね。せっかく車を持っているのに、遠出できないのはもったいないですよ。
住宅事情があまりよくない首都圏だと自宅でタイヤを交換することはあまりないと思うし、そもそも冬タイヤを運用したことがない人も少なくないはずです。かく言う僕も九州出身ということもあり、首都圏に出てくるまで冬タイヤを履いている車をちゃんと見たことがありませんでした。
馴染みがないと、どのように運用すればいいのか本当に分からないんですよね。そもそも冬タイヤってホイールごと履き替えるの? 使っていない間はどこかに保管しておくの? 保管場所がない場合はどうすればいいの?——など、疑問がたくさん湧いてきます。
この記事では、九州出身の僕の実体験に基づき、「冬タイヤを初めて購入・運用する人向けの指南書」となるべく、細かいところまで体系的にまとめてみます。ぜひ最後までお付き合いください。
もくじ
冬タイヤって必要なの?
そもそも冬タイヤって必要なの?と思うかもしれませんが、積雪のある地域に遠出するときは必ず装着していた方がいいです。高速道路は山深いエリアを通っていることが多く、平地では積もっていなくても急に降り出すことがあります。
例えば、3月終盤に長野に行ったときはこんなことがありました。
当日の長野は午前中が雨で、昼頃には止み、夕方からは晴れるような予報だったんです。その日の午前中に横浜から長野に向かいましたが、関東は晴れていたので、長野に近づくにつれて空模様が怪しくなるようなシチュエーション。
しかしまだ雨は降っていなくて、そろそろ降りそうだねとか言っていてると、碓氷峠(軽井沢)あたりに差し掛かったとき、いきなり吹雪のようになりました。しかも一瞬で積もりそうなじっとりと重い雪。
突然のことにびっくりしつつ、スピードを落として走ります。幸いこのときはスキー場に向かっていたので冬タイヤを履いており事なきを得たのですが、もう3月終盤だからと油断して夏タイヤで走っていたらどうなっていたことやら。
事実、関東ナンバーの車(おそらく夏タイヤ)が何台かノロノロ走っている横で、普通に走っている冬タイヤ装着車が混在して、かなりカオスな感じになっていました。冬タイヤだから安心して走ることができました(それでも気を使って走りました)が、夏タイヤだと滑りまくって生きた心地がしなかったでしょうね。
本当にいきなり降ってきたようで、後になって現場付近に向かうと思われる除雪車を見かけたくらいです。山の天気が変わりやすいということは、高速道路の天気も変わりやすいということ。
こんな風に急に降雪に遭遇することがあるので、やっぱり雪国に向かうときは冬タイヤが必須です。油断しちゃいけない、ほんとに。
首都圏でも必要になる場面がある
また、首都圏でも年に1度くらいは積雪することがあるので、そのときにも冬タイヤを履いていたら安心です。
2024年も2月の頭に降りました。写真は当日の新横浜の様子ですが、きっと夏タイヤで無茶をしている車が多かったのでしょう。みんなノロノロ運転になったり、ところどころスリップして事故っていたりで、大渋滞になってました。
首都圏の場合は、自分だけ冬タイヤを履いていたとしても無茶な車に遭遇する可能性が大きいので、手放しに安全と言えないのが辛いところ。でも自分が渋滞の原因になるのは恥ずかしすぎるし、そんなしょうもない理由で事故車にしたくないので、保険として履いておきましょうよ、冬タイヤ。
どこで購入・装着するか?
タイヤを購入するとき、ディーラーやカーショップという選択肢がありますが、全般的にディーラーは割高になる傾向が高いので、できるだけカーショップで買いたいものです。
とはいえ乗っている車によってタイヤサイズはさまざまです。そのため、いきなりお店に行っても在庫がなく取り寄せになってしまう可能性もあります。また、在庫があったとしてもピットが空いてないなどの理由で後日の取り付けとなることもあります(経験者)。
そうなると注文時と取り付け時の2回もお店に行かないといけなくなり、忙しかったり急いでたりするとスケジュールを合わせるのがなかなか難しい。だから個人的なおすすめは、オンラインでタイヤを注文しお店で装着してもらうサービスです。
例えばこちらのTIREHOOD(タイヤフッド)だと、自分の車に合うタイヤをオンラインで検索・注文し、全国のオートバックスやその他カーショップで装着してもらうことが可能。お店に行くのは1回で済むので非常におすすめです。
ホイールと一緒に買うのか?
