これまでの財産を活用しながら。
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ここ数年はEvernoteを活用できずにいた
「ライフハック」と称して、身の回りの全ての情報を記録するためにEvernoteを使う、第2の脳としてあらゆる情報をEvernoteに集約する——そんなことが、10年ほど前に流行りました。
僕も当時のブロガーたちに感化され、デジタル情報のみならずアナログ情報までも、ScanSnapを購入してEvernoteに集約してきました。しかし、時が経つにつれてEvernoteに集約される情報は増加の一途を辿り、いつしか整理できない情報で溢れ返りました。情報を集約して整理整頓するはずだったEvernoteが、ただのゴミ溜めになっていたのです。
そうなると、だんだんEvernoteを使うのが億劫になりました。ゴミしかないんだから当然です。
さらに追い討ちをかけたのは、大学院の修了とPMDAへの就職でした。極めて個人的な事情ではありますが、僕にとっては大きなできごとです。自分のMacで研究に関する全ての情報を管理していたフローがなくなり、外部への持ち出しが許されない組織のPCを使うように。
こうして、「身の回りの情報を自分で用意したEvernoteという場で整理整頓したい」という欲もなくなり、年単位で放置するようになりました。
もう一度、Evernoteに光を当てる
徹底的に整理してやると意気込んでEvernoteを使い始めたので、当然のごとく年5,200円のプレミアムを契約。放置している間も課金され続けました。もったいない気はしていたけれど、見て見ぬふりをしていました。
でも先日、契約中のサブスクを棚卸ししたのをきっかけに、せっかく払っているのなら使い倒したいという欲が再燃。「使わないから解約しよう」ではなく、「せっかくなら使い倒したい」という発想になるあたり、まだEvernoteを使って情報を整理整頓することが好きなんです。だって、欲しい情報が欲しいときに一発で出てくるのが気持ちいいし、便利なんだ…!
確かに、身の回りの情報を整理して集約する用途であれば、Evernoteでなくても、Mac/iOSのノートアプリでも、Microsoft OneNoteでもいいと思います。でも、これまで蓄積してきた(ゴミじゃない方の)情報の財産もあるし、年間契約で課金しているので、引き続きEvernoteを使い続けたいと思います。
一気に整理整頓し直した
勢いがあるうちにゴミを一掃して、使いやすい環境を整備することに。まずはノートブックの整理から取りかかります。
Evernoteを使い始めたころにどこかでおすすめされていた、各ノートブックに番号を振って並び順を制御する方法。僕もこの方法で管理しているのですが、データが肥大化するにつれて分類が複雑になったり、知らぬ間に同じような分類のノートブックが複数存在したり。使いやすくするためのアイデアによって、逆に使いにくくなってしまったのです。
また、Inboxというノートブックを作って新規ノートはこのノートブック内で作成しておき、時間があるときにまとめて最適なカテゴリーのノートブックに振り分ける。これもどこかでおすすめされていて僕も採用した運用方法だったのですが、いつの間にか振り分け作業が滞ってしまい、Inboxノートブック内はごちゃごちゃに。
今になって見てみると保存する価値もないような情報があるかと思えば、ところどころ重要な情報も混ざっている。必要な情報と必要ない情報を分類して、前者は適切なカテゴリーに振り分け、後者はゴミ箱に入れる。このような整理整頓の作業を、数時間かけて一気にやってしまいました。
その結果、僕のEvernoteの中身は「自分にとって必要な情報」が「適切なカテゴリー名を冠したノートブック」の中に入っている——という失われた魅力を取り戻しました。情報をただ放り込むだけでなく、取り出すときのことを考えてきちんと整理整頓しておく。そうしないと、第2の脳として機能しないのです。
何でもかんでも放り込まない
今回は時間を取って整理整頓したからいいのですが、今後この状態をキープできるかという課題があります。自分にとってのEvernoteの位置づけを定義し直さないと、同じような玉石混交状態に陥ることは容易に想像がつくんですよね。
考えてみると、「念のために取っておいた方がいいんじゃないかな」という思考が、Evernoteをゴミ溜めにしてしまう諸悪の根源なんです。
デジタルだから物理的に場所を取らないが故に、何でもかんでもEvernoteに放り込んで後で整理しようと考えていると、必要のない情報ばかりが蓄積していって、後から整理整頓するのが面倒になります。その結果、情報をうまく取り出すことができなくなり、Evernoteを使うこと自体をやめてしまうのです。
だから、Evernoteに保存する際に情報を取捨選択する必要があります。保存する必要のある情報を選別し、必要のない情報は思い切って捨ててしまう。「捨てる」という判断をすることは、手元にある情報の純度を上げるために必要な選択なのです。
そのためには、自分の中に確固たる判断基準を設定しておかないといけません。僕は「3か月後の自分にとっても必要な情報か?」を基準にすることにしました。「おそらく必要なさそうだけど念のために保存しておく情報」は、きっと3か月後には「明確に不要な情報」になっていると考えたのです。
だから、3か月後の自分が参照しないと思われる情報は、最初からEvernoteに保存しない。こうすることで、Evernoteがゴミ溜めにならなくし、保存される情報の量も減るため整理整頓も楽になるはずです。
健全な運用を
以上のように、思考停止して全ての情報をEvernoteに入れるのではなく、保存すべき情報なのか取捨選択しつつ、あわせて定期的な整理整頓を行います。再びゴミ溜めにすることがないように、健全な運用をしたいですね。