仕事でもプライベートでも、文字入力を楽しく。
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HHKB、1か月使いました
3万円超えの高級キーボード「Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID Type-S」を使い始めて1か月が経ちました。作業効率が上がることを期待して購入しましたが、果たして本当に効果があったのか?
最初のうちはあまり慣れていませんでしたが、1か月も経つと、逆にHHKB以外のキーボードに違和感を覚えるようになりました。このような状況で感じるHHKBの効果について考えてみたいと思います。
HHKBの本当のところ
結論から言うと、「作業効率は上がらないけれど、作業自体は楽しくなる」という感想を持っています。もう少し因数分解すると以下のようになります。
- 打ちやすい → Yes
- 打っていて気持ちがいい → Yes
- タイプミスが減った → No
- 作業効率が上がった → No
- 作業が楽しくなった → Yes
打ちやすい → Yes
打ちやすさを前面に押し出したキーボードなので、そりゃあ打ちやすいに決まっています。3万円超えの高級キーボードなので、自分に合わなかったらどうしようと心配していましたが、その必要はなかったようです。
特に、コトコトと軽いタッチで入力できる打鍵感に病み付きになっています。静電容量無接点方式のHHKBはキーを下まで押し込む必要がないので、キーにクッション性があるんです。そのため、ペチペチとキーストロークの浅いキーボードよりは楽に入力することができます。
僕は作業に集中すればするほど力が入ってしまって、キーボードを強く押し込む癖があります。だから深いキーボードの方が向いているのかもしれません。
打ちやすいということは「疲れにくい」ということです。最近は在宅勤務が多くて1日中HHKBを使っていることもザラではありませんが、夜になっても手の疲れは感じません。前職で1日中ThinkPadのキーボードを使っていたときは、手を動かすのが嫌になるくらい疲れていたので、やっぱりHHKBはいいのだと思います。
打っていて気持ちがいい → Yes
言葉にするのが難しい感覚ですが、「打ちやすい」を越える何かがあるんです。
キータイプを通して触覚や聴覚に訴えかけられる感触が心地よい。静電容量無接点方式の、柔らかく、押下圧45gを越えた瞬間にスッと押し込まれる感触。そこで発せられるタイプ音。どれを取っても心地よいのです。
だから文字を打ち込むのが気持ちいいんですよね。ただの「文字入力」という作業が、一種のアトラクションになる。打ち込めば打ち込むほど楽しくなってくるんです。
HHKBを購入するまでは、ラップトップの上にHHKBを置いて作業する「尊師スタイル」に対して、そこまでするか?と思っていました。でも、実際にHHKBが自分の手に馴染んでくると、外出先でもHHKBを使って作業したい欲が出てきます。まだ持ち歩くほどではありませんが、そのうち出勤時に持っていきそうです。
タイプミスが減った → No
打ち心地は最高である一方で、作業効率という面から考えてみます。
まず、タイプミスは減りませんでした。僕はATOKを使っているのでマンスリーレポートというものがあり、月ごとの入力文字数やタイプミスの数といった情報をまとめて見ることができるんです。
そのマンスリーレポートを見ても特にタイプミスは減っていません。ミスが多くて恥ずかしいですが、HHKB導入前の8月と導入後の9月のデータを出すと、以下のような感じです。HHKBを接続して使っているiMacのみのデータとなります。
月 | 入力文字数 | タイプミス回数 | タイプミス率 |
---|---|---|---|
8月(HHKB導入前) | 33,155 | 2,532 | 7.6% |
9月(HHKB導入後) | 36,065 | 2,543 | 7.1% |
作業効率が上がった → No
タイプミスの数も変化はないし、それ以外を考えてみても、特に作業効率が上がった実感はありません。
購入前は、高級なキーボードを使うと作業効率が上がると思っていました。でも、作業効率はキーボードではなく自分に依存するんです。そのときの体調や気分とか、集中力とか、まとめて確保できる時間とか、キーボードが影響しない部分の問題なんです。
だから、いいキーボードを買っても作業効率は上がりません。手に入れたばかりのうちは嬉しくてがむしゃらに入力したくなりますが、1か月を平均すると作業効率に変化はなかったと思います。
これから継続して使っていくうちにHHKBのよさを噛み締める場面はあるかもしれませんが、手に入れたときと同等の喜びを感じながら無心に入力することはないと思います。そのため、これからも作業効率は上がらないはずです。
作業が楽しくなった → Yes
効率は大して上がらないけれど、打ちやすさや気持ちよさがあるので、作業自体はとても楽しく進めることができるようになりました。
もちろん、ブログは好きで書いていますが、思いついたことを噛み砕いて文章にして行くのが面倒に感じることもあります。そんなときでも、HHKBを使っていると入力すること自体が心地よいので、長文を書くのが苦になりません。
また、在宅勤務で使っているときでも、たまに長文の研究計画書を書くことがあります。このようなときは、朝から夕方まで、勤務時間中ずっと文字を入力しています。一から研究計画を練り上げる楽しさと、HHKBを使って入力する楽しさが相まって、ストレスなく仕事を進めることができています。
当初は作業効率が上がることを期待して購入したHHKBですが、効率は大して上がらないものの、作業自体を楽しむことができるという、思わぬメリットがありました。
自分のご機嫌をとりながら、文字入力を楽しく
HHKBを1か月使ってみて分かったことは、HHKBは作業効率ではなく、作業の楽しさに寄与するツールだということです。3万円超えの高級キーボードですが、作業中の自分のご機嫌をとるためのツールとして考えると、決して高くはありません。いや、高いか。
まあ高いので、読者の皆さんにおすすめはしません。しかし、誕生日プレゼントとか、臨時収入が入ったときとか、3万円程度の買い物をするときにHHKBの存在を思い出すことができれば、購入して後悔することはないと思います。
僕はずっと欲しかったけれど、その値段ゆえになかなか手を出せずにいました。しかし、思い切って購入してみると、一切後悔のない買い物になりました。仕事でもプライベートでも、ずっと文字入力しているのだから、なおさらです。
もはや、HHKBがないと生きていけない体になってしまったのかもしれません。そういう意味では知らない方が幸せだったのかもしれませんね。でも、高級キーボードの世界を知ってしまったので、これからも使い続けます。