冬タイヤの買い方には2種類あります。
- タイヤのみ購入し、夏タイヤのホイールを流用(夏タイヤは取り外す)
- タイヤ + ホイールセットで購入
結論から言うとホイールセットで購入するのがおすすめです。というかそれ以外の選択肢はありません。
タイヤのみを購入した場合、夏タイヤが装着されているホイール(多くの場合は純正ホイール)から夏タイヤを外し、冬タイヤに組み換える作業が必要です。しかし、これを何度も繰り返すとタイヤの寿命が著しく縮んでしまうので、季節ごとに行うのは現実的ではありません。
一方、ホイールセットで購入した場合、夏タイヤはこれまでどおり純正ホイールで運用し、冬タイヤに交換するときはホイールごと履き替えるだけです。履き替え作業自体はすぐに終わるので、こちらが圧倒的に現実的。
そのため、初めて冬タイヤを購入するときはホイールセットで購入することを強くおすすめします。
ホイールも妥協しない方がいい
そして、個人的には冬タイヤ用のホイールも妥協しない方がいいと思います。
以前乗っていたMAZDA CX-5のときは、「冬タイヤなんて履くのは短期間だし何でもいいや」と思っていたのです。だから純正ホイールは19インチだったのに対して、冬タイヤは17インチにインチダウンしたんですよね。
でも、実際に小さくなったホイールを履いている愛車を見るたびに、なんだかすごく残念な気分になったものです。ホイールひとつで印象が全然違うし、かなりかっこ悪くなってしまった。見た目を重視したいSUVだと尚更…
首都圏に住んでいて遠出のために冬タイヤを装着するような場合、12月〜翌年3月の約4か月間は冬タイヤで過ごすことが多いと思います。4か月とは1年の3分の1もの期間であり、それをかっこ悪いタイヤで過ごすのはかなり気が滅入りますよ。だから冬タイヤのホイールも妥協しない方がいいです。
今乗っているMAZDA CX-60のためには、インチダウンもせず、デザインもできるだけ純正ホイールに近いものを選びました。その結果、冬タイヤを履いている間も見た目に失望することがなくなりました。だから変に妥協しないほうがいいっす。
どこに保管するのか?
夏タイヤと冬タイヤを履き替えながら使うということは、使っていない間はどこかに保管しておかないといけません。首都圏で特にマンション住まいだと保管場所に困るシチュエーションが多いように思います。
- 自宅に保管
- 貸倉庫に保管
- タイヤ保管サービスを利用
コストの面からは、自宅に保管するのがもちろん最強です。無料ですからね。ただ、自宅で履き替え作業をできる場合を除き、ディーラーやカーショップで履き替え作業をやってもらうのは正直大変…(僕は首都圏マンション住まいですが自宅で保管しているので、その詳細については後述します)
また、貸倉庫は他にも保管する荷物があればいいと思いますが、タイヤだけを保管する場合はむしろ割高になります。以下のオートバックスの保管サービスよりも相当割高だし、履き替え時は自分で運搬する必要があるというデメリットもあります。
タイヤ保管サービスがかなり楽
楽さという面からは、カーショップのタイヤ保管サービスを利用するのがいいです。僕もオートバックスの保管サービスを利用していたことがありますが、めっちゃ楽でした。
例えばTIREHOODで注文してオートバックスで装着してもらい、その場で保管サービスを申し込めば、かなり楽に購入・運用できますね。次回以降もオンラインで履き替えの予約をして店舗に赴くだけなので、タイヤを運ぶような力仕事は一切必要ありません。
僕が利用していた店舗では年間15,000円くらいで預かってもらえました。これは店舗によって価格が異なるので、詳細はご利用店舗にご確認ください。また、履き替え時は工賃(4,000〜5,000円程度)が別途かかる点もご注意を。
ちなみに利用をやめた理由は、ベランダの広い家に引っ越して自宅で保管しやすくなったのが大きいです。年2回の運搬作業は自分でやる必要があるけれど、自宅で保管できるものは自宅でええやんと。
実録、首都圏マンション住まいのタイヤ履き替え
ここからは、実際に首都圏マンション住まいの僕がどのようにタイヤを保管し、履き替えているのかご紹介しましょう。
大まかな概要としては以下のような感じです。
- 自宅マンションのベランダにタイヤを積んで保管
- ビニール袋に入れ、その上からタイヤカバーを掛けてベランダに横積み
- 交換時期になったら、ディーラーにタイヤを持ち込んで履き替えてもらう
自宅マンションのベランダにタイヤを積んで保管
自宅のベランダが結構広いので、端っこにただ積み上げて保管しています。こんな感じで、湿気防止のために専用のタイヤパレットを敷いて、その上に重ねているだけです。
タイヤパレットとカバーで丁寧に保管しよう
こうやってタイヤパレットを置いて——
1つずつ重ねていきます。SUVのタイヤは大きくて重いので大変です。
使っているタイヤパレットとカバーはこちらの商品。
当初は保管中に雨風に晒されることを心配していたのですが、実際はベランダに奥行きがあるのでほとんど濡れることはありません。台風レベルの風が吹いたらさすがに雨が入ってくると思いますが、通常だと濡れる心配は不要でした。
もちろん状況によると思うので、雨に濡れそうな環境の方なら全体を覆うカバーを掛けておいた方が無難です。僕も汚れ防止のために買おうかと思っています。
まあ、タイヤなんて車に装着していれば雨風に晒される厳しい環境で使うものですからね。そこまで気を使わなくてもいいかもしれませんが、汚れていたら運搬するのが大変なのですよ。
ディーラーに持ち込んで履き替え
僕の場合は、夏タイヤ→冬タイヤは12月中旬頃、冬タイヤ→夏タイヤは3月末頃くらいに履き替えています。
その時期になったら、ディーラーに持ち込んで作業をやってもらいます。事前に担当さんに連絡して予約しておきますが、オートバックスとは違ってめちゃめちゃ混み合っているわけではないし、多少はわがままも聞いてもらえるので、ディーラーにお願いする方が気が楽ですね。
履き替え当日は、ベランダに積んだタイヤを午前中のうちにせっせと車に運びます。1本ずつ気を張って丁寧に転がしていくので、これだけでも重労働です。うちは角部屋のため玄関先にポーチがあるので、まずは4本ともベランダからポーチに運び、そこから1本ずつ駐車場の車に運搬します。
いちばん大変なのは車に積み込むときに持ち上げるところですね。腰をやられないようにしっかり足を踏ん張って、骨盤を軸にしてゆっくりと持ち上げます。
4本とも積み込んだらディーラーに持って行って履き替え作業をやってもらいます。関東マツダの場合は3,740円とオートバックスより安いです。また、定期点検でタイヤを外すときは一緒に持ち込むと無料で履き替えてもらえます。
ちなみに、ビニール袋はディーラーで余っていたものを貰いましたが、自分で準備する場合はこのようなものを買うといいです。僕も予備で買いました。
履き替えて自宅に戻ってくると、だいたい15時とか16時を回っています。車に乗せて持って帰ってきたタイヤを今度は1本ずつ自宅まで運び、ベランダに積み上げる作業が待っているので、日が暮れる前にやってしまいます。
午前中とは逆の手順で、まずは1本ずつ駐車場からポーチまで運びます。その後タイヤカバーを掛けてベランダまで持って行くと。ここまでやると辺りは暗くなっているような時間帯で、履き替え作業だけで1日かかってしまいますね。超大変なので、やっぱり保管サービスを使ってもいいんじゃないかと思い始めているところ。
首都圏マンション住みによる冬タイヤ運用のすべて
さて、この記事では首都圏マンション住みの冬タイヤ運用のすべてをお伝えしてきました。
確かに履き替え作業は大変だけれども、それはタイヤ保管サービスを利用することでアウトソーシングできるので、ほとんど手間なく運用することも可能です。
まだ冬タイヤを導入したことなくて積雪地域に遠出を考えている方がいれば、ぜひ参考にしていただければ嬉しいです。
初めて冬タイヤを買う前の僕は、九州出身で馴染みがなかったこともあり、少しくらい雪が降っても夏タイヤで余裕余裕〜と思っていました。しかし、雪国で実際にいきなり吹雪くような状況に遭遇すると、そんな悠長なことは言ってられないなと改心しました。
冬タイヤといっても常に雪や氷のある道を走るものではなく(もちろんそんな状況もあると思うけど)、それよりも「いきなり降り出す雪や不意に現れる凍結路に備える」という意味合いの方が強いです。首都圏民だと特に。
だから絶対に雪を甘く見てはいけません。本格的な冬が訪れる前に、ぜひ一度検討してみてください。